第1の怪 人魚の海 前編
結月ゆかりとラブライブ!のコラボ作品です。パロディ、設定の改編やホラー表現(?)が含まれます
- ねぇ、呪われた繁華街事務所って知ってる?
我が家のまゆちゃん
- 何それ?
我が家のまゆちゃん
- 東京の繁華街の裏通りにひっそりと佇んでる事務所なんだって
我が家のまゆちゃん
- へぇ、で、何が呪われてるのよ?
我が家のまゆちゃん
- 見える人にしか見えない事務所なんだって。
必要な人の前にしか現れないとかだったり……
我が家のまゆちゃん
- 安室の裏通り事務所
我が家のまゆちゃん
- 明日、三日月が来るか……
安室
- 呪われた繁華街事務所と呼ばれるこの裏通り事務所の若き所長
我が家のまゆちゃん
- 外に出ますか?
結月結
- ……それもいいが……
安室
- どうしたんですか?
結月結
- この前見せた『Seiren』って動画を覚えてるか?
安室
- ……あの動画ですね
結月結
- 『Seiren』、それは突如ネットの海に投稿された謎の動画
結月結
- 海のようなステージを背景に、人魚のような衣装を着た少女が歌を歌っているという動画で、多くのアイドル、主に学生を中心としたスクールアイドル系の少女達の心を奪っている
結月結
- この動画に心を奪われたアイドル達は、相次いで失踪を遂げる。
この理由は既に判明している。
魅了された少女達は皆、「人魚」に…………引き込まれたのだと
結月結
- 当然、失踪したスクールアイドルのファンやその他ネットの住民が、この動画の出所を調べ始め……そして、一つの場所が特定された
結月結
- それは、人魚伝説などとは無縁の、山奥の「廃旅館」。
彼女はそこで死に……輝かしい生者たる少女達を「夢の世界」へ引きずり込んでいるのだ……
結月結
- 我が事務所も近々解決に赴く予定だった。
安室さんの申し出にも、当に準備は済ませている
結月結
- ゆかりに伝えてくれるか。
明日にでも向かってもらいたい
安室
- わかりました
結月結
- 翌日
結月結
- 穂乃果!そんなに走ると転びますよ!
海未
- 大丈夫!穂乃果はもう子供じゃないもん!
穂乃果
- それにしても久しぶりだね。
この三人でどこか行くの……!
ことり
- まあ……今回は凛も花陽も真姫も別件で来れないと言ってましたからね
海未
- ていうか、明るいうちに行って平気なのかな?
ことり
- さあ……?まったく、相変わらず穂乃果にも困ったものです。
いきなりスクールアイドルを探しに行こうなんて言い出して……
海未
- 穂乃果ちゃんらしいけどね
ことり
- はぁ……絵里や希、にこが卒業したというのに、穂乃果は自覚が足りません
海未
- ふふ、海未ちゃん嬉しそうだよ?
ことり
- ことり!まるで私が三人が卒業して嬉しいみたいに!
海未
- ううん、そうじゃなくて、変わらない穂乃果ちゃんを見て嬉そうって言ったんだよ
ことり
- ことり……えぇ、そうですね
海未
- 二人とも~!何してるの?
はやくはやく~!!
穂乃果
- 今行きますから!
海未
- 穂乃果ちゃ~ん!
本当にそっちで合ってるの?
ことり
- 多分~!
穂乃果
- た、多分……
ことり
- 先が思いやられます……
海未
- 別の山道
我が家のまゆちゃん
- 僕は「結月結」。
月を結ぶとかいて結月(ゆづき)と読む
結月結
- 退魔師たる一族の家系の子で、異能の存在を視るのに長けてきた
結月結
- 更に……僕には別の力がある
結月結
- 僕は、かの動画に引きずり込まれた人々を助ける為に、姉の「結月ゆかり」と共に廃旅館に向かっていた……
結月結
- 結、此方で合っていますか?
結月ゆかり
- ああ、合ってるよ。
ちゃんと確認したから心配はないよ
結月結
- でも、その地図だとこの辺りですよね?
結月ゆかり
- ああ……そのはずだけど……
結月結
- (Seiren、かの動画を聞いたスクールアイドルの失踪者達。
その多くは、歌の魔力による認識の齟齬によって「霊の見る夢」へと引きずり込まれていく)
結月結
- (というのも、あの動画に魅了された人間は華々しい可鈴なアイドルの動画にしか見えないのだという。
恐らくは霊の生前なのだろうが、人によっては狐に化かされた現象が起こる。
僕や姉はそれから逃れられた人間の一人、つまりは動画の不気味な正体を見たのだ)
結月結
- (恐ろしくは化かされたアイドル達に続いて、不気味なその動画を見てアイドル達を救出せんと「廃旅館」に踏み入ったファン等の人間がいて、それによって被害が拡大していること)
結月結
- (動画の霊はそのファン等も例外なく引きずり込んでいる。
今思うと早急に解決せねばならない事柄だったと、僕と姉、更には別件で来られなかった安室さん自身も思っていることだろう)
結月結
- 「にゃーん」
我が家のまゆちゃん
- あ、結、見てください
結月ゆかり
- 「猫がい(ます)るよ!」
結月ゆかり
- ……姉さん?猫に興奮しすぎなんじゃ……
結月結
- いや、多分私だけじゃなく……
結月ゆかり
- 「あれ?穂乃果達以外にも人が来てたんだ……!」
穂乃果
- !
結月ゆかり
- 穂乃果、いきなり声をかけては失礼ですよ。
まず挨拶からしないと……
海未
- わかってるよ~もう~。
こんにちは!ここで何してるんですか?
穂乃果
- 君たちこそ、こんなところに何をしに来たの?
結月結
- 穂乃果達ですか?
穂乃果達は「Seiren」っていう動画を見て、そのスクールアイドルに会いに来たんです!
穂乃果
- ……そうなんだ……
結月結
- (あれがスクールアイドルに見えます……?)
結月ゆかり
- (それがあの霊の恐ろしいところだから……)
結月結
- ?どうかしたんですか?
穂乃果
- ううん、何でもない。
でも僕達は地図で確認したけど、この先は廃村しかないみたいだよ
結月結
- えぇ、私達も携帯や本の地図で見たんですけどそうみたいですね……
海未
- じゃあ何しにここへ……?
結月結
- いやー、スクールアイドルが見つからなくても、肝だめしにでもなればと思って……!
穂乃果
- まったく、穂乃果は……
海未
- えっと…もしかしていつも彼女は……
結月結
- ……すみません
海未
- えぇぇ……
結月ゆかり
- (多分、後ろ二人はまだ魅了が薄いと思う……一番は、あのオレンジ髪の子かな)
結月結
- (元々好奇心旺盛な子だったんだろうけど、それが理由で魅了にかかりやすかったのかもしれない。
まだ完全には支配されてないんだろうけれど、油断はできない……)
結月結
- (無理に追い返して、魅了が進行して一人失踪者の仲間入りにされるよりは一緒に同行して様子を見た方がいいかもしれませんね……)
結月ゆかり
- (うん、そうしよう……)
結月結
- あの、失礼ですが何をコソコソ話してるんです?
海未
- いえ、何もありません
結月ゆかり
- それより奇遇ですね。
僕達もそのアイドルを見に来たんです
結月結
- ほんとですか!?
穂乃果
- えぇ、僕は結月結、こっちは姉の結月ゆかりです
結月結
- 姉弟なんですか!?
穂乃果
- 言われてみれば二人ともそっくり!
見分けつかないかも……
ことり
- あはは…よく言われます
結月ゆかり
- それで、そちらの名前をお伺いしても?
結月結
- あ、はい!
私は高坂穂乃果って言います!
穂乃果
- 南ことりです。
穂乃果ちゃんとは海未ちゃんとは幼馴染なんです
ことり
- えぇ、そうなんです。
園田海未です、二人とは幼い頃からの仲になります
海未
- ……幼い頃からの仲ですか……
結月結
- えへへ、二人とも穂乃果の大切な友達なんです!
穂乃果
- 見ててよく伝わってきますよ
結月結
- 高坂穂乃果に南ことり…園田海未…どこかで聞いたことが…
結月ゆかり
- …あ!
去年のラブライブの優勝グループ!
結月ゆかり
- 知ってるんですか!
穂乃果
- えぇ、これでも音楽関係の職に就いてますので、スクールアイドルの方々の事もよく耳にしています
結月ゆかり
- 確か、グループ名は…μ'sでしたかね
結月ゆかり
- ミューズ……ギリシャの女神…?
結月結
- はい!今は三年生が卒業しちゃって、活動といえるものは終わっちゃったんですけど……
穂乃果
- ついでにμ'sの名前も卒業した三年生が考えてくれたんですよ!
ことり
- 確か、最後のライブは今年に入ってでしたね。
とても大盛況だったみたいで、直に見られなかったのが心惜しいですよ
結月ゆかり
- ふふ、そう言ってもらえて嬉しいね、穂乃果ちゃん!
ことり
- うん!あのライブのみならず、μ'sの活動は穂乃果達にとってまさに奇跡のような、笑顔一杯の時間だったんです!
穂乃果
- ……奇跡、か……
結月結
- …あの、姉さん?
アイドルの話に花を咲かせてる所申し訳ないんだけど、そろそろ行こう
結月結
- 私もそう思っていた所です。
長話は目的地に着いてからにしませんか?
海未
- も~せっかく穂乃果達の事褒めてくれたのに、せっかちだな~海未ちゃんは…
穂乃果
- 何か言いましたか?
海未
- な、なんでもな~い!
それじゃあ出発!
穂乃果
- あ!穂乃果!まったく……
海未
- せっかくですし、私達も同行させていただいていいですか?
結月ゆかり
- ことりはいいと思うけど、海未ちゃんどうする?
ことり
- 異論ありません。
お二人はこの辺りを把握しているようですし、是非とも来ていただきたいです
海未
- そうだね、迷ったら大変だし、穂乃果ちゃんもその方が……あれ、穂乃果ちゃん?
ことり
- 穂乃果!もうあんな奥に!
海未
- ほんとだ!
待ってよ穂乃果ちゃーん!
ことり
- ほんとに猪突的ですね……
結月結
- 昔からああなんです。
やると決めたら頑なに諦めないというか……
海未
- 良い事じゃないですか
結月結
- ふふ、そう言ってもらえると幸いです
海未
- (さて……ここから更に霊の領域が近くなる。
あの子しかり、三人の行動には注意しなきゃ……)
結月結
- 第一の怪 人魚の海
結月結
- 穂乃果!
海未
- わっ!海未ちゃん!
穂乃果
- もうこんな山奥に進んでたんですね……
結月結
- でも、行き止まりみたいだから引き返そうって……
ことり
- ……
結月ゆかり
- そうですか、では早く戻りましょうか
結月結
- ────────────
- !結!
結月ゆかり
- っ……!
結月結
- まったく……穂乃果はすぐに走り出すんですから、行きますよ、穂乃果
海未
- ……穂乃果?
海未
- ……!大変です!ことり!
穂乃果がいません!……ことり?
海未
- …………
結月結
- ……二人とも、どこへ行ったんですか……?
海未
- ……園田さん、霊って信じますか?
結月結
- いきなり何を……
海未
- 僕は本気です、洒落を言うつもりはありません
結月結
- 園田さん達が見た動画は霊による生者を引き込むための動画です
結月結
- 恐らくは、高坂さんはそれに魅了されこの場に来たんでしょう
結月結
- ……この先は、霊の縄張りです。
高坂さんや南さんの命を奪いかねない、死の縄張りです
結月結
- ……それを信じろと……?
海未
- 理解していただけないのは承知です。
でも今は、高坂さんや南さんを追いかけないと……
結月結
- あなた達はいったい……
海未
- 結月結です。
月を結ぶと書いて、結月ですよ
結月結
- その名の通り…霊の力が強まる月の日に限り、霊の縄張りに入れます。
それを利用して、僕達は引きずり込まれた人々を助けるために此処に来ました
結月結
- そんなことを信じられると思いますか……!
海未
- 信じなくていい。
むしろ……貴女達には忘れてほしい
結月結
- …………
海未
- この先に霊の作り出した廃旅館があるはずです。
行こう、姉さん
結月結
- えぇ……
結月ゆかり
- ────────────
我が家のまゆちゃん
- 古くから月は魔性の力を持っているとされている。
それが関係してか、僕と姉さんはこの世ともうひとつ、『霊が生成する、この世ならざる場所』とを結び、そこへ侵入することができた
結月ゆかり
- ……今は亡き母、結月縁(えにし)は、それをよく『霊の縄張り』と呼んでいた
結月ゆかり
- 『霊の縄張り』、人魚の住み処たる「廃旅館」もまた死の縄張りということだった
結月ゆかり
- ……霊の縄張り……そんなものが……?
海未
- あの、引きずり込まれた人々と言いましたが、どんな方々なんですか?
海未
- 多くが園田さん達と同じスクールアイドルです。
園田さん自身動画は見ましたか?
結月結
- いえ、私は穂乃果に聞いた程度で……
海未
- そうでしたか。
恐らく高坂さん達には華々しい可鈴なアイドルが歌っている動画にしか見えなかったんだと思います
結月結
- 見る人によって内容が変わる……?
海未
- はい、見る人によって認識を変える……要は幻覚を見せているような感覚でしょうか。
その動画の霊には、高坂さんのようなスクールアイドルを魅了する魔力がある……
結月結
- 歌を聴いたスクールアイドルは魅了され、その動画に出てくる人魚を探し求めるようになる……
結月結
- ……まるで童話みたいですね
海未
- ───廃旅館前───
我が家のまゆちゃん
- ……ここですね
結月結
- ……
結月ゆかり
- 園田さん、大丈夫ですか?
結月結
- ……なんだか頭が痛いです。
それに鳥肌まで……
海未
- ……危なくなったらあなただけでも逃がします
結月結
- …………
海未
- ……よし、姉さん、入ろう
結月結
- ……えぇ
結月ゆかり
- ────────────
結月ゆかり
- 誰も、いませんね……
海未
- 元々ここは廃旅館ですからね……
結月結
- 結、宿泊名簿があります。
読んでみましょう
結月ゆかり
- うん……
結月結
- ページに年代が書いてますね。
……昭和三十一年、すごく昔ですね
海未
- ここは人魚の霊が作り出した縄張りです。
『霊の縄張り』は、その霊の記憶にもとづいてますから……
結月結
- では、その人魚の霊は昭和三十一年に生きていたという事でしょうか……?
海未
- ……とてもスクールアイドルとは呼べませんね
結月結
- 宿泊客には女性の方が多いようですが……
結月ゆかり
- この時から魅了されていた人間がいたのかもしれない……
結月結
- なるほど、『人魚』ですからね……
海未
- 『パリーン』
我が家のまゆちゃん
- な、なんの音です?
海未
- 窓にヒビが入ったみたいです
結月結
- ……ひとりでにですか?
海未
- 園田さん、ここは霊の作り出した縄張りと言いましたよね
結月結
- うう……絵里ほどではありませんが、暗闇が怖くなりそうです……
海未
- 『カランカラン……』
我が家のまゆちゃん
- こ、今度はなんです!?
海未
- ……空き缶みたいです
結月結
- すみません、私が蹴りました……
結月ゆかり
- 驚かさないでください……
海未
- (どっちかというとこっちの台詞なんだけど……)
結月結
- 「……ホノカチャーン……」
ことり
- ……ことり!?
海未
- 声からしてそう遠くなさそうです、行きましょう
結月結
- ────────────
結月結
- 「!だ、誰……!」
ことり
- ……南さん?
結月結
- 結月さん!
ことり
- ようやく見つけましたよ、南さん
結月結
- ことり!
海未
- 海未ちゃ~ん!!
ことり
- よかった……無事だったんですね
海未
- この旅館に入ったら穂乃果ちゃんとはぐれちゃって……変な音とか鳴ったり、物が勝手に動いたりして、怖かったよ~……
ことり
- 結……
結月ゆかり
- ここに来て、魅了が進んだのかもしれない、急がないと……
結月結
- ────────────
結月結
- 霊の、縄張り……?
ことり
- はい、高坂さんは霊に魅了され、ここに来た可能性があります
結月結
- そういえばことり、貴方も穂乃果と一緒に動画を見ていたと言ってませんでした?
海未
- あ……してた……かも……
ことり
- あの時、なんだか頭がぷわぷわーってして……とにかくどちらでもいいって感じして……
ことり
- ことりも魅了されていたという事でしょうか?
海未
- そういうことだと思います
結月結
- そうだ……結月さん、これ
ことり
- これは……日記ですか?
結月結
- うん、人の日記読むのはあれかなって思ったけど、一応持ってたの
ことり
- ……ふむ、中身を拝見すると、この旅館で生まれ育った人のものみたいです
結月結
- 十歳の時に別の街に移り住み、その時にこの旅館が壊されたみたいですね……
海未
- では、この日記の人が人魚の霊という事でしょうか?
海未
- いえ、そう断定するのは早いかと思います
結月ゆかり
- ……そうですね。
僕もそう思います
結月結
- ……あの……結月さん達って、いったい……
ことり
- 僕達は、今は亡き退魔師一族である結月家の子供です
結月結
- 結月家……あっ!
ことり
- ことり?
海未
- 希(のぞみ)ちゃんが確か、そんな話を聞いたって!
ことり
- 確か、テレビ番組にも出てたって……
ことり
- 母は、「人が踏み入ってはならない世界」を感じ取れる人でした
結月結
- それを先程説明した「霊の縄張り」と呼び、人が踏み入れないよう遠ざける活動をしていたんです
結月結
- 死者は……生前の記憶に似た場所を作り、この世とその場所を結んで「霊の領域」を作る事があります
結月結
- 自身の縄張りを作り、この世に残ろうとする。
この旅館はすなわち、その「霊の縄張り」ということです
結月結
- そして、私たちにはその縄張りの場所がわかるという事です
結月ゆかり
- 「人魚の霊」が作り出した呪いの動画……あの歌を聴いた多くのスクールアイドル達は、「人魚」に魅了され、「縄張り」に誘い込まれてしまうんです
結月結
- 僕達は「霊の縄張り」に連れ込まれた人達を助ける為に、今回霊の縄張りに来たというわけです
結月結
- じゃあさっき言った霊の縄張りっていうのがそれなんですか?
ことり
- 信じられないことだとは思いますが、そういうことです
結月結
- 大変!
穂乃果ちゃんを探さなきゃ!!
ことり
- ま、待ってくださいことり!
海未
- ……南さんは普段からああいう方で?
結月結
- へ?……あぁ、そうですね……少しふわふわしてるというのが、ことりの印象ですが……
海未
- 失礼ですが、南さんは自分が取り込まれかけてるという自覚がなさそうですね……
結月結
- そういえば……
海未
- 急ぎましょう。
今の南さんから目を離すのは危険だ
結月結
- ……恐らく、失踪した人達は人魚の近くにいるはずです
結月ゆかり
- そこに、スクールアイドル達が……
結月ゆかり
- …………
海未
- どうしました?
結月結
- ……いえ、私なりに人魚の居そうな場所を考えたのですが、ここが旅館だというのでしたら…「温泉」にいるのでは?
海未
- ……温泉?
結月結
- はい。
穂乃果やことりが見た動画がどんなものかはわかりませんが、確か「海」のようなステージで歌っていたと聞きました
海未
- 旅館で海のような場所と言えば、そう多くないのではないかと思います
海未
- そうか……失踪した人達もそこにいるのかもしれない
結月結
- 姉さん、行ってみよう
結月結
- えぇ、そこに高坂さんがいるのかもしれません
結月ゆかり
- 園田さんも行きましょう!
結月結
- はい……!
海未