ブドウ飴
主の実話です。兄のお話です。
- 家族で旅行に行った時お兄ちゃんと迷子になった
- ねえお兄ちゃんどうしよう
雪
- 大丈夫、ブドウ飴買ってやるから
お兄ちゃん
- ありがとう!
雪
- 美味しい
雪
- そうだな
お兄ちゃん
- どうする?このまま迷子だったら
雪
- 大丈夫、俺がついてるから、
お兄ちゃん
- うん!
雪
- その後親と無事に合流できた
- お兄ちゃんはおんぶをしてくれたり昔から面倒見が良かった
- そして2018年兄は誕生日の2週間後に自殺した
- 兄は父にゲームを壊された事で怒って死んだ
- その日私は塾があった
- 兄が怒っているのは見てこれはほっといた方が良いと判断した
- そうすると上から大きな音がした、ドンッという大きな音が
- 兄は昔から怒ると机や椅子を倒したり投げたりする方だったので関わると余計に怒ると思い放っておいた
- だがそれが間違えだった
- 塾で勉強している途中電話が鳴った
- もしもし?
雪
- あのね今帰って来たらお兄ちゃんが倒れてて息をしてないの!
母
- え?私はとっさに大きな音の事を思い出した
- 私は泣きながら帰った
- 私の家には色んな人がいて泣いてるのが恥ずかしくなって足を怪我したと嘘ついた
- あのね雪ちゃん、、、
友達のお母さん
- 友達のお母さんが状況を説明してくれたが私は何も聞こえなかった
- その後その方の家に泊まる事になった
- そして母から友達のお母さんに電話がかかってきた
- 雪ちゃんお兄ちゃん大丈夫だって
友達のお母さん
- 良かったーありがとうございます!
雪
- うん、、、
友達のお母さん
- 次の日私はいつもと同じ様に学校に行った
- そして帰るとお父さんと母が泣きながら座っていた
- 私はお兄ちゃんが生きてて嬉しくて泣いてるのかと思った、
- あれ?お兄ちゃんは?
雪
- 兄ちゃんはな、、死んだんだ
お父さん
- 泣きながらそう言った
- 嘘だお兄ちゃんが死ぬはずないもん
雪
- そう言いながら涙目で犬を抱っこした
- 犬は何事も無かったように足を振りながら涙が出てきたほっぺを舐める
- 本当よ
母
- 私は悲しくて母の膝の上で泣いた、大声で泣いた
- でもどれだけ泣いても戻って来ない
- その後泊まらさせていただいた友達のお母さんの家に服を取りに行った
- そしたら友達のお母さんに抱きしめられた
- ごめんね、私雪ちゃんが泣いてる所見たくなくて嘘ついちゃった、
友達のお母さん
- 私はさらに泣いた。こんなに優しくしてくれて人の温もりを感じた
- その後祖母と祖父、従兄弟が来た
- みんながお香をあげて泣いている中、私は泣かなかった
- 火葬する時も私は泣かなかった
- お葬式の時も泣かなかった。
- 理由は兄とはいつも喧嘩していていつも私が負けて泣いてばっかだった
- だから私は最後まで兄に負けたくないという気持ちで泣かなかった
- それから3ヶ月母と話していた
- これねお兄ちゃんがポケットに入れてた物なんだけど
母
- それで出されていたのは私が誕生日プレゼントにあげたハンカチだった
- 兄は使っているとかそういう事を言わない生格でハンカチを使っていてくれたのが嬉しくて泣きそうになった
- そして母が教えてくれた
- いつもあんな感じの子だけどいつも雪の事心配してたんだよ
母
- 雪が友達と喧嘩した時お兄ちゃんは
母
- 大丈夫だよ、雪は強いから、そんな簡単に負けないよ、それにいつかは忘れて仲直りするさ
お兄ちゃん
- って言ってたの
母
- だからお兄ちゃんはいつも気にしてないように見えるけど本当はすっごく気にしてるんだからね
母
- 私は泣いてしまった
- 今までの思い出などが回想され私は思わず涙をこぼしてしまった
- ごめん、お兄ちゃん私今回も負けちゃった、最後なのにね、本当に私は弱いよ、でも強くなるね
- それから私はポジティブになり変わった
- 強くなった
- でもたまに泣いてしまう事がある
- お兄ちゃんとの思い出を思い出すと美味しいブドウ飴の味がする
- 今回は私の実話を書きました。人間は本当にあっけなく死ぬんだなぁって、日頃から愛の気持ちを伝えられればいいと思います。
雪