Winter Story
- 私はいつもわざと少し遅れて家を出る
白石麻衣
- 待ち合わせ場所にはいつも先に彼がいる
白石麻衣
- もちろん今日も
白石麻衣
- ごめん!遅れた!!
白石麻衣
- 僕も今来た所だよ
〇〇
- 嘘つき
白石麻衣
- ごめんね?
白石麻衣
- かじかんでいる彼の手に触れる
白石麻衣
- ん……
〇〇
- やっぱり冷たい
白石麻衣
- 少し照れている彼の顔
白石麻衣
- この顔が見たくていつも遅れる
白石麻衣
- 今日も寒いね
白石麻衣
- そうだね
〇〇
- ベンチに座りながら自販機で買ったココアを二人で分け合う
〇〇
- ぷはぁ
白石麻衣
- あったかぃ~
白石麻衣
- 吐いた息が白く染まり空へと消えた
〇〇
- でもこっちの方があったかい~
白石麻衣
- ちょ…いきなり……
〇〇
- すぐ近くには大好きな彼の顔
〇〇
- あたためてほしいな…ねぇ?
白石麻衣
- なんて素直に甘えられるのは冬のせいかな
白石麻衣
- こ、こう?
〇〇
- ぎこちない手で私の背中に手を回してくる
〇〇
- んふふ…
白石麻衣
- ど、どうしたの?
〇〇
- 耳元で喋るから少しくすぐったい
〇〇
- 〇〇かわいいなって思ってた
白石麻衣
- え…かわいい?
〇〇
- どんな顔をしているかすぐに分かる
白石麻衣
- 変わらないでね?
白石麻衣
- え?
〇〇
- もう言わないよ
白石麻衣
- 悪戯に彼の耳に息を吹き掛ける
白石麻衣
- うわっ!
〇〇
- 早くいこっ!
白石麻衣
- うん笑
〇〇
- 少し困った笑顔で近くに来る
〇〇
- 後ろに残るのは私と彼の足跡
〇〇
- 来年もキミと…居たいな
白石麻衣
- 冷めてしまったココア
白石麻衣
- 覚めてほしくない夢
白石麻衣
- ~Winter Story~
白石麻衣