名前(5日目)
試したいこと
- カリカリカリカリ
- 俺は日記を書いている
誠一郎
- 気が狂わないように
誠一郎
- 出ることが不可能なら、何が何でも名前を当てる気だった
誠一郎
- 14人のクラスメート
誠一郎
- このクラスメートは、俺が小学生の時からずっと
誠一郎
- おんなじだった
誠一郎
- 俺らが卒業する前にその小学校は潰れた
誠一郎
- 災害によって
誠一郎
- だから、アルバムとかは無くなって一から取り直すことになった
誠一郎
- 賞状は無事に金庫に保管されていたらしい
誠一郎
- それで、中学と高校は互いにバラバラになった
誠一郎
- 2018年12月
誠一郎
- 平成が終わるとかなんとか
誠一郎
- 久々に会うと面影があるやつない奴
誠一郎
- スクリーン
- それぞれの人が見える
- 俺は試してみたいことがあった
誠一郎
- ペンと紙がある
誠一郎
- スクリーン、スクリーン用のお互いの姿が見えるカメラ
誠一郎
- 監視カメラは別にある
誠一郎
- あいつはリモコンで操作する
誠一郎
- ・・・
誠一郎
- あの名無しにバレないように
誠一郎
- 一か八かだ
誠一郎
- モールス信号は無理
誠一郎
- クラスメートとは喋ることはできない
- だったら
誠一郎
- 会話できないとは言ってないよな
- カリカリカリカリ
- できた
誠一郎
- それをスクリーン用のカメラにかざすなるべく近づけて
誠一郎
- 大きい文字で
誠一郎
- 音がない分分かりづらいが
- 誰かが見ることを期待した
- 俺の名前は
- 本田誠一郎
- 5日目終わり