ひとり劇場

瀬田薫誕生日かおちさ

燐子
薫の部屋
千聖
……
……………
千聖
……………
おや、雨だ。千聖、傘は持ってきたのかい?
千聖
そうね……
千聖?
千聖
あっ、ごめんなさい。少し夢中になってて聞いていなかったわ
ふふっ、シェイクスピアもそれだけ読み込まれたら光栄だろうね。傘は持ってきたのかいと聞いたのさ
千聖
あなたがそれを言うの?私はまだちっとも暗記できていないわ
読むということは暗記したかどうかじゃない。どれだけ夢中になれるかということさ
千聖
どうだか……
それで、傘は持ってきたのかい?
千聖
ああ、雨が降ってるのね。残念ながら持ってきていないわ
おや、それは災難だ。……そうだ!僭越ながら麗しき姫をお送りする光栄に預からせてもらっても?
千聖
お生憎様、狼にむざむざ食べられようとする程世の中に悲観してはいないわ
それは残念だ。なら明日傘を返しに来てもらってもいいかな?今家には一本しか傘がなくてね
千聖
いいわよ。元々この続きを読みに来ようと思っていたから
そうだったのかい。なら今夜泊まりで読んでいってもいいんだよ。君の美しさに隣で愛を囁いてしまうかもしれないが
千聖