Loading...

ひとり劇場

Gが行く2

まだ始まったばかり

G(ゴキブリ)
えっとですね
G(ゴキブリ)
俺の名前は宮森茜(みやもりあかね)
G(ゴキブリ)
秋に生まれて、秋茜というトンボの茜をとったんだと
G(ゴキブリ)
女みたいな名前だろ?
G(ゴキブリ)
なんで俺がゴキブリの姿かって?
G(ゴキブリ)
そしてなんで隣にこれが眠っているか?
博士
すやすや
G(ゴキブリ)
それは今から始まるんだなこれが
前回の続き
椿
うおぉぉぉ!!
俺は声が出ないし、混乱してる。ゴキブリがひっくり返ってウゴウゴしている姿を想像してほしい
イヌワシ
あちゃー完全に混乱してますね
イヌワシ
にゃんこ先輩
にゃんこ
仕方ないにゃここは我輩が説明するしかにゃいのにゃよ
にゃんこ
おーいおーいそこの黒いテカテカのつるつるくん〜
G(ゴキブリ)
なんだこのバカみたいな声が聞こえるぞ
にゃんこ
・・・後ろ向けこの黒光り君のことにゃよ
イヌワシ
先輩ちょっと怒ってます?
にゃんこ
全然〜(ちょっと気にしてる)
G(ゴキブリ)
くるりなんか馬鹿でかい鳥と、かわいいにゃんこがいる
にゃんこ
ふふふ前言撤回にゃかわいいと言われたからには助けるのにゃ
イヌワシ
先輩ちょろいっすね
イヌワシ
後、馬鹿でかい鳥とかいうな〜鳥だから食うぞ虫!
G(ゴキブリ)
ぎぇぇ
にゃんこ
まあそれは置いといて、君今の状況わかる?
G(ゴキブリ)
・・・俺自身が満身創痍の包帯ぐるぐる巻きに寝ていて、俺がゴキブリに転生してる
イヌワシ
まだ転生はしてないんですけどね
にゃんこ
まぁいいにゃ似たようなものだにゃ
G(ゴキブリ)
むしろどちら様ですか?
にゃんこ
えーとにゃ作者の設定のせいで君を助けるアシスタントみたいな奴にゃ〜
イヌワシ
僕もおまけです、はいおまけです
イヌワシ
君はえーと名前なんですか?
G(ゴキブリ)
ゴキブリではなくみんなからあだ名で(博士)と呼ばれてる
にゃんこ
何故博士なのにゃ?
G(ゴキブリ)
長くなりますけど
にゃんこ
なんか色々聞きたいがめんどくさくなったので省くにょにゃ
イヌワシ
もう少し分かり易くお願いしますということらしいです
G(ゴキブリ)
動物の博士を目指してますはい
G(ゴキブリ)
全部の生き物の分野に精通しています
にゃんこ
生き物博士というものかにゃ〜
イヌワシ
えーとお二方、水を差すようですが時間がないのでぶっちゃけますよ
にゃんこ
あれもうかにゃよ?
G(ゴキブリ)
あの〜なんで俺ゴキブリになってるんですかね?
にゃんこ
そこは我輩が説明するのにゃ!
イヌワシ
あー僕の役取られた
にゃんこ
鳥だけに
G(ゴキブリ)
話進めてください〜
にゃんこ
えーとだにゃゴキブ・・・
イヌワシ
博士君はですね、幽体離脱してあの世に行こうとして
イヌワシ
可哀想だから、生き物を大切にして助けてくれた恩返しとしてチャンスをあげて犯人を探せ的なやつです
にゃんこ
ただにゃー
にゃんこ
ゴキブリ
G(ゴキブリ)
なんでゴキブリなんですかね・・・
イヌワシ
あーそれはですね
にゃんこ
わかりやすく言うと、ここ病院よにゃ〜
G(ゴキブリ)
あーそう言うことか
イヌワシ
病院は動物禁止なんですよね
イヌワシ
後、憑依する元の動物を考えてまたここの病室に戻ってこれるのが
G(ゴキブリ)
小さくて、気づかれずにそして強烈なやつ
にゃんこ
他の動物も快く君の助けになってくれるにゃ〜
G(ゴキブリ)
助っ人?
イヌワシ
まぁそれはそのうち分かりますよ
にゃんこ
君がゴキブリになぜ憑依してのかは、ゴキブリ君に聞いてみるといいにゃよ
G(ゴキブリ)
しっかし、何で俺は満身創痍の包帯ぐるぐる巻きの痛々しい姿は何を意味するんだろうか
こつこつこつこつ
にゃんこ
イヌワシ何が来るのにゃ!
イヌワシ
巡回のナースさんですかね
G(ゴキブリ)
はっ!
にゃんこ
博士も隠れるにゃバレないと思うけど
イヌワシ
にゃんこ先輩早く早く窓閉めますよ!
にゃんこ
はわわわ
にゃんこ先輩はジャンプが苦手である
G(ゴキブリ)
早くいけって!
イヌワシ
仕方ないですね!
イヌワシはにゃんこ先輩を鷲掴みにして飛ぼうと羽をばたつかせる
イヌワシ
重っ
イヌワシ
先輩最近つまみ食いして見た目に反して体重がえぐいですよ!
にゃんこ
いいから飛ばんか!
にゃんこ
せんざんき(郷土料理のからあげである)にするにゃよ!
イヌワシ
あーそれは御免です(棒読み)
なんとか窓を超えて隣の桜の木で待機する猫と鳥
G(ゴキブリ)
なんとか超えたな
がらがらと扉を開ける音がした
ナース
失礼しますね宮森さん〜
点滴チェック、酸素マスクの状態など、花瓶の花
ナース
異常なし
G(ゴキブリ)
俺はベッドの下でカサカサとナースに近づいた
G(ゴキブリ)
なんか下から見ると色々と見える
G(ゴキブリ)
ご想像にお任せするが
博士
酸素マスクは安定している
博士
意識は目覚めることはない
ナース
あぁそういえば、今日はご家族の方が先ほどお見えになっていましたよ
G(ゴキブリ)
親父とお袋とその他諸々は関係は今ひとつなのであまり好きではなかった
G(ゴキブリ)
一応心配はするのかどんなものか見てみたかったなぁと思いつつ目が覚めたら・・・
G(ゴキブリ)
いいやそんなものは期待しない
コンコンとノックのする音がした
椿
あのお邪魔でしたでしょうか?
ナース
いえいえ、異常はないので安心してくださいね
ナース
こんな彼女さんがいて彼氏さんが羨ましいですね
G(ゴキブリ)
あれこの人は誰だ?
G(ゴキブリ)
少し探るか
ナース
それでは失礼しますね
ナース
夕方の5時まで面会は可能ですので
椿
はいいつもありがとうございます
ナース
早く目を覚ますといいですね
顔なじみということはいく日もここへきていると言うことだろう
看護師は意識不明の俺と女を置いて静かに出て行った
女は眠っている俺の横にある椅子に座り
静かに語りかけてきた
椿
ねえ茜もう季節は春になったよ
椿
寒い寒い冬が終わって暖かくなったよ
椿
早く目を覚まして
椿
じゃないと
椿
私がどんどん歳をとっておばあちゃんになっちゃうわよ
その女はふと窓を見た
椿
たまには空気の入れ替えをしないと、辛気臭いわよ
そう言って窓を開けた
そよ風に揺らぎひらひらと桜の花びらが殺風景な病室に入り込む
窓から入り込んだ春の兆しを
椿
懐かしいわよね去年もこんな綺麗な桜の通りで
椿
一緒に歩いたわよね
そう言って小さな小さなうっすらとした桃色の花びらをつまみ
そっと眠っている俺に
包帯が巻かれ点滴が繋がっている痛々しい白い手に
俺の手の上に女の手を重ね
その花びらを握らされた
どのぐらい時間が経ったのだろうか
女は俺の手を握りしめたまま居眠りをしていた
G(ゴキブリ)
・・・
空が茜色になり、その女はまた明日来るからねと言い病室を後にした
そして再び窓の外から桜の木にどっこいせとしている不穏な影
にゃんこ
長いにゃ
イヌワシ
長いですね〜
続く

2  

投稿日時:2019-04-09 00:22
投稿者:チュン
閲覧数:1

> チュンさんの作品一覧をみる

↑このページの先頭に戻る