廃墟からのLINE5
GW暇だった。ヒロの表情差分だけ増えていく。評価ありがてえ!ありがてえな!
- 前回までのあらすじ
桐島
- 桐島は試合の日に行方不明になったらしい。
B校行って桐島について聞くか
直泰
- 廃墟ないってさ
アキ
- 桐島いた~~
宏考
- うっす
桐島
桐島
- なんとか逃げられましたね
桐島
- 桐島~~!!!よかった!マジで危なかったわ!助かった!
宏考
- 急に居なくなったと思ったら、まさかあんなとこで挟み撃ちにあってるとは思いませんでしたよ
桐島
- さすがです先輩
桐島
- まあな!
宏考
- さあ早くここから脱出しましょう。時間がない。
桐島
- おう!そうだな!
宏考
- うん?時間がないって?
宏考
- …そんな気がします
桐島
- まあお前の勘は当たるからな!
つーかこんなとこ長居したくねぇし、とっとと帰ろう!
宏考
- そうですね。といっても…
桐島
- どうやったら出られるのかは僕にもわかりませんが
桐島
- 入れたし、どっかから出られるんじゃね?
宏考
- そう思いたいんですけどね
桐島
- 桐島はうつむき、静かに呟く
桐島
- …先輩
桐島
- おう。どうした
宏考
- 怒ってないんですか
桐島
- なにが?
宏考
- いや、色々と。
今だって、僕が呼んだせいでこうなってるんだし
桐島
- あぁ~~まぁ~~~~
宏考
- 色々言いたいことあったんだけど、桐島が無事な姿見たらどっかいったわ!
宏考
- お前が無事ならいいや!
しんどくなって俺を頼ってくれたんだろ?
宏考
- …
桐島
- 任せとけ!俺はお前の先輩だからな!ドーンとなんとかしてやんよ!
宏考
- でも帰ったらちゃんと皆に話すんだぞ?何があったか知らないけど、皆心配してたからさ
宏考
- 心配?それはないですよ
桐島
- 自分で言うのもなんですけど、心配されるほど信頼されてませんから
桐島
- そんなことないって!
加藤とか口では悪態ついてたけどめっちゃお前のこと探してたし!
宏考
- へぇ…
桐島
- まー、わかりました
そう言うならもう気にしません
桐島
- おー、それでいいんだ
宏考
- ふと、宏考はポケットからスマホを取り出す
宏考
- あっ!LINE来てる!ナオだ!
宏考
- やっっっべ警察沙汰になってる
宏考
- LINE届くんですか?
桐島
- いやそれ。ほんと謎なんだけど、LINEだけ起動すんだよ
で、たまに電波が繋がるポイントがあんの
宏考
- ていうか桐島俺にLINEくれたじゃん
宏考
- そうなんですけど、あれ以降は送れなくなって
桐島
- あ、そうだ
桐島
- 桐島は画面の割れたスマホを取り出す
桐島
- 画面バキバキだな
宏考
- …落としちゃって
桐島
- なにしてんの?
宏考
- ブロック大会
桐島
- なんで?
宏考
- また何かの拍子に誰か呼んじゃうとまずいんで
桐島
- なるほど…あっやべ。アキとナオに連絡とらないほうがいいかな
宏考
- どうでしょうね。何がきっかけになってるのかハッキリしないんで
桐島
- とりあえずこっちの状況伝えて、外で脱出手段を探してもらいますか?
そのあと一時的にブロックしておくとか
桐島
- それでいこう
あっ今は繋がってない…けどどこで繋がったのかわかんねぇな…
宏考
- っていうかそれ、気になりませんか?
桐島
- ん?
宏考
- 電波のつながるポイントってやつ。それって、外と何かしら繋がりがあるってことですよね?
桐島
- な、なるほど…頭いいなお前
宏考
- えっああどうも…
電波のつながる部屋に、何かありませんでしたか?
桐島
- 出口っぽいものは特に何もなかったけどなー
宏考
- たまたま電波の入りがよかっただけじゃないか?
宏考
- ここがただの廃墟ならそうかもしれないんですけどね
桐島
- 外がどうなってるか知ってますか?
桐島
- いや窓無かったからわからん
なんかあんの?
宏考
- 水です
桐島
- ここ、多分湖の中なんですよ
桐島
- あー廃墟の近くにあったやつか!
宏考
- えっそれなら俺たちどうやってここに来たの…?
宏考
- さあ…?地上に繋がる通路があるとか?
桐島
- じゃあ泳いで脱出もワンチャンある…?
宏考
- えっああやりたいならどうぞ…
無理だと思うんで僕は遠慮しておきますけど…
桐島
- 人生のバットエンド回収しちゃう…
宏考
- 僕はハッピーエンドがいいんで
とりあえず来た道戻りますか
桐島
- 俺はトゥルーエンドがいい…
宏考
- うん?待て。戻ったらまたさっきのやつが…
宏考
- うーん。どうせ進んでも居ますし戻りませんか?
正直この先にあんまり進みたくないので
桐島
- え?なに?ボスとかいるの?
宏考
- そんなとこです
桐島
- ええこわ
宏考
- 2人は周りを警戒しつつ、廃墟の中を探索しながら進んでいく
宏考
- ほんと、なんなのあいつら…
キモいしヌメヌメしてるし風船みたいで…あとなんかちょっと鱗生えてない?
宏考
- 元は人間っぽいんだけど
宏考
- よく見てますね
あれは多分ボスのせいかな
姿がちょっと似てるし
桐島
- え、なに。ボスって魚かなんかなの?
宏考
- 魚に近いけど…遠目に見ただけなんで詳しくは分かりませんね
桐島
- あ、またこの印だ。
これ、あちこちにあるんだよな。進むにつれ増えてる気がする…
宏考
- ランドマークかな
宏考
- あの、そのゲーム脳もうちょっとなんとかなりません?
桐島
- さっきから緊張感に欠けるというか
桐島
- あのな桐島
宏考
- 俺はホラーが駄目だ
宏考
- 存じ上げています
桐島
- 今俺はホラーだ
宏考
- 圧縮されてるけど言いたいことは分かります
桐島
- この状況をゲームだとでも思わないと!!精神が持たないの!!!
現実逃避させて!!!格好いい先輩でいさせてくれよ!!!
宏考
- もうそれ大分危うい気がするんですけど…わかりました、わかりましたって泣かないで下さいようざったい
桐島
- ウザいって言った!今ウザいって!
宏考
- あんまり騒ぐとまた色々寄って来ますよ
桐島
- ああこれ、ボスの周りに似たものが沢山ありました。
ボスが何なのかは分かりませんが…恐らくあれはなにか…奉られているものですね
桐島
- 奉られているもの?神様とか?
宏考
- さー。良いものには見えませんでしたけどね?
桐島
- なんでそんなものが…はっ
宏考
- 遠くに人影が見える
宏考
- あれ女の人じゃないか?
宏考
- えっそれは…ちょっと待って先輩
桐島
- お姉さーーん!大丈夫っすかーー!!!
宏考
- …
桐島
- 宏考がぼう、と佇む女性へ声をかける
桐島
- お姉さん?お姉さんも迷子ですか?
宏考
- ヒュー
- お姉さん…?どうし、
宏考
- …!
先輩!駄目だ!!
桐島
桐島
- 行方不明者って、今月入って五人目なんだって
アキ
- 今月ってまだ半月なんだが…多くないか?
直泰
- うん。それで随分前から警察も動いてるみたいなんだけど
アキ
- 行方不明者の関係者が、揃いも揃って言うんだって
「廃墟へ行った」って
アキ
- 廃墟に呼ばれたって
アキ
- 同じだな
直泰
- 昼頃その話聞いて、それから廃墟の噂について聞いて回ってたんだけど
アキ
- 廃墟へ行って行方不明者が出てるなんて話、誰も知らなかったよ
アキ
- あれだけ噂が出回ってるのにか?
直泰
- そう。それに聞き回ってるうちに結構話のばらつきが出て来て
アキ
- 埋蔵金があるだの、隠された地下通路があるだのって
アキ
- なのに、実際人が居なくなってるって話だけは出てこない
アキ
- さすがに不自然だな
直泰
- それに、実際には皆が言ってる場所に廃墟は無い
アキ
- なら呼ばれた人間は一体どこへ行ったんだ…?
直泰
- だから居なくなった人たちの関係者に会って話を聞いてみようかなってね
アキ
- あと、図書館へ行って昔の地図を確認したいんだ
もしかしたらどこかに古い家の跡地なんかがあって、地下に行ける場所とかがあるのかもしれないと思って
アキ
- まあ宏考が廃墟へ行ったと言っているなら、周辺の何処かに居るはずだよな
直泰
- そうだ伝え忘れるところだった
昨日LINEが来たんだ。ヒロは桐島と一緒に居るらしい
直泰
- マ?そんなこと言ってなかったけど…
アキ
- いや、そうだな
確か桐島からLINEが来て、廃墟へ入ったと言っていた
直泰
- 一緒に居るかどうかは分からないな
直泰
- あ、ちょっとまってそうだそんなこといってた
アキ
- その関係者の人の中には、廃墟に呼ばれたけど、行かなかったって人もいて
その人が言うには
アキ
- LINEが来たんだって。知らない人から。だけど履歴には残って無かったから、それは勘違いだろうってことになってた
アキ
- それでももしLINEが来たら注意してくれって。決して廃墟を探そうとはしないで欲しいって言われた
誘拐事件かもしれないから危険だって
アキ
- 正直、警察が探してるのに見つからない場所を私たちが探すのは難しいかもしんないけど…
アキ
- 大人しくしてらんない
アキ
- 危険なことはするなよ?
直泰
- わかってる
アキ
- 誘拐事件か…誘拐された桐島に成り済ました犯人が、LINEでヒロを呼んだ、とか?
直泰
- ありえるかも
アキ
- でもなー
アキ
- 異世界
直泰
- それなー
謎
アキ
- さっき本当に異世界にいるかも、みたいなこと言ってたよな
直泰
- あーうん
誘拐なら外国につれてかれてるのかもって
アキ
- その廃墟の場所が中継地点になってるとか
アキ
- けど居なくなった当日にアキにLINEが来てるんだろ?
直泰
- そんな数時間で外国に運ばれて、しかもLINEしてるのはおかしくないか?
直泰
- さすがにヒロでも、外国を異世界と表現はしないだろ
多分
直泰
- 多分
直泰
- 思考のヒロ縛り
アキ
- それもそうだね
てか警察にLINEの話してなかったわ。あとで連絡しよ
アキ
- 異世界…ほんとなんなんだ
直泰
- ヒロのLINEが全体的にフワフワすぎて情報0なのがね
アキ
- 焦ってるのはわかる
直泰
- だかなぜか俺たちにLINEを飛ばす
直泰
- 警察に連絡しろまじで
アキ
- それな
直泰
- まさか何らかの理由でLINEしか使えないとか
直泰
- えっどんな理由それ…?
アキ
- てか二回目のLINEが謎なんだけど。スマホ使えるなら捕まってる訳ではないのかな
余裕があるんだか無いんだか
アキ
- フリーWi-Fiでも探してるのか
直泰
- 緊急時に通信料気にしちゃう…?
アキ
- ああ、電波が繋がる場所が限られてる、の方がありえるな
直泰
- あ、山の中だから!
アキ
- 遭難してんのかあいつ
アキ
- 異世界
直泰
- も~~一言で人を混乱に陥れる天才かあいつ
アキ
- 本人に聞くのが手っ取り早いんだがな
本人にも状況が分かってない可能性はあるが
直泰
- 昨日もLINEきたなら今日こっちにLINE来たりしないかな
アキ
- あ
アキ
- あ!!!
アキ
- きたか
直泰
- きたけど
アキ
- ちがう
アキ
- なんだどうした
直泰
- 友達申請が来てる
アキ
- 桐島満から
アキ
- え
直泰
- 既読5 交錯
直泰