ヒプノシスサイト
『ヒプノシスマイク×魔法少女サイト』カツカレー理論を証明するために初投稿です。
- 某日━━
山田一郎
- 兄ちゃん!情報屋のダチから、例の情報掴んできたよ!
山田二郎
- 一兄、例のサイトについて情報を入手しました!これが資料です。
山田三郎
- おお!でかしたぞ、二郎、三郎!
山田一郎
- しっかしお前ら、ラップだけじゃなくて萬屋の仕事まで上達してきたんじゃねーか?
山田一郎
- へへ…やっぱり低脳の二郎じゃあ、一兄のサポートは勤まりませんからね。僕もしっかりしないと。
山田三郎
- テメェ三郎!!またそんなことを言ってやがるのか!?少しは兄のことを敬えって何度言ったら分かるんだ!?
山田二郎
- ハッ!敬うべきは一兄!いちいち低脳のことを尊敬する義理はないな!
山田三郎
- お前ら、いい加減にしろ!
ったく、後はこの兄弟喧嘩さえどうにかなりゃあな…
山田一郎
- ……しかし、どうも解せないですよね、今回の仕事。
山田三郎
- あ?兄ちゃんのやることに文句でもあんのかよ!?
山田二郎
- そうじゃないよ低脳。
山田三郎
- んだとコラ!!
山田二郎
- 僕が言いたいのは、今回の仕事、どうにもオカルトじみてるって事さ。
山田三郎
- ……そうだな。
『魔法少女サイト』。不幸な人間にのみ入ることが出来るサイト……。
山田一郎
- 確か、魔法のステッキ…とかなんとかが貰えるんだっけ?
山田二郎
- その通りだ。
俺たちの今回の依頼は、『魔法少女サイト』について調べること。管理人…とまではいかないが、せめて手懸かりになるようなものさえあればいいらしい。
山田一郎
- ……ただ、やっぱり都市伝説みたいな話が多くて、情報を精査するのは大変でした。
山田三郎
- こっちも。
それに精査したとしても、確かな手懸かりになるかどうか…
山田二郎
- フッ、んなこたぁねぇよ。お前らが体張って手にいれた情報だろ?だったら、相応の価値があるはずさ。
山田一郎
- 兄ちゃん…
山田二郎
- 一兄…
山田三郎
- それに、仕事はまだまだ始まったばかりだ。
さ、続きといこうぜ。俺はこの辺を探ってみるから、二郎と三郎はここを頼む。
山田一郎
- 分かったよ、兄ちゃん!
山田二郎
- 任せてください、一兄!
山田三郎
- よっし、じゃあまた落ち合おう!
山田一郎
- ━━━━━━━━━━━━
山田一郎
- ……で、なんで付いてくるんだよ?
山田二郎
- 仕方ないだろ?行き先が同じなんだから。僕としても不本意さ、もうちょっと離れて歩けよ…。
山田三郎
- テメェが勝手に離れりゃいいだろ!?
山田二郎
- …ん?
山田三郎
- …………
朝霧要
- (………!?)
山田三郎
- (な、なんだろう…この嫌な感じ…見た目普通の人なのに…)
山田三郎
- (まるで、背中に氷でも入れられたような、そんな気分だ…)
山田三郎
- …?どうした三郎?
山田二郎
- はっ!?い、いや何でもない!!
山田三郎
- そうかよ……
山田二郎
- クソッ!二郎に心配されるなんて一生の不覚だっ!しかもこんな街中で……!!
山田三郎
- 何が不覚だこの野郎!だいたいお前はなぁ!?
山田二郎
- うっさいんだよ!そもそもお前は……!!
山田三郎
- ………
朝霧要
- (…………何なんだ何なんだ何なんだ何なんだ。あの餓鬼ども……)
朝霧要
- (煩い虫どもが、なんで僕がこんな奴等と同じ地面同じ空気を共有しなきゃならないんだ…?)
朝霧要
- (クソッ、まあいい。今日は家に帰ったら、また彩を可愛がってやる…)
朝霧要
- (……まだ、あの嫌な感じは取れない……)
山田三郎
- なんなんだ、アイツ……?
山田三郎
- おい、聞いてんのか三郎!!無視すんなおい!!
山田二郎
- ━━━━━━━━━━━━
山田一郎
- ……さて、色々聞き込みはしてみたが、大して情報は変わらず、か…
なんだって依頼人はこんな情報を欲しがるのか…
山田一郎
- まあいいさ、クライアントへの深入りはしない。常識だろ……ん?あれは……
山田一郎
- クゥーン…クゥーン…
朝霧彩
- …………
朝霧彩
- (捨て犬と……。アイツは、犬に餌やってんのか。
アイツ、三郎と同い年くらいか?)
山田一郎
- ……ごめんね、こんなことしか出来なくて……。
私の家、ペットが飼えないから……
朝霧彩
- 独りぼっちは、淋しいよね…
本当に、ごめんね…
朝霧彩
- ………。
山田一郎
- なあお前。そいつ、ずっとそこにいんのか?
山田一郎
- えっ…?あなたは…
朝霧彩
- その犬。
俺んとこで引き取ってもいいか?
山田一郎
- ━━━━━━━━━━━━
山田一郎
- ……本当に引き取って貰えるんですか?
朝霧彩
- ああ。あのままにしておく訳にもいかねぇだろ?胸糞悪いしよ?
山田一郎
- ……あのっ……!ありがとうございますっ!
朝霧彩
- 別に礼まで言われるこたぁ…
山田一郎
- でも…私、この子の気持ちよく分かるから…
朝霧彩
- 私も、こんなにおどおどしてて…直さなきゃって思うんだけど…
朝霧彩
- 友達も最近出来たばっかりで、ずっと一緒にいられるかも不安で……
朝霧彩
- ………。
山田一郎
- …あっ、すみません、私のことは興味ないですよね…。
朝霧彩
- ……なあ。もしかしてお前、なにかデカイ悩み持ってんじゃないのか?
山田一郎
- えっ……?
朝霧彩
- 悩んでない奴が、そんな悲しい目をしてるわけねーだろ。そういうのは、ほっとけねぇな?
山田一郎
- ……あ、あなたは……。
朝霧彩
- っと悪い!余計なお世話だったか?下の弟が同じくらいなもんだから、ついな。
山田一郎
- ……いえ、ありがとうございます。でも……
朝霧彩
- んー…そうだな。
これ、お前にやるよ。
山田一郎
- ……えっ、これ……
名刺……?山田……一郎さん。
朝霧彩
- これでも、イケブクロディビジョンで萬屋やっててな。もし何か困ったことがあったら、その住所に来い。
山田一郎
- どんなデカイ壁も、クソみてーな野郎も、一緒にぶっ飛ばしてやっからよ。
山田一郎
- ………。
朝霧彩
- それに、お前にはダチがいるんだろ?そいつも信頼しろ。
大丈夫だ、お前みたいな優しい奴なら、きっと一生モンのダチになれるぜ?
山田一郎
- 一生ものの……。
朝霧彩
- (奴村さん…)
朝霧彩
- っと、またお節介だったか?時間も時間だし、そろそろ行くわ。じゃあな!
山田一郎
- ………。あっあの!
朝霧彩
- なんだ?
山田一郎
- ありがとうございます…!
なんか、とても勇気が湧いてきました…!
朝霧彩
- そいつぁよかった。
お前の強さなら、どんな天井だって壊せるだろうな!
山田一郎
- ………頑張ります!
朝霧彩
- ━━━━━━━━━━━━
山田一郎
- …なるほど、そんな経緯でこの犬を拾ってきたんですか。
山田三郎
- へへっ、なかなか可愛いなこいつ!名前はもう決まってるの?
山田二郎
- ああ、今決めた。
よく覚えとけよ?コイツの名前は……
山田一郎
- (……ゴクッ)
山田二郎
- (……ゴクッ)
山田三郎
- …………………。
四郎だ!!!
山田一郎
- …………さ…………
山田二郎
- …………さ…………
山田三郎
- さすが兄ちゃん!!!
山田二郎
- さすがです一兄!!!
山田三郎