◯の面接にやって来たアルトリア・オルタ
- 事務所
オルトリア
- 今日がお前の初出勤だがフランス王妃のように淑やかな振る舞いを心がけろよ。
支配人
- わたしはいつでも淑やかなつもりだ。
オルトリア
- 騎士道には、廉恥への奉仕の規範がある。
すなわち、騎士道に忠実なわたしはいつだってあのフランス王妃以上に淑やかだということだ。
オルトリア
- まあ、そういうことでいいか。
して、お前はこの仕事がいかなるものか把握できているか?
支配人
- ん?
ああ。客が泊まっているホテルに出向き神に対するように客に奉仕する仕事だろう。
オルトリア
- いやはや、たかが小金持ちの凡夫風情に神と同等の振る舞いをせねばならんのは釈然としないが、これもマスターのためだ仕方あるまい。
オルトリア
- ん?マスターのため?
お前の主の身に何があったのだ?
支配人
- 我がマスターは現在、聖杯戦争どころではない窮地に立たされている。
というか、これをあなたに言う必要があるのか?
オルトリア
- いや、その状況如何によってはこちらも何かしら助力してやりたいと思ってな。
支配人
- 目下行われている聖杯戦争を中断してサーヴァントをこんなところで働かせようと一念発起したくらいだ。相当のハプニングに見舞われたのだろう。
支配人
- 我がマスターを案じてくれてかたじけない。
ではお教えしよう。
マスターはマスターだが、マスターという身分になっても今まで通りの生活を送らなければならない。つまり労働に身をやつして食いぶちを稼がなければならない。
オルトリア
- わたしは思うんだが、マスターになったのだからそれ相応の待遇を国を挙げて受けさせてやるべきではないか。
しかもこの騎士王のマスターになったのだぞ!
オルトリア
- 1等級の待遇を受けて然るべきだ!!
オルトリア
- お前は聖杯から現代知識を与えられていないのか・・・
まあ、たしかにマスターになったからといって経済状況が変わるわけではないからな。
支配人
- それで、お前のマスターは一体いかなる災厄に襲われたのだ?
支配人
- 貯金が、底をついた。
オルトリア
- なに?
支配人
- 具体的に言うと、250万近くの貯金が3日ですっからかんになっちゃったのだ。
オルトリア
- 何故?
そういえば、この聖杯戦争が始まったのが3日前だったな。なんだ、貴様のマスターは聖杯戦争に際して魔術礼装でも買い込んだのか。
支配人
- だが、250万で買える代物だと聖杯戦争では全く意味を成さないだろう。
マスターが知らぬとしても、サーヴァントのお前が知らぬはずはあるまい。
支配人
- 食糧だ。
オルトリア
- は?
支配人
- だから、食糧、だ!
オルトリア
- だから、は?
支配人
- わたしの食欲が旺盛にもほどがあってマスターを聖剣で脅しクレジットカードを奪取して貯金をおろし、腹ごしらえ(暴飲暴食)、しかし食欲は収まらず再び貯金をおろして再び腹ごしらえ(暴飲暴食)、気がついたら貯金がゼロになっていた。
オルトリア
- それでもわたしはクレジットカードを入れ続けた。そうこうしてるうちにこの国の治安部隊に囲まれ、マスターも呼ばれて長時間におよぶ説教を食らった。あれに比べればアグラヴェインの諫言など子守唄だ。
オルトリア
- で、さしものマスターも激昂して令呪を使って、わたしは今ここにいるというわけだ。
オルトリア
- マスターの命令はどんなものだった?
支配人
- 1週間以内にお前が浪費したぶんの金を稼いでこい。
令呪2画も使われてしまった。
それはそうとあなたは今しがた助力しようと言ってくれたな。
ああ、ありがたい。
じゃあ早速で悪いが、今すぐ250万円をわたしに譲ってください。ありがとうございます!
オルトリア
- 今夜、お前には6人から指名が入っている。
初出勤でこれはまことに天晴れというべきだ。
支配人
- え?
オルトリア
- 私もお前のマスターに協力しよう。一週間以内で250万円お前に稼がせてやろう。
その様子を見るにお前はこの仕事の内容を把握できていないようだな。
では教えてやろう。
支配人
- ごにょごにょ・・・
支配人
- な、なんだと・・・
オルトリア
- (念でマスターに話しかける)
オルトリア
- おーい、マスター!
いや我が主!
いや我らが至高たる唯一絶対神よ!!
オルトリア
- わたしが悪かった!悪かったです!
悪かったからどうかお助けを!!慈悲を!!
オルトリア
- 第三の令呪をもって命ずる。
自害禁止、まあ頑張ってこいや。
オルトリア
- ふむ。
支配人
- ぐぬぬぬぬ・・・
オルトリア
- さて。
支配人
- ああ!!腹が減ってきた!!
オルトリア