ある出会い~記憶の無い僕とある君
あの日、僕は君と出会って“変わった”
- ちかー!
まお
- うおっ!びびった~!まおか~。なに?
一智
- おはよう☺️
まお
- おはよう
一智
- 一緒に行こ!
まお
- うん。
一智
- あのね、あのね
まお
- なに、なに
一智
- お父さんがJUMPのカレンダー買ってくれるって!
まお
- へえー!いいな~!
一智
- でしょー!
まお
- 一智くーん!おはよー!
りこちゃん
- 俺もまおのお父さんにたのもーかな~!
一智
- 頼んでみよっか?
まお
- お願いします!
一智
- お父さんにちかのも買って!って言ったら絶対買ってくれるから
まお
- 俺に優しいからなぁ!
一智
- マジずるいー!
まお
- ・・一智君ってば!
りこちゃん
- あっ!チャイム鳴る!まお、早く教室入ろ!(りこを無視してまおの手を繋いで走る)
一智
- う、うん!(りこを無視しているちかにビックリしている)
まお
- ・・・
りこちゃん
- ・・・りこ、お前も早く入った方がいいぞ
一智
- コソッ気づいてたの?
まお
- コソッああ
一智
- うん。ありがとう
りこちゃん
- ・・別に心配してる訳じゃない、時間が瞑れるからだ
一智
- ・・・うん。わかってる、来るから先に行って
りこちゃん
- 一緒に行こうとか思ってねーし
一智
- ちか!?
まお
- 良いよ、まおちゃん
りこちゃん
- ・・・うん。後でね!
まお
- うん。後でね!
りこちゃん
- 気まずい空気の中、一智とまおは手を繋いで走る
母
- ちか・・
まお
- なに?
一智
- なんで、あんなこと言ったの?
まお
- 別に、素直になれってあいつが
一智
- だからってさ、りこちゃんだよ!幼なじみじゃないの?二人は
まお
- 涙を流すまおには気づかずもっと強くまおの手を繋ぐ一智、それにまおはびっくりする
母
- まお、俺さまおと別々になってから気分、いつも悪いんだ
一智
- なんで?
まお
- 毎日、当たり前のように隣に・・家にいたはずのまおが急に居なくなったんだぞ!?
一智
- それは、そうだけど・・
まお
- 俺は、あの日を!後悔してるんだ!ずっと!
一智
- ~あの日~
一智
- 一智くん!教室!一緒に戻ろ?💕
りこちゃん
- 良いよ
一智
- この絵、私が書いたんだ~!
りこちゃん
- へぇー!りこにしては上手い
一智
- 私としてはってなに?
りこちゃん
- 悪い悪い!・・・これは?
一智
- それ?それは・・・同クラの佐藤万桜ちゃんだよー!
りこちゃん
- ・・・まお?誰だ?
一智
- さあ?あんま喋らないもーん!
りこちゃん
- なんだそれ(笑)
一智
- 後ろにまおがいるのに二人は気づかない
一智
- なんか、教室、騒がしい~!
りこちゃん
- せんせー!りことまおが戻ってません!
母
- あっ!やば!まおちゃん!戻ろ!
りこちゃん
- え!え!まって!
まお
- 二人とも待て!
一智
- どうしたの?
りこちゃん
- 嫌な予感が・・・
一智
- 私は入るよ、まおちゃんは?
りこちゃん
- 入らない
まお
- ふーん。じゃあ
りこちゃん
- ーーーーー!
母
- あ!やばい!(一智くんだけは!)
まお
- 隣にいる一智の手を繋いで
まお
- え?どうしたの!?
一智
- ごめん!逃げなきゃ!
まお
- え!え!まって!
一智
- コソこいつだけでも助けなきゃ!
まお
- ・・・(あれっ?俺たち、会うの初めてだっけ?)
一智
- 早く!くつはいて!えっと、ちかちかちか・・あぁ!もういい!行くよ!
まお
- おい!(笑)なんだと!
一智
- 後ろから追っかけてくる一智に気づく
まお
- キャー!
まお
- 待て!(笑)
一智
- 一智が、まおのくつに自分の足をいれて二人ともまおのくつに二つのくつが入った
まお
- 汚くなるよ!
まお
- え!?ごめん!
一智
- (にやっ!)今のうち!
まお
- あっ!お前!仕組んだな!
一智
- 仕組んでないしー!
まお
- 一智!こっち!
母
- おお!○○!
一智
- あっ!待て!
まお
- やだよ!
一智
- 二人は追いかけっこをする
まおには最終的に捕まる
一智
- おい!離せって!
一智
- ・・・(息を弾ませながら)親!居ないんでしょ?
まお
- ・・・んで
一智
- 見つかって、帰りたくなるまで、家に来れば?
まお
- ・・うん。
一智
- 二人のやり取りにやきもちを焼いている凜星、まおが好きなのだ
母
- 数日後・・
まお
- 起きろー!朝だぞー!
一智
- うーん!・・・なんで、部屋にいるの!?
まお
- お前が起きねーからだバーカ
一智
- なっ!一応、年上だからね!?
まお
- うるせ!早く着替えろ!
一智
- ある日を境に二人を引き離す事になる・・三年後
一智
- まお、俺さほんとーの家に帰ろーと思ってる
一智
- え?
まお
- この前、連絡来たんだ。見つかったって。今、下にいんだよ、挨拶してくれねーか?
一智
- うん。ちかの頼みなら
まお
- おかーさん
一智
- 智(とも)、久しぶり。その人は?
母
- あの!初めまして。
まお
- 今まで、俺と暮らしてた子。ていうか、家に泊めてくれた人
一智
- ふーん、名前は?
母
- さ、佐藤万桜です!今まで、一智くんを泊めてました
まお
- 智の母です。はじまして
母
- はい
まお
- ごめん、男なんて言って
一智
- はぁ!ちか、まおを男って・・
まお
- 思ってないっす!もう!女にしか見えねっーす!
一智
- よろしい
まお
- じゃあ、帰りましょうか?智?
母
- 俺、まだ授業終わってねーもん
一智
- 良いから!家に来るんでしょ?片付けしないといけないの!
母
- あの・・・
まお
- 今度はなに?
母
- ちかはただ、勉強が好きなんです!最後までさせてあげてください。一緒に登校できた最後の日まで
まお
- 他人のくせにぐだぐだと。首を引っ込めなさい!
母
- まおに智の母から手が飛んできて目をつむる
まお
- きゃっ!
まお
- パシン!
まお
- !ちか!
まお
- 大丈夫か?まお。怪我は?
一智
- (一生懸命首を横にふる)
まお
- ん?なんで泣いてるの?
一智
- ちかが・・ちかが!
まお
- 俺?俺は大丈夫。まおは女の子だろ?男の俺心配無用だ!(まおに心配を掛けないため、無理に笑う)
一智
- いや・・ちかを絶対に怪我させないって決めてたのに。どうしよう・・。
まお
- まお、一人で抱え込むな。別々になっても俺たちは家族だ、相談して?不安になったら。俺もするから
一智
- ・・(泣きながら首を縦にふる)
まお
- ・・・ちょっと!智!なんでかばうの!?もう家族でもないのよ?ただの、同級生よ!?
母
- 俺は!・・まおをただの同級生だなんて思ったことは一度もない
一智
- どういう事?・・ちゃんと説明して
母
- 俺は、初めてまおに会ったのは3年生の時だったんだ。そこで、まおは俺に「智くんだけは助けなきゃ!」って。自分の心配より先に俺の心配をしてくれたんだ!
一智
- お話し中、失礼します。一智くんの話の点で間違いがあったので訂正してよろしいですか?
りこちゃん
- いいわ。教えて?
母
- 一智くんは“初めて会ったのは3年生の時”と言いましたよね。
りこちゃん
- あぁ。そうだ
一智
- 実際、一智くんとまおちゃんはその前にも会ってます
りこちゃん
- はっ?なに言って・・
一智
- だよね?まおちゃん。
りこちゃん
- うん。そうだよ、まおとちかは幼稚園生の時、会ってたんだよ
まお
- ・・・待って?なんか、引っ掛かる
一智
- なんで、覚えてないかな・・
りこちゃん
- ちか。
まお
- ん?
一智
- ちかと最後に会ったあの日ね、ちかと海岸に海、見に行ったの
まお
- ・・・うん。
一智
- そしたら、ちかのお父さん、お母さんが来てちかが連れていかれたの
まお
- ・・・うん
一智
- して、まおが「智くん!」って叫んだらちかね・・・
まお
- 『まお!待ってろ。何年後に会うか分かんねーけど、ぜってーまおを探しに行くから!』
一智
- ・・・え?
まお
- やっと思い出した。まおが先に俺を見つけてくれたんだね・・・。ありがとう
一智
- ちか・・・(泣いていたまおは思い出してくれたちかが嬉しくてもっと泣いてしまった)
まお
- はぁ。やっとか
りこちゃん
- 分かってたの?
まお
- うん
りこちゃん
- りこ、ありがとう
一智
- ううん☺️
りこちゃん
- ちょっといいかしら?
母
- なに?
一智
- わたし、あなたに一智(ちかとも)何て言う名前、つけてないんだけど
母
- それは・・・
一智
- ちかが名前、捨てたいって言ったので家に来たときから名前が“佐藤一智”になったんです
まお
- なに・・よそれ!親の気持ちをばかにしてるの!?
母
- おい
一智
- ・・・なに
母
- まおに・・なんて口を聞くんだよ
一智
- まさかだけど・・好きになったなんて言わないわよね?
母
- ・・・
一智
- 嘘でしょ・・・
母
- ほんとだよ
一智
- ・・・え?なに?
まお
- まお、ずっと、言えなかったけど俺、お前が好きだ
一智
- え?
まお
- それとこれとは話が違うわ!家に帰ることは変わらないわ!行くわよ!
母