第1の怪 人魚の海 後編
前編の続きです、同じく結月ゆかりとラブライブのコラボ作品です。パロディ、設定の改編やホラー表現(?)
- ……「温泉」につきましたね
海未
- ここへ来るまでに高坂さんや南さんはおろか、人魚に引きずり込まれた人達はいなかった……
結月結
- きっと、この奥に捕らえられてるんだと思う……
結月結
- ……行こう……
結月結
- 霊の縄張り 廃旅館 温泉
海未
- ……ここが、動画の場所……?
海未
- あの「呪いの動画」と同じ場所……
結月結
- でも……淀んだ湯がありませんね
結月ゆかり
- ……穂乃果ちゃん、この先に行っちゃって……
ことり
- ことり!?
海未
- ……お風呂の底に穴が開いてる
結月結
- ……どこかに繋がってるのか?
結月結
- ことり、大丈夫ですか?
海未
- うん……でも、穂乃果ちゃんが……
ことり
- …………
結月結
- 結、この奥に入るのですか?
結月ゆかり
- ……ああ
結月結
- ……人魚は恐らくこの下に…捕らわれた人たちもいると思う……
結月結
- どんな状態で捕らわれているか……わからないけど……
結月結
- 僕は……行かなくちゃ……
結月結
- 園田さんと南さんはここで姉さんと待っててください
結月結
- ……わかりました
海未
- ゆかりさんは……?
ことり
- 姉さんはここにいてもらわなきゃいけないんです
結月結
- 僕の月を結び、姉さんは縁(ゆかり)を結ぶので、縄張りと場所とを結ぶ縁がなくなると僕は帰れなくなりますから、姉さんには縁を結び続けてもらいます
結月結
- 結……無理をしてはいけませんよ、いいですね
結月ゆかり
- わかった……
結月結
- ……じゃあ、行ってきます
結月結
- ────────────
結月結
- (現実には、こんな穴は存在しない)
結月結
- (恐らくは、人魚の「怨み」の核心が迫っている)
結月結
- (「人魚の記憶」にはなかった場所……人魚は……記憶をねじ曲げてまで、この場所を作り出した)
結月結
- (そこまでするほど人間を怨んでいたかはわからない……答えはこの先に……)
結月結
- ……本が落ちているな
結月結
- ……人魚の伝承……?
結月結
- 何故こんなところに……
結月結
- ……「故郷の海から離れると、寿命が縮む」……か……
結月結
- そういえば……疑問がまだあった……
結月結
- 人魚はどうやって山奥の旅館に来たんだろう……
結月結
- 誰かに連れて来られたのか……?
いったい、誰に……
結月結
- ────────────
- うっ……
結月結
- (……今の感覚は……)
結月結
- (……別の「縄張り」に入ったのか……!?)
結月結
- (……「二つ」の縄張り……?)
結月結
- そうか……さっきの廃旅館は…「人魚の作り出した縄張り」じゃなかったんだ……
結月結
- 人魚が旅館の中を、鮮明に再現できたなんておかしかった……
結月結
- 恐らくは、あの廃旅館は……人魚とは「別の霊」が作った縄張りだった……
結月結
- それが誰の霊かはわからないが……僕はようやく人魚の作り出した「縄張り」に入ったということか……
結月結
- 人魚は廃旅館を利用して「縄張りの入り口」とすることで、人々をここに引きずり込んでいた……
結月結
- ……恐らくは、人魚は何者かに旅館へ連れられ、あの「温泉」に監禁された
結月結
- だけど、人魚の伝承通り、故郷の海から離れたがために寿命が短くなり、やがて亡くなった……
結月結
- 昭和三十一年に、この「旅館の主人」が人魚をさらってきたんじゃないだろうか……
結月結
- ……そして、人魚はその「主人」を怨んだ
結月結
- 人魚の霊は、主人だけでなく人間にさえも復讐を考えた……
結月結
- ……だけど人魚には、温泉の光景しか「呪いの動画」に映し出す事ができなかった
結月結
- 何故なら……人魚は、水のある場所以外出歩く事が出来なかったから……
結月結
- 今までは、温泉の映像から居場所を特定されることは少なかったんだろう……
結月結
- ……でも、ネットが普及した今、動画の情報のみで特定できる者が現れた……
結月結
- ……そして、「温泉」と「廃旅館」の情報は現代の人々に知れ渡ることになり……
結月結
- 「Seiren」を聴いたスクールアイドル達は、廃旅館の場所を見つけ、あの「温泉」まで辿り着いてしまった……
結月結
- ……何故、スクールアイドルを狙ったんだろう
結月結
- 現代の人がスクールアイドルばかりだったから……?違う気がする……
結月結
- ……いいや、答えを考えるのは後でいい。
このまま放っておけば、あの歌声によってこれからも人々は引きずり込まれてしまうだろう……
結月結
- ……今は引きずり込まれた人、高坂さんを探さなくちゃ
結月結
- ────────────
結月結
- ずっと道が続いてる……
結月結
- 人魚の目的は、引きずり込んだ人間を逃さないようにすることだ。
ならば、この縄張りは迷路のような場所になってるはずだ……
結月結
- 『カランカラン……』
我が家のまゆちゃん
- なんだ……?
結月結
- ……『乙女の肉』……?
どうしてこんな所に……
結月結
- ……容器が空いてる……これを食べた人間が、ここにいるのか……
結月結
- もしこれを食べた人間がいるのなら……生き延びた人間がいるのかもしれない……
結月結
- ────────────
結月結
- 道が別れてる、分岐路だ……左は行き止まりみたいだし……
結月結
- ……!誰かいる……!
結月結
- 結くん、結くん……!
穂乃果
- 高坂さん……!
結月結
- こっちだよ、早く隠れて……!
穂乃果
- (……なんだ、あれ……魚の頭……?)
結月結
- (……人間の体に、魚の頭がついてる……)
穂乃果
- (……あれは、ここに引きずり込まれた人達だ……!)
結月結
- (ここで人魚に殺されて、縄張りの一部になったのか……!)
結月結
- (見つかったら穂乃果達もああなっちゃうのかな……)
穂乃果
- わからない……だけど、あれが一人や二人だけとは思えない……
結月結
- ────────────
穂乃果
- また分岐路だよ~……!
穂乃果
- 今度は左みたいだ……
結月結
- っ……!
結月結
- く、首吊り死体……!?
穂乃果
- 干乾びて吊られている……
結月結
- 結くん、扉を見つけたよ
穂乃果
- ……なんだ、この部屋
結月結
- 『キィイ……』
我が家のまゆちゃん
- わ、わっ……!
穂乃果
- 高坂さん、声を抑えて……!
結月結
- ん……!んん……!
穂乃果
- ……さっきと同じ、干乾びた死体がいくつも吊られてぶら下がってる……
結月結
- ……あ、あのさ……ひとつ気づいたこと言っていい?
穂乃果
- ……どうしたの?
結月結
- このぶら下がってるの、女の子みたいじゃない……?
穂乃果
- …………
結月結
- ……やだ、やだやだ……!
ここ早く出よう……!
穂乃果
- ……ごめん、まだ生きてる人がいるかもしれない、その人達を助けるまで帰れないよ……
結月結
- ぅぅう……!
穂乃果
- ……また何か落ちてる、日記?
結月結
- ……「魚人」、その瞳の向こうに彼女の視線を感じる……?
結月結
- 「彼女」……人魚の事かな
結月結
- 『「魚人」の眼は彼女の視界。
魚人に見つかれば、「彼女」に伝わるだろう。
私は見た、彼女が男を捕らえ、殺してしまうところを。
そして……何より恐ろしいのは、死んだ男が起き上がり、「魚の頭」に代わり、一緒に居た少女を喰らっていた。
ああやって、彼女の一部は増えていくのだ……』
我が家のまゆちゃん
- ……あの魚の頭に見つかれば、人魚が来るってこと……?
穂乃果
- ……そういうことなんだと思う
結月結
- とりあえず長居はできないから……一緒に行こう
結月結
- うん……!
穂乃果
- ────────────
結月結
- 霊の縄張り……?
穂乃果
- そう、ここは霊が作った縄張りなんだ。
穂乃果ちゃんが見た動画、それは人魚の霊が人々を引きずり込む為にネットの海に流したものだったんだよ
結月結
- じゃあ穂乃果、それにまんまと引っ掛かって……
穂乃果
- …悔しい……穂乃果怒っちゃうよ……!
穂乃果
- あ、うん……
結月結
- (この状況でそんなに吠えられるなんて……図太いんだなこの子……)
結月結
- 穂乃果も手伝うよ!
拐われた人達を助けるの!
穂乃果
- どのみち後戻りはできないから、悪いけどよろしくね
結月結
- ────────────
結月結
- 扉……
穂乃果
- 開けてみよう……
結月結
- ────────────
結月結
- ……ここは……ざしき牢……?
結月結
- 牢の中に誰かいるよ!
穂乃果
- ……穂乃果ちゃんは下がってて
結月結
- うん……
穂乃果
- …………
結月結
- (……手足が、ない……全身血濡れで、暗闇の中で血が滑りけとともに反射してる……)
結月結
- ……どうしてこんな所にいるんだろう
結月結
- ……その人、生きてる……?
穂乃果
- ……手足を切られて、まだ生きてるのか…?
結月結
- 『ウゥ……ァゥ……』
我が家のまゆちゃん
- ……さすがに喋れないか……
結月結
- ……穂乃果ちゃん、この人を連れて帰るよ
結月結
- ……えっ……?
穂乃果
- この人は、人魚に引きずり込まれた生存者なんだ
結月結
- ……生きているなら、助けるよ
結月結
- ……結くん、でも、おかしくない?
穂乃果
- この人……さっきの魚みたいになってない……どうしてこんな所に閉じ込められてるの?
穂乃果
- まるで……この人だけ特別みたいに……
穂乃果
- ……
結月結
- 『その男の人は、連れ出してはいけません……』
- だ、誰……!?
穂乃果
- (暗闇で姿が見えない……いや、あえて見せないようにしてるのかも……)
結月結
- その男の人は……ここにいる事を望んでるんです
- 昔、人魚をあの旅館に連れ込んだのはその男なんです……
- ……えっ……?
穂乃果
- ……この人が……
結月結
- ……『彼女』は、故郷の海からさらったその男を許さなかった
- 海から遠い山奥へ連れて来られた為に……皮膚が渇き、寿命が縮んだ……
- だから、彼女は死してなお……人間を憎み続けた
- その男は『人魚の肉』を食べさせられ、「永遠に生きる呪い」をかけられた……
- ……永遠に……生きる呪い……?
結月結
- 手足を斬られ、喉を潰されてもまだ生き続けている……
- 人魚を連れ去った『罰』を、永遠に受け続けている……
- しかし……実際はどうでしょう?
- その男は彼女から『肉』をもらい、『乙女の肉』を与えられ続ける事に優越感を感じている……
- そんな姿になりながらも、いまだ喜び続けている……
- 肉をもらえず「魚人」と化した彼等を見下し、自分が上だと……
- …………
結月結
- ……この男を連れ出したいと言いましたね……やめた方がいいでしょう
- その男は「人魚の肉」の魔力によって永遠の命を与えられたのです
- 『彼女』が支配するこの空間から連れ出したらその魔力もなくなってしまうでしょう
- かつて……人魚が海から離れた事によって寿命を削られたように……
- ……だったら、僕達はどうすれば……
結月結
- ……もう、お帰りください
- 私達の事は放っておいてください……
- だけど、「Seiren」は今もネットの海に流れ続けてるんです!
結月結
- このまま放っておけば、また誰かがここへ引きずりこまれてしまう……!
結月結
- あなただって、初めは人魚に引きずり込まれた人だったんでしょう!?
結月結
- ……いいえ……
- え……?
結月結
- 私は生前……共に歌っていた妹を愛することができなかった
- ……愛することのできない人と共に……何の希望も見いだせなかったんです
- ……今でもハッキリ言える……
- 『彼女』と出会い、彼女に酔いしれた事こそが、私にとってこの上ない幸福だったんです……
- ……そんな……!
結月結
- 貴方達は……私達を助けに来たのでしょう……?
- だけど……「欲」に溺れた者を、人間達は許しはしない……
- ここへ辿り着いてしまった者達は、どのみち帰る場所などなかったのです……
- ……あなた達は、自ら望んでここに来たというのか?
結月結
- ……あなたにはわからない話でしょう……
- ……待ってください
穂乃果
- ……どうしてあなたは、それに教えてくれたんですか?
穂乃果
- あなたはまだ、妹に未練があるからじゃないんですか!
穂乃果
- 私にも妹がいるからわかります。
わかり合いたくてもなかなかわかり合えない、喧嘩ばっかしちゃうし、言いたいことをなかなか言えずに困ってしまうことばかり……
穂乃果
- でも、それで諦めるのは違うと思うんです!
わかり合えないなら、わかり合うまで話し合いたい!
仲良くなるまで接していたい!
穂乃果
- それがきっと、姉妹だから……
穂乃果
- ………あなたは優しいお姉ちゃんだね
- え……?
穂乃果
- 私はここで死んで、彼女の『一部』となってしまった……もう戻ることはできない
- ……さあ、早く帰って
- ……穂乃果ちゃん、帰ろう
結月結
- やだよ!どうして……!
穂乃果
- ……もういいんだよ、彼女は自分の意思でここにいる。
だから、もう……
結月結
- 良くないよ!!
穂乃果
- いいんだよ、これ以上……深追いしちゃダメだ
結月結
- ……結くん
穂乃果
- これ以上はダメだ……
結月結
- ────────────
- っ……!
結月結
- ……何、今の?
穂乃果
- 彼女が気づいた…さあ、早く行って!
彼女が貴方達に追い付く前に……!
- 行こう!穂乃果ちゃん!
結月結
- …………
穂乃果
- ────────────
結月結
- 道は覚えている……あともう少しだ!
結月結
- ……なにこのサイレン……
穂乃果
- 彼女が気づいてしまった、彼女が来る……
- ど、どうしよう……!
穂乃果
- ……貴方達はこのまま行ってください。
私が貴方達の逃げる時間を食い止めましょう
- そんな、ダメだよ!
穂乃果
- いいんです、どのみち私は元の世界に渡ってはいけない……帰ることのできない存在ですから
- どうして……どうして諦めるの!?
穂乃果
- ……簡単なことです。
希望を見いだすことも、持つこともできなかったからです
- そんなの……そんなのって……!
穂乃果
- 全てが貴方と同じ目線を持っているとは思わないことです
- …………でも、見捨ててなんて……
穂乃果
- ……サイレンが止まった。
「彼女」が来ます
- ……!
穂乃果
- っ……!
結月結
- ────────────
結月結
- ……!こんな分岐路はなかったはず!
結月結
- 結くん……!
穂乃果
- くっ……!
結月結
- ────────────
結月結
- また分岐……!
結月結
- ……結くん、右だよ!
穂乃果
- えっ……!
結月結
- 早く……!
穂乃果
- ────────────
結月結
- フフフフフフ…………
- (今の笑い声は……)
結月結
- 大丈夫、穂乃果を信じて……!
穂乃果
- 見つけた……そこにいたのか……
- 人魚……!
結月結
- ……ツカマエタ
- ……!
結月結
- 結くん!
穂乃果
- ……!
結月結
- 「バチィィイン……!」
我が家のまゆちゃん
- ……!
穂乃果
- ……僕の手が光って……触れた人魚の手が、弾けた……
結月結
- 今がチャンスだよ……!
穂乃果
- 待ァァテェェェ……!!!!
- 足元が水浸しで走りにくい……!
結月結
- 結くん、出口だよ!
穂乃果
- 間に合ってくれぇえ……!
結月結
- ────────────
結月結
- 穂乃果!
海未
- 穂乃果ちゃん!結月くん!
ことり
- わぁぁぁー!人魚が……!
穂乃果
- ……追ってこないのか?
結月結
- ……うふふふ……ふふふふ……
- ……水の底に潜ってった
穂乃果
- ……そうか……自分の「縄張り」から出るつもりはないのか……
結月結
- ……穂乃果達、助かったんだよ!!
穂乃果
- …………
結月結
- ……結月くん?
ことり
- (……だけど、あの笑顔の意味はなんだ?)
結月結
- ……!結月さん!
海未
- ……君は……
結月結
- ……おねえちゃんの気配を感じる
- ……えっ……
結月結
- ……この下にいるの……?
- 行っちゃだめだ!
結月結
- その先は、恐ろしい「人魚の海」なんだ!
結月結
- 君の探してるお姉さんはもう………
いないんだよ……
結月結
- ……私は……どんな結末になろうと、「お姉ちゃん」を探してたんだ
- 人魚に心を奪われてしまったのも知ってる。
人魚への「欲」におぼれた……馬鹿なお姉ちゃんだったけど……
- それでも……見続けてたんだ
- 死んでもなお……お姉ちゃんに再び会える「夢」を……
- あっ……!
穂乃果
- ……海の、底に……
海未
- ……そんなの……
結月結
- 「夢って、呼べるもんかァァー!!」
結月結
- ───そして……
結月結
- ……彼女は、自身の姉のいる「人魚の縄張り」へ落ちていった
結月結
- 彼女はきっと、長きに渡って1人……姉を探し続けていた……
結月結
- そて、ようやく「家族の居場所」を見つけ、停滞した時間が動き始めたのだ
結月結
- ……そして……
結月結
- 彼女ら姉妹と共に、「廃旅館の縄張り」も消えていった
結月結
- ……朝に、なっちゃったね
ことり
- きっと、お母さんやお父さん、雪穂も、怒ってるだろうな……
穂乃果
- ……私たちは帰れるんです。
家族の元へ、それだけで幸せな事のはずです
海未
- …………
結月結
- ……結くん
穂乃果
- ……結局、僕は誰も助けられなかった
結月結
- ……そんなことないよ
穂乃果
- 穂乃果達、助けてもらったじゃん、ね?
穂乃果
- えぇ……じゃないと私たちも今頃水の底でしたよ
海未
- 穂乃果ちゃんも無事見つかった事だし、ね……
ことり
- でも……僕は……
結月結
- 帰ろうよ、結くん
穂乃果
- …………
結月結
- 結……
結月ゆかり
- ……姉さん
結月結
- ……「縄張り」の人達は、助けられたの?
結月ゆかり
- ……姉さん……ごめん、ごめんなさい……僕は……
結月結
- ……そっか、よく、がんばったね
結月ゆかり
- …………
結月結
- ……帰ろう、結
結月ゆかり
- うん、帰ろう、結くん
穂乃果
- 帰ろう、皆で
ことり
- 五人一緒に……無事、誰も欠けることなく……
海未
- ……うん
結月結
- ……「廃旅館」にかけられた呪い
結月結
- 人魚への「欲」におぼれた主人は、永遠の「罰」を受けた
結月結
- そして……喧嘩別れした妹もまた……人魚に誘われた姉を探し続けていた……
結月結
- 妹は姉の捕らわれた「人魚の海」へと落ちていき……果たして……再開する事ができたのだろうか……?
結月結
- 人魚の呪いは終わらない……
結月結
- 再び呪いは動きだし、人を引きずり込むだろう
結月結
- その時こそ……この呪いを終わりへと結び付ける時が来る
結月結
- 踏み込んだ足が戻らないように、動き始めた時計を巻き戻す術はない
結月結
- 回り出した月も、誰にも止めることはできないのだ
結月結
- その日まで、僕は結続ける。
半分にも満たない月を、いつか満月へと変えるために
結月結
- 次回へ続く……
結月結