【オリジナル】とある少女の悲劇的な終わり
二人の少女、猫町 詩亜(ねこまち しあ)と、兎咲 羽紗(とさき うさ)のとあるお話。
- とある日の朝
兎咲 羽紗
- …ふぁあ。
兎咲 羽紗
- あ、うさちゃん!
猫町 詩亜
- お、しあじゃん。
兎咲 羽紗
- 偶然だねぇ。
兎咲 羽紗
- そだねー!
猫町 詩亜
- (………)
兎咲 羽紗
- ねね、学校遅刻するよ?
猫町 詩亜
- あ、そだね…
兎咲 羽紗
- 早く!
猫町 詩亜
- ま、待ってよ!?
兎咲 羽紗
- …えへへ…♪
猫町 詩亜
- …?
兎咲 羽紗
- しあ、何かあった?
兎咲 羽紗
- ううん!何でもないよ!
猫町 詩亜
- そ、そう…?
兎咲 羽紗
- 放課後、学校内掲示板前
猫町 詩亜
- …♪
猫町 詩亜
- なんか楽しそうだね?
兎咲 羽紗
- 私、ここ覗くの好きなんだー!
猫町 詩亜
- …へー…
兎咲 羽紗
- ん…?これは?
兎咲 羽紗
- あれ?うさちゃん知らないの?
猫町 詩亜
- この学校の編集局長が、趣味で作ってる新聞、「へびさん新聞」。
猫町 詩亜
- ……なんかマヌケな名前だね。
兎咲 羽紗
- 局長の名前がね、にょろにょろーの蛇に、山脈の山でじゃやまって読むんだよね。
猫町 詩亜
- それをちょっと読み方を変えて親しみやすくしたみたいだよ?
猫町 詩亜
- (…親しみやすい…のかな?)
兎咲 羽紗
- この新聞の記事って面白いんだよねー!
猫町 詩亜
- ふーん…どれどれ
兎咲 羽紗
- ……
兎咲 羽紗
- 「女子注意!!ストーカー出現!?」
兎咲 羽紗
- ………
兎咲 羽紗
- 「犯行内容としては、女子更衣室から体操着を盗み出す・被害者をストーキングする、など。」
兎咲 羽紗
- 「また、ストーカーにあった被害者曰く、犯人は女子の制服の上にパーカーを着用しているそうだ。」
兎咲 羽紗
- 「ただし、犯人が着ていたというパーカーの色は証言が違い、」
兎咲 羽紗
- 「この学校の殆どの女子生徒はパーカーを着用しているため、犯人の目星などは付いていない。」
兎咲 羽紗
- (そうなんだ……私もその容疑者候補の一人だね。)
兎咲 羽紗
- (…というか、最近うちの学校パーカー謎に流行ってるしなぁ。最近寒いし。ほぼ全員容疑者だよねー)
兎咲 羽紗
- ……あっ。
猫町 詩亜
- ん?どしたのしあ?
兎咲 羽紗
- …………
猫町 詩亜
- しーあ?どしたの?
兎咲 羽紗
- …私…
猫町 詩亜
- このストーカーの事知ってる……
猫町 詩亜
- えっ!?
兎咲 羽紗
- …私、追いかけられたことあるよ。
猫町 詩亜
- あれは…女子生徒なんかじゃない…
猫町 詩亜
- 女子生徒のふりした男子なんだよ……
猫町 詩亜
- そ、それならしあちゃん!先生に相談した方がいいよ…!!
兎咲 羽紗
- …ダメ。
猫町 詩亜
- 私が捕まえないと………
猫町 詩亜
- あ、危ないよ!?
兎咲 羽紗
- せ、先生とか、警察とかに任せた方が…!
兎咲 羽紗
- …そうする訳にはいかないんだよ。
猫町 詩亜
- 大人は…私たち子供のことなんか信じてなんかくれない。
猫町 詩亜
- ………そうでしょ?
猫町 詩亜
- …そうかもしれないけど……でも、こんな時くらい信じても…
兎咲 羽紗
- ……言いきれる?信じていいって。
猫町 詩亜
- ニュースでよく見るでしょ?隠蔽を繰り返す…大人達。
猫町 詩亜
- 本当にそんな大人達のこと、信じていいの?
猫町 詩亜
- それに…
猫町 詩亜
- それに…?
兎咲 羽紗
- ううん。やっぱり…何でもないよ。
猫町 詩亜
- とにかく、私たちがどうにかしなきゃいけないんだよ!
猫町 詩亜
- …しあ…
兎咲 羽紗
- 詩亜、どうしてそんなに頑なに大人を信じようとしないの?
兎咲 羽紗
- うさ…
猫町 詩亜
- 私はね、永遠に大人を信じてはいけないって教わったからだよ。羽紗。
猫町 詩亜
- 平和だった羽紗には分からないでしょ!!!
猫町 詩亜
- えっ、あぅうわぁ!?
兎咲 羽紗
- あっ…_
猫町 詩亜
- 保健室
兎咲 羽紗
- __さ、うさ!!
猫町 詩亜
- ん…、し……あ?
兎咲 羽紗
- …何が…あったの?
兎咲 羽紗
- ごめんね…
猫町 詩亜
- 思わず、背中の階段の方に突き飛ばしちゃって…それで、うさは…打ちどころが悪かったのか…いや、ある意味良かったのかな。
猫町 詩亜
- 気を、失っちゃってて…
猫町 詩亜
- …そっか。
兎咲 羽紗
- ごめんね。嫌なこと…触れちゃったでしょ?
兎咲 羽紗
- う、ううん!…話してなかった私も私だから。
猫町 詩亜
- …しあ、やっぱりしあはすごいよ。
兎咲 羽紗
- え…?
猫町 詩亜
- 自分の弱さを突かれても、
兎咲 羽紗
- 人に優しくできるんだから…
兎咲 羽紗
- …
猫町 詩亜
- ありがとう!
猫町 詩亜
- えへへ…♪
猫町 詩亜
- うふふ…
兎咲 羽紗
- あ、もう暗くなりかけてる!早く帰ろ!
兎咲 羽紗
- うん!じゃね!
猫町 詩亜
- じゃーね!
兎咲 羽紗
- (ここで別れる。…)
兎咲 羽紗
- (詩亜の家はもうとっくに過ぎてる)
兎咲 羽紗
- (どうして、家の近くまで来てくれるんだろう?)
兎咲 羽紗
- ……
猫町 詩亜
- えへへ、うさちゃん……うさちゃん可愛いよぉ…絶対誰にも渡さないから…
猫町 詩亜
- うさちゃん…
猫町 詩亜
- 羽紗ちゃん羽紗ちゃん羽紗ちゃん羽紗ちゃん羽紗ちゃん羽紗ちゃん羽紗ちゃん羽紗ちゃん羽紗ちゃん羽紗ちゃん羽紗ちゃん羽紗ちゃん羽紗ちゃん羽紗ちゃん羽紗ちゃん
猫町 詩亜
- また明日、【偶然に】会おうね。
猫町 詩亜
- (…嫌な予感がする)
兎咲 羽紗
- (なんだろ…この名状しがたい…ぐるぐるとした感情は)
兎咲 羽紗
- (…悪意、の様なものなのか?)
兎咲 羽紗
- (……分からない)
兎咲 羽紗
- ……あ…
兎咲 羽紗
- 熱っぽい…
兎咲 羽紗
- やっぱり…38℃ある…
兎咲 羽紗
- 明日熱下がらなかったら学校休もう…
兎咲 羽紗
- 翌朝
兎咲 羽紗
- やっぱりだめだったか…あ、詩亜にLimeしよ…
兎咲 羽紗
- 『ごめんねしあ、学校休む』…っと
兎咲 羽紗
- その次の日
兎咲 羽紗
- うーさー!
猫町 詩亜
- んぁ…あぁ、詩亜。
兎咲 羽紗
- どうしたの?
兎咲 羽紗
- もー、心配したんだよ!
猫町 詩亜
- 熱出すとか聞いてないよー!
猫町 詩亜
- ………
兎咲 羽紗
- (悪い予感、まさかここで当たっちゃうとは。)
兎咲 羽紗
- ねぇ、しあ。
兎咲 羽紗
- 私さ…
兎咲 羽紗
- 『学校休む』とは言ったけどね、
兎咲 羽紗
- 『熱を出した』なんて言ってないんだよね。
兎咲 羽紗
- …え?
猫町 詩亜
- 証拠だってあるよ。
兎咲 羽紗
- ほら、これ。このトーク。既読ついてる。
兎咲 羽紗
- しかも、返信まで…
兎咲 羽紗
- …ストーカーって、詩亜だったんだね。
兎咲 羽紗
- …
猫町 詩亜
- うちね、監視カメラ付いてるの。都合よくね。
兎咲 羽紗
- 詩亜、バッチリ写ってたよ。
兎咲 羽紗
- ……
猫町 詩亜
- ごめんね…羽紗…
猫町 詩亜
- 私ね…
猫町 詩亜
- 羽紗を見てないとどうにかなりそうで…
猫町 詩亜
- わざわざ犯人の撹乱までして……
兎咲 羽紗
- …………
猫町 詩亜
- それでも、羽紗と一緒にいたくて……
猫町 詩亜
- 何がなんでも、羽紗と居たいの!
猫町 詩亜
- ねぇ!!
猫町 詩亜
- 永遠に一緒にいてよ!
猫町 詩亜
- え?ちょっと…まっ___
兎咲 羽紗
- ???
兎咲 羽紗
- えへへっ。
猫町 詩亜
- んー!んんんー!
兎咲 羽紗
- あぁ、安心して。
猫町 詩亜
- ここは私が山奥に作った小さいプレハブ。
猫町 詩亜
- 誰も来ない、二人だけの愛の巣なんだよ♡
猫町 詩亜
- …!!
兎咲 羽紗
- えへへー、ずーっと一緒だからね、羽紗ちゃん♡♡
猫町 詩亜
- ん……!
兎咲 羽紗
- (逃げなきゃ……逃げ、なきゃ………!!)
兎咲 羽紗
- …なに?どこ行くの?
猫町 詩亜
- …!!
兎咲 羽紗
- もー、だめだよ。
猫町 詩亜
- 逃げられないようにしなくちゃ……
猫町 詩亜
- ……!!ん、んんんんんんっ!!
兎咲 羽紗
- (包丁…だよね…!?)
兎咲 羽紗
- そりゃっ!
猫町 詩亜
- んんんんんんん!!!
兎咲 羽紗
- (いたい…いたい…!)
兎咲 羽紗
- (さ、され…たんだ…)
兎咲 羽紗
- (意識が…もたな………)
兎咲 羽紗
- ………
兎咲 羽紗
- ……羽紗ちゃんも逝っちゃったかー。
猫町 詩亜
- 次の子、探さないとね。
猫町 詩亜