ノートから始まる恋
- キーンコーンカーンコーン
キーンコーンカーンコーン
- 休み時間を知らせる鐘が鳴った
- ふぅ…休み時間か…
鈴木亨奈
- ゆきな〜!
ノート見せてくれない?
藤井絆星
- 私も〜
あの先生、早口過ぎて聞き取れないんだよね〜
竹田姫華
- バカ2人より俺が先だろ〜
藤原響貴
- 響貴くん酷い〜
藤井絆星
- (またか…)
鈴木亨奈
- 私は心の中でそう思った…
私はいわゆる真面目ちゃんだからいっつもギャル系女子や、話を聞いていないバカ男子が沢山寄ってくる
- (あとすこしでテストだから貸したくないなぁ…)
鈴木亨奈
- 明日には返すから〜
藤井絆星
- 俺らに協力してくれ〜
藤原響貴
- っていうか〜
ノート貸したって何も減るわけじゃないんだからさ〜
竹田姫華
- (どうしよう…)
鈴木亨奈
- あっ、あの…これ……
鈴木亨奈
- おい…
小林快晴
- その時、私の言葉を誰かが遮った…
- お前ら少しは亨奈の事考えたことあるか?
小林快晴
- 私は思わぬ助け船にに驚いた…
- (この子の名前なんだっけ…)
鈴木亨奈
- え〜でも快晴だって困ってるんじゃないの〜?
藤井絆星
- そうだよな〜
正直コイツの迷惑とかどうでもいいし〜
藤原響貴
- まじそれな〜
竹田姫華
- そういうのマジでうざ…
藤井絆星
- あのっ…今日中に返してくれるのならっ!
鈴木亨奈
- 私は面倒ごとに巻き込まれると嫌なのでサッとノートを渡した
- ほら〜
別に嫌がってなんかないじゃん
藤井絆星
- お前らなぁ…
小林快晴
- 呆れ顔をしながらも彼は男女の輪に加わった
- じ、じゃあ私はこれでっ!
鈴木亨奈
- 私はいそいそと席を立ち、次の授業の用意をした
- キーンコーンカーンコーン
キーンコーンカーンコーン
- そして、すべての授業が終わった
- ふぅ…
鈴木亨奈
- 掃除用具入れのロッカーからほモップを出していた時、絆星がノートを返しに来た
- あっノートありがとね〜
藤井絆星
- また次もよろしくね〜
藤井絆星
- …と可愛く言い、去っていった
- 次も…かぁ…
鈴木亨奈
- 私は聞こえないような小さな声でボソリと言った
- 亨奈、お前先週も掃除してなかったか?
小林快晴
- 竹田さんたちが急用があるから…って
鈴木亨奈
- そんなの嘘に決まってんだろ?
俺、今日あいつらにゲーセン誘われたんだけど
小林快晴
- え…
鈴木亨奈
- 私はしばらく絶句した…
どうしても外せない用事だからって言われたから…
- お前さぁ…嫌なことは嫌っていえばいいじゃねぇかよ
小林快晴
- そ、そんな事言われても私は快晴さんとは違うもん…
鈴木亨奈
- 違う?
小林快晴
- 容姿が良くて口もうまい人に私の気持ちなんてわかるわけないじゃん!…と思った
- 小林さんもゲームセンター行きたかったんじゃないの?掃除当番はまだ2人いるから行ってくれば?
鈴木亨奈
- は?俺はサボらねぇよ
小林快晴
- 口争いになりそうになった時、ほかの掃除当番の人に怒られてしまった
- 亨奈、放課後暇だろ?
俺に付き合え
小林快晴
- 『なんでよっ!』と言おうとしたが、再び掃除当番の人に睨まれ、渋々掃除を続けた