空の彼方「1話」
完全オリジナルのお話です。
- ロレマウー、ヨチノイー!
ハルカ・ケーラン
- ロレマウー、ヨチノイー!ヨチノイ!
ハルカ・ケーラン
- ピカーン!
眩い光の中から一人の少女が現れて
- お呼びでしょうか、ご主人様!
カナタ・アグロン・マリーニ
- フフッ、よく産まれてきてくれたわ。貴方には彼の中に入ってもらうわ。
ハルカ・ケーラン
- はい、分かりました。
カナタ・アグロン・マリーニ
- ガタガタッ…
- 小さな光は1人の少年の中に入っていった。
- …ん?なんか入ってきた?…気の所為か。
亜仁香
- 亜仁香の中
- 腐った世界だな
カナタ・アグロン・マリーニ
- そうかしら?
カナタ・アグロン・マリーニ
- ああ、実に腐っている
カナタ・アグロン・マリーニ
- ふーん…そう思うあなたこそ腐ってるのでなくって?
カナタ・アグロン・マリーニ
- 表の顔が長く続くとでも思ってるのか?
カナタ・アグロン・マリーニ
- 少なくとも、貴方に蝕まれるとは思っていないんわ。
カナタ・アグロン・マリーニ
- へぇ…じゃあ、握手しましょうよ!ね?(不敵な笑みを浮かべてカナタに手を差し伸べる)
カナタ・アグロン・マリーニ
- ふふっ、哀れな裏の私!
仕方が無いわねぇ…はいっ、握手!
(差し出された手を握る)
カナタ・アグロン・マリーニ
- コポコポ…
- 謎の音は、裏のカナタが表のカナタに何かを流し込んでいるように聞こえた。
- なっ、何したのよっ!
カナタ・アグロン・マリーニ
- アハハハッ…実に腐っている!腐っている!アハハハッ!アハハハッ!
(満面の笑みでカナタを見つめる)
カナタ・アグロン・マリーニ
- …ううっ…痛いっ……痛いっ!
(頬に手を当てると生々しい血が出ており)
カナタ・アグロン・マリーニ
- アハハハッ!苦しめ!苦しめ!アハハハッ!
(表のカナタを、嘲笑う姿は悪魔のようだった。)
カナタ・アグロン・マリーニ
- 表と裏で触れ合ってしまったのね…こんな事をするとは思っていなかったわ。表のカナタと裏のカナタの間の子が生まれる…そして、表のカナタの意識は一切ない。それから…亜仁香とやらとは体が別れて1つの生き物として生きる…それでいいのね?表のカナタ。
ハルカ・ケーラン
- …記憶が………なくな…痛っ…
(更に激しい痛みが!ナタを襲う)
カナタ・アグロン・マリーニ
- 今のうちに決めて!それじゃないと、貴方は一生苦しむことになるわ。これは止めることが出来ないの。少しいい方向に舵を切ることは出来る…
ハルカ・ケーラン
- ハルカ様!何故こいつの味方をするんだ!こいつは覚えてないけど…ハルカ様までを危険な目に合わせたんですよ!忘れたのですか?
(思ってもなかった言動に動揺していて)
カナタ・アグロン・マリーニ
- 黙って!…さぁ、表のカナタ!貴方はどうする?
(裏のカナタを睨みつけ、表のカナタには微笑み)
ハルカ・ケーラン
- まざっても……いいっ、この痛み………に、たえ……れな…うっ…
(膝から崩れ落ちて)
カナタ・アグロン・マリーニ
- …分かったわ。今、楽にしてあげるからね…
(優しく表のカナタの背中を叩けば表のカナタを光が包み込んで)
ハルカ・ケーラン
- …あたい、カナタ!カナタ・アグロン・マリーニだよ!
カナタ・アグロン・マリーニ
- 嘘だっ…嘘だぁっ!なんでだよ…なんでハルカ様はあいつを助けたんだ!
カナタ・アグロン・マリーニ
- ふふっ…まぁ、頑張りなさいね。
(そう呟けば光とともに消えて)
ハルカ・ケーラン
- どーしたの?あ、お名前は?
(そう聞く彼女の目には感情というものが宿っていなかった。)
カナタ・アグロン・マリーニ