くだらない友達
そう、くだらない話
- まだ桜が咲いて間もない季節に
赤川
- やあ
青柳
- 私、赤川は学校の屋上に呼び出された
赤川
- 屋上に呼び出して、一体何なの?
赤川
- 相手は、クラスメイトの青柳くん
赤川
- 聞きたいことがあってね
青柳
- 女子に人気のあるイケメン男子で
青柳
- 教室じゃダメだったの?
赤川
- 二人っきりで話したくてね
青柳
- 私には縁のない相手だと思っていた
青柳
- この前、町で赤川さんを見かけた時から
ずっと思っていたことがあるんだ
青柳
- うん......
赤川
- 関わることは無いと思っていた
赤川
- 好きなの?
青柳
- えっ
赤川
- 好きなのかって聞いてるんだけど
青柳
- い、いきなりそんなこと言われてもっ
赤川
- 今は二人っきりだから隠さなくていいんだ
青柳
- 隠すも何も、話すの初めてだし......
赤川
- ハッキリ答えて。赤川さんは好きなのか?
青柳
- 何故なら彼は
赤川
- うどん?
青柳
- 口を開けば少しズレていると有名だったからだ
通称 ガッカリイケメン
赤川
- は?
赤川
- だから赤川さんは、うどん好きなの?
青柳
- えっと......
赤川
- うどん??
赤川
- たまたま町歩いていたら、赤川さんが丸○製麺に入っていったのを見て、何を食べているんだろうって
青柳
- 気になるじゃん?
青柳
- いや、どうでも良くね!?
赤川
- 大事な話ありますって呼び出しといて、うどんってなんだよ!?
赤川
- うどんは美味しいじゃないか
青柳
- 美味しいけどさ!?
赤川
- てかいつの話だよ!?私自身いつ行ったか覚えてないんだけど!?
赤川
- 僕は最近カレーうどんを食べたんだ
青柳
- 話聞けよ!?
赤川
- 白い服を着て食べるとき緊張するよね?
青柳
- じゃあ着ていくなよ!
赤川
- はあ......超くだらない
赤川
- くだらなくはないさ
青柳
- うどんを食べることは決して恥ずかしい行為じゃない
青柳
- うん、普通だよ
赤川
- わざわざ屋上まできて二人っきりで話す内容じゃないって言ってんの
赤川
- じゃあ二人っきりで話す内容ってなんだ?
青柳
- え、えっと、例えば恋の話とか?
赤川
- 鯉?そんな天ぷらあったか?
青柳
- 丸○製麺の話じゃないよ!?
赤川
- 赤川さんは何の天ぷらが好きなんだ
青柳
- あーもう......話噛み合わない
赤川
- 教えてくれ!夜眠れなくなる!
青柳
- イカ天!これでいい?
赤川
- イカ天か!イカ天だけにイカしてるね!
青柳
- 言ってて恥ずかしくないの?
赤川
- とてもステキな嗜好だね
青柳
- なんだろ全然嬉しくないし褒められてるのか良くわからない
赤川
- まるでちょっと時間を置いて白身が出来た釜玉うどんのようだ
青柳
- だからなんだよ
赤川
- 僕は釜玉うどんが好きなんだ
青柳
- 良かったら付き合ってくれない?
青柳
- いや、正直ときめく要素皆無なんだけど
赤川
- え、でも私、初めて告白された......
性格はあれだけど顔はいいかも
赤川
- 残念、一緒に丸○製麺行きたかったな
青柳
- 付き合うってそっちかよ!?
赤川
- は○まるうどんでもいいよ、行かない?
青柳
- 行かない!
赤川
- こんな春は来て欲しくなかった
赤川