探偵とカメラマン♯1
幽霊が出る訳あり物件の秘密とは?
- ピーンポーン
- ピーンポーン
- ドンドンドン(ノックの音)
- ピーンポーン
- うるさいな...
山田裕貴
- 誰だよこんな時間に...
山田裕貴
- 迷惑だな...
山田裕貴
- ピッ
- はい、山田です
山田裕貴
- こんばんは
竹原優一
- あ...こんばんは
山田裕貴
- (知らない人だな...)
山田裕貴
- どうされました?
山田裕貴
- こんな夜中に
山田裕貴
- 最近304号室に引っ越してきた竹原と申します
竹原優一
- あ、どうも
山田裕貴
- 挨拶しに来るのはいいですけど、こんな夜中に来るのはさすがに迷惑ですよ
山田裕貴
- それは失礼しました
竹原優一
- しかし
竹原優一
- 少し気になることがあるので
竹原優一
- 中に入れさせてもらえませんかね?
竹原優一
- え?
山田裕貴
- 中に?
山田裕貴
- はい...
竹原優一
- それは無理です
山田裕貴
- ってか何のために入るんですか?
山田裕貴
- あなたの部屋について知りたいのです
竹原優一
- 俺の部屋?
山田裕貴
- なんもないよ?
山田裕貴
- 俺も引っ越してきたばかりだし、物なんてないよ
山田裕貴
- あなたの部屋...何かおかしなことは無いですか?
竹原優一
- え?
山田裕貴
- いや...特にないですけど
山田裕貴
- 普通の部屋ですよ
山田裕貴
- それが普通じゃないのです...
竹原優一
- とにかく私を部屋に入れてくれたら、全て話してあげます
竹原優一
- あなた泥棒?
山田裕貴
- そうやって理由つけて中に入って物盗もうとしてるだけじゃ?
山田裕貴
- そんな事しませんよ
竹原優一
- カメラに持ち物全て見せて
山田裕貴
- カメラと写真しか持ってきてないですよ
竹原優一
- あなた俺を殺そうとしてる?
山田裕貴
- そんな事しません
竹原優一
- 本当に?
山田裕貴
- 本当に
竹原優一
- もし私がなにかすれば、すぐに警察を呼んでも構いません
竹原優一
- わかった
山田裕貴
- そこに立ってて
山田裕貴
- ピッ
- こんな時間になんだよ...
山田裕貴
- 本当に迷惑だ...
山田裕貴
- (もしあいつが泥棒だったら?)
山田裕貴
- (フライパンで殴るか...)
山田裕貴
- 今ドアの前にいるよ
山田裕貴
- 良かった
竹原優一
- 無視して寝たのかと思いましたよ
竹原優一
- そんな事はしない
山田裕貴
- どうせまたインターホン鳴らすんでしょ?
山田裕貴
- まぁ...そうですね
竹原優一
- (開けるか...)
山田裕貴
- ガチャ(ドアが開く音)
- やっと顔が見れた
竹原優一
- どうも
山田裕貴
- (いや、怪しすぎ...)
山田裕貴
- それではお邪魔します
竹原優一
- どうぞ上がって
山田裕貴
- (本当に何もしてこない...)
山田裕貴
- (何が目的なんだ?)
山田裕貴
- さて...座らせてもらいます
竹原優一
- ギギギィ...(イスの音)
- (壊すなよ?)
山田裕貴
- さて...
竹原優一
- さっきお名前は言いましたが、もう一度言います
竹原優一
- 竹原優一と申します
竹原優一
- どうも
山田裕貴
- あなたのお名前は?
竹原優一
- (この人個人情報を知ろうとしてるのか?)
山田裕貴
- 山田裕貴です
山田裕貴
- お隣どうしよろしくお願いします山田さん
竹原優一
- よろしく...
山田裕貴
- そして細かいことは私が作ったこの本を読むといいですよ
竹原優一
- 世界の心霊スポット?
山田裕貴
- はい
竹原優一
- 私の職業は作家です
竹原優一
- 世界の心霊スポットに行って体験したことをその本に書いてるのです
竹原優一
- 売られてるの?
山田裕貴
- 心霊好きの中では話題です。特別に無料でお渡しします
竹原優一
- 心霊には興味ない
山田裕貴
- それで
山田裕貴
- あなたが俺の家に上がり込んでまで伝えたかったことはこれ?ただ宣伝するためだったの?
山田裕貴
- いいえ
竹原優一
- 私の職業を先に伝えておいた方が良いかと思いまして
竹原優一
- それが何に関係してるの?
山田裕貴
- さっき言いましたけど、私は引っ越してきた者です
竹原優一
- なぜ引っ越してきたのか知ってます?
竹原優一
- 知らないですよそんなの
山田裕貴
- 私のさっき言った事をちゃんと聞いていればわかりますけど
竹原優一
- 本を書くため?
山田裕貴
- なんの本を書いてると言いました?
竹原優一
- 心霊...?
山田裕貴
- その通り
竹原優一
- どういうこと?
山田裕貴
- あなたの隣の304号室は、訳あり物件です
竹原優一
- 訳あり物件?
山田裕貴
- 自殺ですよ
竹原優一
- そんなの聞いてないですよ
山田裕貴
- ここの大家さんはずっと黙ってるんです
竹原優一
- なぜ?
山田裕貴
- もちろん評判が悪くなるからです
竹原優一
- それも1年前の事件のこと
竹原優一
- 未だ出るんですって
竹原優一
- 「幽霊」が
竹原優一
- それはあなたの部屋が事故物件なんでしょ?
山田裕貴
- 俺の部屋は関係ない
山田裕貴
- それが関係あるんです
竹原優一
- なに?
山田裕貴
- この写真を見てください
竹原優一
- これがあなたの部屋?
山田裕貴
- そうです
竹原優一
- 何もないけど
山田裕貴
- よく見てください
竹原優一
- この白い玉
竹原優一
- ホコリじゃないの?
山田裕貴
- これはオーブと言って、幽霊の魂です
竹原優一
- あなたの勘違いだよ
山田裕貴
- 私こう見えて霊感があるんです
竹原優一
- この訳あり物件を見つけた時から何かを感じていました
竹原優一
- そして写真を
竹原優一
- Σp📷ω・´)パシャッ!!
竹原優一
- って撮ると
竹原優一
- 写ってたんですよ
竹原優一
- これが?
山田裕貴
- もちろん霊能者に一応見せに行きました
竹原優一
- すると霊能者の方も間違いないと
竹原優一
- 言っておられました
竹原優一
- それで俺の部屋になぜ来た?
山田裕貴
- 実はですね
竹原優一
- 304号室に引っ越してきてからあたなの部屋から子供の声が聞こえるんです
竹原優一
- 子供なんていないよ
山田裕貴
- だから不思議なんです
竹原優一
- それも毎日です
竹原優一
- 正直こんなにも不思議なことが起こる物件は初めてです
竹原優一
- そして私の部屋からも声が聞こえるんです
竹原優一
- 男の声が
竹原優一
- なんて言ってるかは聞き取れませんが確かに聞こえてるんです
竹原優一
- あなたのあの部屋から聞こえてくるんです
竹原優一
- 竹原が指さした方を山田が見る
- あの部屋には何がありますか?
竹原優一
- まだダンボールしか置いてないよ
山田裕貴
- 見させていただきます
竹原優一
- ちょ...どこ行くんだよ
山田裕貴
- 竹原が部屋に入る
- 変なことするなよ
山田裕貴
- しませんよ
竹原優一
- ここのダンボールどけていいですか?
竹原優一
- いいけど
山田裕貴
- 何するの?
山田裕貴
- 山田がダンボールをどける
- 何もないよ?
山田裕貴
- 私実はいつも夢で見るんです
竹原優一
- 顔が見えない少年が穴を覗いているところを...
竹原優一
- あの部屋に住んでからです...
竹原優一
- 見てください山田さん
竹原優一
- なに?
山田裕貴
- ここの壁だけ新しいです
竹原優一
- きっとここに1年前まで穴があいていたんです
竹原優一
- これで夢で見た穴の正体がわかりました
竹原優一
- この穴が何か関係するの?
山田裕貴
- 山田くん
竹原優一
- はい?
山田裕貴
- 私と協力してくれませんか?
竹原優一
- 協力?
山田裕貴
- この事件ではあなたの部屋と私の部屋が関係してるのです
竹原優一
- 関係してる?
山田裕貴
- はい
竹原優一
- 私はこの事件の真実をどうしても知りたいのです
竹原優一
- それにはあなたの力が必要です
竹原優一
- 俺を巻き込むなよ
山田裕貴
- あなたも知りたいでしょ?1年前にこのアパートで何があったのか...
竹原優一
- ダンボールの中を見てみても、ミステリー系好きそうですし
竹原優一
- 勝手に見るなよ
山田裕貴
- どうですか?あなたのような頭のいい探偵と心霊大好きカメラマンが手を組めば、この事件は解決されるのです
竹原優一
- どうですか?あなたが探偵になるチャンスです
竹原優一
- ...
山田裕貴
- (確かに探偵みたいになりたいと思ってたけど...)
山田裕貴
- どうしますか?
竹原優一
- わかった
山田裕貴
- 協力してやるよ
山田裕貴
- ありがとうございます
竹原優一
- まだあんたを完全に信頼してる訳じゃないから
山田裕貴
- それではLINE交換しましょう
竹原優一
- なんでだよ
山田裕貴
- 情報共有は大事なので
竹原優一
- お互い何か異変があったら伝え合うんです
竹原優一
- どうせ山田くんはLINEする友達いないでしょ
竹原優一
- うるさいな...
山田裕貴
- わかったよ
山田裕貴
- LINE交換する
山田裕貴
- そして7時30分になったら早速会いに行きましょう
竹原優一
- 404号室にいる住人に...
竹原優一
- 次回続く