ソードアート・オンライン 黒紫の英雄譚 第11話
最初投稿した時文が長すぎてエラー出たので減らしまた。第1層もあと少しで終わりです。
- だが、断る。
キリト
- なんでだヨー。同じβテスターのよしみでなんとかしてくれヨ。
アルゴ
- あのな、迷宮区が発見されてこの層の攻略も終盤に差し掛かってるのに、他のプレイヤーに今更教えている暇なんて俺にはないぞ。
キリト
- いいじゃないカ。それにボス攻略に人数が足りないなら丁度いいだロ?
アルゴ
- そもそも俺はそのプレイヤーに会ってないんだからどれくらいの強さなのか分からないんだよ。
キリト
- もー人間不信だナ。分かったヨ。なら、オレっちの持ってるとっておきの情報を後でやるかラ。
アルゴ
- うっ....
キリト
- (正直アルゴの持ってる情報は貴重な物ばかりだ。それをタダで手に入れられるのは大きい。...が、ユウキに加えてもう1人戦術を教えるのは俺的に厳しいぞ。ユウキはもう殆ど基礎は終わってるとはいえ、まだボス戦に挑むには足りないレベルだし。)
キリト
- いいじゃん。会うだけ会えば?
ユウキ
- ファっ!?ユウキ、いつからそこへ!?
キリト
- さっきから居たよ。
ユウキ
- おーっとキー坊。多数決で決まりそうだナ。
アルゴ
- あのなぁ...
キリト
- それに戦術を教えておけば、その人がボス戦に挑む挑まないは別として、死んじゃう確率は大幅に減ると思うけど?
ユウキ
- ....確かにここで拒否してその後死なれたら目覚め悪いが...
キリト
- ユウキはいいのか?特訓に割く時間が減るぞ?
キリト
- 構わないよ。それよりボクは1人でも多くこの世界で生き抜いてほしいかな。
ユウキ
- 決まりだナ。明日、トールバーナーで合流しよウ。時間は10時半でいいカ?
アルゴ
- うん!
ユウキ
- ハーーイ。
キリト
- (まさかこんな事になるとは...まぁ迷宮区の攻略もボチボチ進んでるし、問題ないか?)
キリト
- (...プレイヤーが足りないのも事実だしな。)
キリト
- 翌日の10時半
キリト
- 時間ぴったしに到着だ。
キリト
- キリト...どうでも良いけど5分前行動って知ってる?
ユウキ
- ナンダソレハ!?
キリト
- はぁ...(呆れ)
ユウキ
- よ、キー坊。
アルゴ
- おっす、アルゴ。で、件のプレイヤーは?
キリト
- オレっちの後ろだ。
アルゴ
- おイ、こいつは信頼できるから大丈夫って言っただロ?心配するナ。
アルゴ
- ......はい。
アスナ
- はじめまして。アスナです。
アスナ
- へぇーっ!アスナって言うんだ!ボクはユウキだよー。
ユウキ
- ........
キリト
- キリトは脳内で驚愕していた。どんなプレイヤーが来てもいいと覚悟はしていたが、来て早速驚いた。女性だったのだ。しかもその容姿は現実でも見たことのないほどの美貌。はっきり言って可愛かった。
キリト
- よ、よろしく。俺の名前はキリトだ。
キリト
- (ヤベェーイ!ユウキに加えてこの綺麗な人が俺の元に来るだと!?何の因果だ)
キリト
- (この世界は思春期男子を殺す気か!?おのれ茅場ァァァ!!)
キリト
- (....女の人だ。キリトはニヤけてるなぁ。なんか腹立つ。)
ユウキ
- で、早速だけど、君の今の強さを知りたいんだけど...
キリト
- レベルは11で、使ってるのは細剣です。
アスナ
- 思ったよりレベルは高いな。これなら2日くらい真剣に育成頑張れば、最前線に余裕で追いつけるぞ。
キリト
- ...!本当ですか!?
アスナ
- あぁ。ただし楽な道じゃないぞ。覚悟はしておけ。
キリト
- 覚悟ならできてます。この世界に巻き込まれた時から。
アスナ
- ....いい覚悟だ。
キリト
- 第1層 迷宮区
キリト
- ユウキといいこの人といい、どうしてそんなに飲み込みが早いんだ?俺は悲しいぜ。
キリト
- キリトはアスナに戦闘のコツを教えた。具体的には、エネミーにはそれぞれウィークポイントが設定されているからそこを攻めろとか、ソードスキル後の反動も考えてスキルを打てだの、少しうるさいくらい言ったのだが、アスナはものの2時間でほぼ完璧にしてしまった。
キリト
- すっごぉ....
ユウキ
- ボクよりずっと上達が早いや。君もフルダイブの適正あるんじゃないの?
ユウキ
- フルダイブの適正?なにそれ?
アスナ
- 適正があると普通のプレイヤーには出来ない動きや、圧倒した動きができるってキリトが言ってたんだ。
ユウキ
- キリトってあの人よね。何者なの?
アスナ
- すっごく優しくて強い人だよ。まぁ...優しすぎて時々騙されないか心配になるけど。
ユウキ
- ......
アスナ
- 貴方も優しいんじゃない?今日会ったばかりの私とこんなに近づいて話すなんて。
アスナ
- そう...かなぁ?何かアスナは近くに居てくれるとキリトとは別の意味で安心するんだよー。
ユウキ
- 何かお姉ちゃんに雰囲気が似ててさ。
ユウキ
- お姉さんか....
アスナ
- (さすが女の子同士か。打ち解けるのが早いな。アスナは未だに俺に敬語だし。明らかに同い年かそれ以上なんだから普通にタメで話してくれないとこっちもやりにくいんだが。)
キリト
- あ、忘れてたアスナ。パリィって知ってるか?
キリト
- それなら。他の人がやってるのをフィールドで見て練習したら出来ました。
アスナ
- 秀才だね。
ユウキ
- じゃあスイッチって知ってるか?
キリト
- Switch....たまにCMでやってるアレ?持ってないんですけど。
アスナ
- .....ユウキも同じこと言ってたな。
キリト
- まぁ、今から教えるよ。
キリト
- 1時間後...
アスナ
- アスナ!スイッチ!
キリト
- せやぁ!
アスナ
- っと...もう仕上がったな。基本的な動きを既に身につけてたから教える事殆ど無かったぞ。
キリト
- ....ありがとうございました。これでこの先戦っていけますかね?
アスナ
- 少なくとも5層辺りまでは今の技術を高めていれば戦っていけるさ。その先は人のじゃなくて自分自身に合ったプレイスタイルを磨かなきゃいけないな。
キリト
- 分かりました。
アスナ
- ....最後に言っとくけど、俺はあまり敬語好きじゃないんだ。無理にとは言わないができればタメ口で話してくれ。
キリト
- ...........分かったわ。
アスナ
- (意外と素直。)
キリト
- じゃあ今日はこれで。次はボス戦で会いましょう。
アスナ
- ねぇ、アスナってどこで寝泊りしてるの?
ユウキ
- ?寝泊りなんてしてないわよ。モンスターが比較的居ないところで、仮眠とってる程度ね。
アスナ
- !?
ユウキ
- !?
キリト
- あんた何考えてんだ!危なすぎる!せめてはじまりの街に居るべきだろ!
キリト
- あそこに居るとプレイヤーがやたら話しかけてきてイライラするのよ。
アスナ
- じゃあさ、ボク達が泊まってる宿屋に来ない?少し高いけど部屋は空いてるよ。
ユウキ
- .....私の持ってる額は少ないから無理よ。
アスナ
- じゃあボクの部屋で一緒に寝ない?
ユウキ
- どうしてそこまでしてくれるの?
アスナ
- 今日一緒に戦ったじゃん!ボクと話しもしてくれたし、こうするのは当然の事だよ!
ユウキ
- ....本当に良いの?
アスナ
- 良いと思うぞ。フィールドで仮眠はあまりにも危険だ。ユウキの好意を受け取るんだな。
キリト
- ....お世話になるわ。
アスナ
- ようこそ!
ユウキ
- あー、会話中良いかな?
ディアベル
- 誰だあんた。
キリト
- 俺はディアベル!君たちに話がある!
ディアベル
- ごめんね。流石にこれ以上人は泊められないかな。
ユウキ
- 違う!そうじゃない!
ディアベル
- 君たちは迷宮区に居るってことはこの世界のクリアを目指しているんだろう?
ディアベル
- 実は明日、トールバーナーで第1層ボス攻略会議を行うんだが、君たちも来ないか?
ディアベル
- ボス攻略会議って....人数は集まってるのか?俺達だけじゃ明らかに足りないぞ。
キリト
- もちろん。ここに来る前にも他のプレイヤーに声をかけたよ。集まってくれるかはまだ分からないけどね。
ディアベル
- ボス攻略....キリト、どうする?
ユウキ
- 俺は行くよ。いつまでもこの層に留まってるわけにはいかない。攻略人数が足りなくて困ってたが、明日集まるかもしれないなら尚更だ。
キリト
- だよね。ボクもそう思うよ。
ユウキ
- ....アスナは?
ユウキ
- 言ったでしょ。この世界に来た時から覚悟はできてるって。私も当然行くわ。
アスナ
- そうか...!では明日12時、トールバーナーで待っている。
ディアベル
- そう言うとディアベルという男は去っていった。
ディアベル
- 何というか...変わった人ね。
アスナ
- そうだね。不思議と人を引きつける力があるような...そんな気がするよ。
ユウキ
- ああいうプレイヤーは現実でもきっと人を導けるんだろうな。
キリト
- 明日攻略会議があるなら...今日は早めに宿屋に帰るぞ。
キリト
- うん!そうしようか!
ユウキ
- ...改めて、お邪魔します。
アスナ
- 宿屋
アスナ
- ユウキ、アスナの事頼んだぞ。
キリト
- 了解でーす!
ユウキ
- (...2人とも仲良いのね。)
アスナ
- そうしてキリトとユウキはいつも通り別々の部屋に入っていった。
アスナ
- はぁ...アスナが来たと思ったら、明日はボス攻略会議...最近は随分濃厚な日を過ごしてるなぁ。
キリト
- 明日の会議に果たして何人来る...?フルメンバーで48人だが...いくらなんでもそこまで集まらないか。
キリト
- まぁ、明日になれば分かるか....
キリト
- ねぇアスナ!キリトってどう思う?
ユウキ
- え!?どう思うって...普通に強いなーとは思うけれど...
アスナ
- だよね!やっぱりキリトって強いんだよ!ボクはキリトのそういう所に惹かれて一緒に冒険してるんだ!
ユウキ
- へぇ....
アスナ
- ユウキはさ、彼の事好きなの?
アスナ
- え?そりゃ大切な仲間だもん。好きに決まってるじゃん。
ユウキ
- あぁ...そうよね。
アスナ
- (...考えすぎか。)
アスナ
- ねぇ、アスナ。提案なんだけどさ、第1層の攻略が終わったらボク達とパーティ組まない?
ユウキ
- え?だって元々ユウキ達だけなんでしょ?そこに私が入ったら邪魔にならない?
アスナ
- キリトにはまだ聞いてないけどさ、邪魔になる事なんてないよ!ボクね、今日一緒にアスナと戦ってすごく安定してた!きっとボク達相性がいいんだよ。出会えたのもきっと運命なんだね!
ユウキ
- 運...命。
アスナ
- きっとこんなデスゲームじゃなくても、ボクとアスナは出会える気がするなー。
ユウキ
- そうね...私にも、そんな友達が居てくれたら嬉しいかな。
アスナ
- じゃあさ!寝るのが遅くならない程度にボクとお話ししようよ。キリトの事とか、今まで冒険した事とかも!まぁ...2週間くらいだけど。
ユウキ
- いいの?私に話せる事なんてあまり無いけど。
アスナ
- 構わないよ!それにアスナとボクはもう友達だから!
ユウキ
- .....!
アスナ
- ありがとう....ユウキ。
アスナ
- なんか...久し振りに嬉しくて泣いちゃったな。
アスナ
- じゃあ、私から話すね。
アスナ
- ワクワク!
ユウキ
- 翌朝
ユウキ
- ....ナニコレ
キリト
- ねぇねぇアスナ!ハグしてー!
ユウキ
- ちょっ、ユウキってば!彼の前で恥ずかしいよー。
アスナ
- いいじゃーん。昨日あれだけ話し合ったんだよ?これは交友の証だよ。
ユウキ
- もう...まぁ、良いけどね///
アスナ
- (どうなってやがる!昨日この2人にナニがあったんだ!?アスナもあんなに表情和らいでるし!まさかユウキは人を癒す天才!?)
キリト
- なに変な顔してんのキリト?早く行こうよ。
ユウキ
- さぁ行くわよ。キリト君?
アスナ
- その呼び方はユウキ伝授か?
キリト
- そうよ。こっちの方があなたは良いんでしょ?
アスナ
- そう微笑むアスナ。緊張が和らいだのならキリト的にはOKだ。いよいよ攻略会議が始まる。
アスナ