コックピットとは?後編
- リフレッシュが必要みたいだな
マーリン
- …うぇぷ、リフレッシュ?
シオン
- 操縦席の右の壁を見てくれ
マーリン
- シオンは指示通り、右の壁に視線を移す。壁にはよく見るものが設置されていた。
- リフレッシュのために小型自販機を設置しておいた、便利だろう
マーリン
- もっとマシな装置を設置するべきだと思うんだが…うぇぷ
シオン
- 発射から軌道に乗るまで、緊張状態が続けば喉が渇くだろう?
マーリン
- まぁ…うん
シオン
- それはパイロットの事を考慮した優しい装備なんだ
マーリン
- …そうかよ
シオン
- なら…せっかくだし
シオン
- シオンは小型自販機のボタンを押す、だがジュースが出てこない。
- アレ…出てこないぞマーリン
シオン
- お金入れたかシオン?
マーリン
- え?
シオン
- まさかの小銭持って入るタイプのコックピットなの!?
フユカ
- そうだ
玄重郎
- 優しい装備じゃなくてただの自販機じゃねぇか!!?
シオン
- シオンはしぶしぶとポケットに入っていた130円を投入し、ジュースを購入する。
- プシュッ……おわっ!?
シオン
- なるほど…乗り物と炭酸の相性がアレだったな
マーリン
- あるいは振動に耐え得る自販機の開発が必要だな〜
玄重郎
- バカだろお前ら!?
シオン
- あの…マーリン様
フユカ
- なんだ?
マーリン
- ドリンクホルダーとか付いていますか?
フユカ
- ……盲点だ
マーリン
- レベル低すぎるぞおい!?
シオン
- ったく、こんなんじゃ百年経ってもコックピット完全しないじゃねぇか!!
シオン
- そうだなー、どうすっか
玄重郎
- …ペットボトルにすればこぼす心配はいらないと思う…
アルマ
- それだアルマッ!!
玄重郎
- どうでもいいよそんな事!!?
シオン
- 収穫は十分あった、出てきていいぞシオン
マーリン
- …二度と乗るか(ぶつぶつ)
シオン
- 今日の課題を活かした物を作るから、後日もう一度協力してくれ
マーリン
- 分かりました、マーリン様
フユカ
- …了解です
アルマ
- お前ら実質何もしてねぇだろ
シオン
- 一週間後…
- わざわざすまないな
マーリン
- もうあんなコックピットはごめんだぜ…
シオン
- 期待してくれ
マーリン
- 試作2号はもっと乗る者が親しみを持てるように配慮した
マーリン
- マーリンは覆っている布を剥がす、試作2号のコックピットが姿を現した。
- 炭酸だけでは無く、お茶やミネラルウォーターを付け足してみた
マーリン
- 配慮の場所間違えてんだろっ!!
シオン
- その後、コックピットの企画はお蔵入りとなった────
- 完
ナレーション