彼女達の始まりの物語
セイレムネタバレ入ってますので、気をつけて下さい😅
- これは彼女を救う物語である
タマモキャット
- アビ……ゲイル……
アビィィィゲイルゥゥゥ!!
ラウム
- ラウム―
いえ、カーターの首が千切れて…!!
マシュ
- ちいっ!
ロビン
- ……………っあ……!!
ラヴィニア
- これで…準備は整った
ラウム
- ラヴィニア!?
この…くそったれがぁ!!
立香
- ラヴィニア?
そう、タヒんでしまったのね…
アビゲイル
- アビゲイル!
駄目だ!そっちに行くな!
立香
- ザザッ!
立香
- ここまでが私が得た情報だ
カーター
- この映像を見た何者かよ
私はあの子を救いたい…
私の力ではどうしようも出来ないが、君たちはこの結末を覆せるかもしれない…
頼む!
カーター
- 許せねぇ… 幼女にこんなひでぇ事しやがるなんて…
確かにこれは変えなきゃならねぇ…!!
- 私は、あの子を救えるのであれば…
あれをころしてでも救って見せます!!
- 子ごろしなど、神が許しても私は許さない!!
- それぞれの思いを胸に秘め、3人が今セイレムの地へ降り立った!!
カーター
- 着いたぞ!
ここがセイレムだ
あんまいい話を聞かないから出来ればさっさと帰りたいとこなんだがなぁ
眼帯
- まあまあ、おかげで色々助かったじゃないですか
ま、すぐにでも帰りたいのは同感ですが
白旗
- 出航許可が出次第すぐに行くから乗り遅れるなよ!
錨番
- ここまでの乗せて頂き有難う御座いました
お礼はまた後ほど…
- 良いって事よ!
こちとら船員の命を救って貰ったしな!
眼帯
- ああ、あいつが助かったのもあんたの治療のお陰だよ
本当に感謝する
錨番
- それだけじゃねぇ
あの大嵐を切り抜けられたのもあんたらの指示あってのことだったからな
白旗
- あんたら素人じゃねーな
どこかで船を動かしてたのか?
眼帯
- あんま詳しいことは言えねーがこれでも船長だったんでな
- 私もとある船団の船員だったからな
ある程度はこなすことが出来る
- そうだったんだな!
そりゃ頼もしいわけだ!
帰りも何かあったら頼むぜ
眼帯
- ええ
では後ほど殺菌、消毒に窺わせて頂きます
- ~酒場にて~
- と言う感じでここまで何とか来たって訳だ
帰りはゆっくりしたいもんだ
眼帯
- そうだったんですね…
その方達は今どこに?
マシュ
- ここに用があるとは言っていたがどこに行ったかは分かんねぇな
白旗
- そうですか…
先輩は会いましたか?
マシュ
- いや、俺は会ってないよ
その3人気になるな…
よし、探してみるか!
立香
- そうですね
魔神柱の手掛かりが見つかるかもしれないですしね
マシュ
- しかし、噂は聞けども本人達の姿を見ることは無かった
マシュ
- 結局見つからなかったか…
集めた情報を整理してみようか
立香
- はい、まずはまるで天使のようだとも鬼のようだとも言われた方ですね
マシュ
- 怪我人の治療をしていたらしいけど、皆隠してたからあまり情報が集まらなかったね
立香
- 船乗りに 聞いた話
ナタク
- 最初は信じられなかった
だってよ、船に乗せてやってから最初に何をしたと思う?
眼帯
- 分からん
ナタク
- 酒を船板やら壁やらに撒いたと思ったら掃除を始めやがった!
眼帯
- 慌てて止めようとしたら…
眼帯
- まずは船内を消毒しなければ!
長旅になるならなおさらです!
- そう言って全員に掃除させやがった
反発するやつもいたんだが
眼帯
- ドゴッ! バンバンバンッ!!
- 時間が惜しいです
これからの航海で死にたくないのであれば早くしてください
- 相手の動きを止めた後ピストルで脅しやがった!!
まぁそのお陰か船員は言うことよく聞くし、病気になる奴もいなかったな
眼帯
- とのことだ
ナタク
- なぜだろう…
よく知ってる人な気がする
立香
- 私もです…
では次にフードを被った女性の話ですね
マシュ
- それは私から話そう
オケキャス
- ここに来て最初の戦闘を覚えているか?
オケキャス
- うん?
あの時に何かあったの?
立香
- 実はあの時戦った狼達はあの段階ではかなり討ち取られていたんだ
オケキャス
- そういえば後日調査へ向かった際、倒した数よりかなり多くの狼が倒れされていましたね…
マシュ
- だろ?
で、子ども達に聞いたところ、逃げてる最中にフードを被った弓を持った奴が
オケキャス
- ここは危険だ!
村の方角へ真っ直ぐに逃げろ!!
- と子ども達の逃走経路の指示をしていたそうだ
因みに声は女性のものだったそうだ
オケキャス
- なるほど…
この村で弓の名手は居たの?
立香
- いや、それなりに使える奴はいるそうだが、夜となると厳しいそうだ
第一この村の住人ならそもそもあの儀式を許しはしないだろう
オケキャス
- あっ…そうだね
これ以降の情報は?
立香
- 蘇った者達に襲われた際、どこからか飛んできた矢に助けられたと言う話は聞いたが…
やはりフードを被っていて弓の扱いが飛び抜けていると言う情報以外は手に入らなかった
オケキャス
- さすがにこれだけの情報だけじゃ、判断がつかないな…
最後の1人の情報は?
立香
- 最後の1人は私から話すわ
マタ・ハリ
- 子ども達に聞いた話によると、中年位のおじさんだったそうよ
マタ・ハリ
- そのおじさんは子ども達を人気の無いところに集めて海での話をたくさんしてくれたそうよ
マタ・ハリ
- 何故そんなところに…
ちょっと危ないおじさんじゃないか
立香
- この村の雰囲気じゃ、堂々と話せないんでしょ
それと、海での話しをするきっかけなんだけど、さっきも話しに上がった最初の戦闘の時に助けられた子どもがお礼をしたときに話しの流れで話したのがきっかけらしいわよ
マタ・ハリ
- えっ!?
その不審者も一緒に戦闘してたの?
立香
- そうらしいわ
あと、船員さんの話しの時に出た人も怪我した子ども達に包帯をまいてあげたりしていたらしいわ
マタ・ハリ
- じゃあその3人は最初からこの村にいたのか…
さっきの不審者の情報は?
立香
- ついこのあいだ探しに来た母親に見つかって光のごとく逃げ出して以来どこに行ったのか分からないそうよ
マタ・ハリ
- そうか…
1番接触出来そうだったんだけどなぁ…
今どこにいるんだろその不審者
立香
- しれっと不審者不審者ってひどいでござるぅ…
- ん?
何か言った?
立香
- いえ誰も…
しかし先輩、ここまで接触を図ることが出来ないのであれば諦めるしかないのではないでしょうか?
マシュ
- うーん
気になるとこではあるけど仕方ないか…
皆、それぞれ明日からは魔神柱の情報収集を頼む
立香
- そして時間は流れ、あの時を迎える……
立香
- アビ……ゲイル……
アビィィィゲイルゥゥゥ!!
ラウム
- ラウム―
いえ、カーターの首が千切れて…!!
マシュ
- 撃て! ロビン!!
立香
- ちいっ!
ロビン
- 遅い!
これで――準備は整う!!
ラウム
- そうはさせません
そう、例え命を奪ってでも!
- ガシィッ!!
ラウム
- なっ!?
ラウム
- なに!?
貴方は!!
立香
- ………(ググッ!!)
ナイチンゲール
- そいつをこっちに投げてくれ!
行くぜぇ、喰らいやがれ!!
- アパーッ!! バシッババシッババババシッ!!!
- お前は!!
立香
- そう!
誰が呼んだかその名も
◯紳士黒髭!!
エドワード・ティーチ!!
黒ひげ
- おのれ!
おのれおのれおのれぇぇ!!
何故貴様らのような奴がこの地に!!
まだだ!
まだ消えるわけにはいかぬぅぅ!!
ラウム
- ラウムが逃げて行きます!!
追撃を!!
マシュ
- その必要はねぇな…
後は頼んだぜ!!
けも耳姉さん!!
黒ひげ
- その名で呼ぶな!!
だが良いだろう、狩りの時だ!
獲物は逃さん!!
アタランテ
- “我が弓と矢を持って
アポロンとアルテミスの加護を願い奉らん”
アタランテ
- “この災厄を捧げる”
ポイポス・カタストロフェ!!
アタランテ
- ヒュンッ
ズガガガガガガガガッ!!
マシュ
- ガァァアァアァァ!!
バガナ"!! バガナ"ァァアッ!!
ラウム
- 魔神柱、ラウムの消滅を確認…
先輩! アビーさんは!?
マシュ
- あ、ああぁぁあぁあ!!
アビゲイル
- 落ち着いて!!
落ち着いて…アビー!!
もう良いの!
貴方が…全てを背負う必要は…無い!!
ラヴィニア
- ラ、ラヴィニア?
でも、でも、それでも私は…
アビゲイル
- アビー!!
もう、あのほうき星を…一緒に探して…くれないの!?
鯨を!一緒に見て…くれないの!?
ラヴィニア
- …………やよ……
嫌、嫌、 嫌よ!!
私は、ラヴィニアと一緒に、またほうき星を見たい!!
鯨を見に行きたい!!
アビゲイル
- 私は!
貴方と共に!生きたい!
アビゲイル
- なら、共に生きると良い
君はそうした生き方をしても良いんだよ?
アビゲイル
- えっ?
アビゲイル
- 遅くなってスマナイ
今楽にしてあげるよ
カーター
- ラウム!?
くそっいつの間に!
止めろぉぉ!!
立香
- あぁぁあぁああ!!
あ……
アビゲイル
- アビー!!
ッ…!!この野郎!!
立香
- 落ち着いて、団長さん!
これは…降臨されていらっしゃるけど…アビーと同調…しているみたい…
ラヴィニア
- アビーさんの霊気は確かに安定している様です…
これは…
マシュ
- 私は異形のものに取り憑かれやすい体質でね…
それを一時的にアビゲイルに付与して馴染ませて暴走を止めたんだよ
ショックで気を失ってしまったようだが
カーター
- そんなことが…
いえ!それよりも!
マシュ
- ああ、あんたは何もんだ?
ロビン
- 私か?
…ああ…そうだな…
語るべき持ち名は無いのだが…
チャンドラブ…
いや、時空を旅する紳士とでも…
カーター
- そんなことより!
アビーは大丈夫なのか!?
カーターさん!?
立香
- (まぁ、カーターで良いか)
ああ、もう暴走するような事は無いだろう
ほら、もうそろそろ目を覚ます頃だ
カーター
- う…私は…?
アビゲイル
- ああ…アビー…
よかった、よかったわ…
ラヴィニア
- ラヴィニア…
心配かけてごめんなさい
もう大丈夫よ
アビゲイル
- それと団長さん、皆さん、ご迷惑をおかけしてすみませんでした
アビゲイル
- それは良いのですが、バイタルに異常が無いか確認をさせて頂きます
拒否は許しません
ナイチンゲール
- え、ええ
お願いしますわ
アビゲイル
- うひょー!
アビーたん!ラヴィニアたん!2人とも無事でよかったでござるぅ!
拙者も異常が無いかペロペロして確認するで…グェッ!!
黒ひげ
- 本当に2人とも守れて良かった
無事ならばそれに勝る報酬は無い
アタランテ
- それはそれとして
黒髭、少しは自重しろ
アタランテ
- 仕方ないですなぁ
では後でその耳をペロペロ…
黒ひげ
- (無言で矢を構える)
アタランテ
- はい、申し訳御座いませんでしたぁ!
黒ひげ
- ところで、3人はどうしてここに?
立香
- そうですね
ナイチンゲールさんに至っては、まるでラウムが最初からラヴィニアさんを狙ってたことを知っていたかのような動きでしたし
マシュ
- ええ、知っていました
何故なら私達は…
ナイチンゲール
- 私が来てくれるように仕向けたのだよ
カーター
- 私はこことはまた違う次元から来たんだ
カーター
- 違う次元から!?
そんなのありか!?
カーターさんのいた次元ではどんな結末になってたの?
立香
- 私の次元ではラヴィニアはラウムにやられ、アビゲイルは完全に覚醒してしまっていた
カーター
- そこで君たちと激しく戦い、彼女の暴走を止めることは出来た
カーター
- その後、彼女は自分の力の使い方を学びながら私と共に旅をしている
カーター
- 私達は思ったんだ
ラヴィニアが生きている可能性の世界があってもいいじゃないかと
カーター
- 向こうではそんなことになっていたのか…
立香
- なので、もしも私達に出来ることがあるのであれば救いたいと思ったのです
ナイチンゲール
- 尊い幼女が消えると分かってて動かないのは紳士として見逃せなかったからなぁ
黒ひげ
- 私もだ
全てを救うなどと大それたことは言わないが、この手で救えるのであれば必ず救うと心に決めているからな
アタランテ
- 本当の話しでは…私はここに居なくなっていたのね…
じゃあ、この後私は…どうなってしまうのかしら…
ラヴィニア
- ラヴィニア…
アビゲイル
- そこでだ、このままこの世界にいてはどの道共に消滅してしまう…
君はどうしたい?
一つは記憶の一部を忘却し、望む世界で元の暮らしをするか
カーター
- もう一つはもうすぐ目覚める私とアビーと共にセイレムを発ち、見果てぬ時空、宇宙の深淵へと旅立つか、だ
カーター
- 私は…
ラヴィニア
- ラヴィニア!
一緒に行きましょう!
私は貴方がいるならどこへだって行けるわ!
だから……一緒に来て!
アビゲイル
- アビー…
うん、分かった
私は、アビーと一緒に行くわ
ラヴィニア
- ラヴィニアさん
アビーさんをよろしくお願いします
マシュ
- うおー!!
アビーたん!ラヴィニアたん!
達者で過ごすのでありますぞー!!
黒ひげ
- 本当にこの結末を迎えることが出来てよかった
2人で力を合わせて頑張るんだぞ!
アタランテ
- 俺からは…あー…特に言うことはないですかね
ま、2人とも元気でな
生きてりゃ嫌なこともあるだろうが2人なら大丈夫でしょ
ロビン
- あびー、らう゛ぃにあ
強く 生きる 良い?
ナタク
- 病気や怪我にはくれぐれも気を付けるように
もしもの時は時空を破壊してでも治療に向かいます
ナイチンゲール
- そんなことにならないといいけど…
うん!アビー達がピンチになったら必ず駆けつけるよ!
立香
- 団長さん、皆さん、私やラヴィニアを救ってくれて本当にありがとうございました
アビゲイル
- これで…アビーとまた一緒に生きていける…
感謝しているわ…
ラヴィニア
- さて、そろそろ向かおうか、セイレムももうそろそろ持たない
私の呼びかけに対し、全力を持ってラヴィニアを助けてくれてありがとう
この恩は忘れない
カーター
- 私もそろそろ元の次元に戻るとするよ
アビーが待っている
後は頼んだよ
カーター
- ああ、後は私が責任を持って彼女たちを連れて行こう
カーター
- うおっ!?
いつの間にかカーターさんが増えてる…
立香
- ドッペルゲンガーを見ているようですね…
マシュ
- アビーにも見せてあげたかったが、ここに居るアビーと出会ったとき、次元が歪んでしまうから連れて来ることが出来なかった…
カーター
- ………あっちのアビーにもよろしく伝えておいてよ
ここでは良い結末を迎えることが出来たって
立香
- 分かった
必ず伝えると約束しよう
…ではさらばだ
カーター
- シュン!!
カーター
- 行ってしまいましたね…
貴方ももう旅立たれるのですか?
マシュ
- ああ、君たちには魔神柱といい、ラヴィニアの事といい本当に世話になった
先ほどアビーがピンチになったら助けに来ると言っていたが、こちらこそカルデアが、いや、そちらの世界が危機にさらされた場合、助けに行かせて貰うよ
カーター
- 特異点はここが最後なのでもう世界が危機に陥ることはないと思われますが…
マシュ
- いや、それは違う
これからだ
これから次の災厄が始まるのだ
それをゆめゆめ忘れないことだ
カーター
- それは…
一体何故そう言い切れるのですか?
立香
- 知っているからだ
だが、詳しくは話すことは出来ない
何故なら…
カーター
- ゴゴゴゴゴゴゴゴ…
ビシッ!! バキッ!!
カーター
- 先輩!
セイレムがもう持ちません!
それに私達も転送が始まっています!
マシュ
- そういうことだ
残念だが…
最後に…
星を集めるのだ…
それが未来を切り開く鍵となる
カーター
- では、さらばだ
カーター
- 団長さん!皆さん!
さようなら!
あなたたちのことは絶対に忘れません!
アビゲイル
- ありがとう…
本当に…感謝しているわ…
あなたたちに出会えて…本当によかった
ラヴィニア
- ああ!
さよならだ!
2人とも頑張って生きて行くんだぞ!
立香
- 生きることは、決して絶望することではありません
未来を信じて、ただひたすらに進んでください!
マシュ
- はいっ!!
アビゲイル
- シュン!!
アビゲイル
- ~次元の狭間にて~
カーター
- …と言う結果になったよ
彼からもよろしくと、頼まれた
カーター
- そう、それは良かったわ…
アビゲイル
- どうしたんだい?
結果としては最高の結末だったと思うのだが…
カーター
- いえ…
ただこれは、今回行ったことは、ただの私のエゴだったんじゃないかって…
そう思えてならなくて…
アビゲイル
- なんだ、そんなことか
カーター
- …ッ!!
そんな事って!
簡単に言わないで!
結局、こんな事をしてもラヴィニアは帰って来ない!
意味は無かったのよ!
アビゲイル
- 良いかい、アビー…
エゴで良いんだよ
今回、君のエゴが無かったならラヴィニアが救われたという世界も存在しなかった
カーター
- それとも君は誰かの助けを求める手を振り払うのかい?
カーター
- それは…
アビゲイル
- だろう?
だから、そんなに難しく考えなくて良い
誰かが誰かを救うというのはそもそもがエゴのようなものなのだから
カーター
- それに、意味は無かったと君は言ったが、果たして本当にそうかな?
カーター
- …意味はないのではないかしら…
結局、こっちの世界の結末が変わる訳ではないのだから
アビゲイル
- そうだね
でも、そのことで救われた者は確かに居る
カーター
- まずは他でもない、
ラヴィニア・ウェイトリー
あちらの彼女はこれから先あちらのアビーと共に懸命に生きていくだろう
カーター
- そして、今回助けてくれたカルデアの人々
彼らとしては散りゆくはずであった命を救うことで、心から救われたと感じているはずだ
カーター
- そしてこの私
私も彼らと同じ位、彼女を救えて良かったと、救うことで私も救われたと思っている
カーター
- そして最後に…
アビー、君も救われたのではないかな?
恐らくカルデアの人々や私以上に
カーター
- ……っう…!
そう、そうなのかしら、私は、救われたと思って良いのかしら?
こちらのラヴィニアを助けられなかったのに
アビゲイル
- ああ、良いとも
きっと彼女も君が救われることを祈っているよ
カーター
- ……………………………っく
あぁ、あ"ぁぁあ"ぁァァァ!!
アビゲイル
- よしよし、存分に泣くと良い
アビーは我慢が強すぎるからね
今日位は思い切り泣くと良い
カーター
- 閑話休題
カーター
- アビー、人はね自由に生きて良いんだ
自由には責任が付きものだが、背負う覚悟さえあればそれは行って良いんだ
カーター
- 団長さん…立香君だってそうやって君を助けるために自分の我が儘を通しただろう?
カーター
- …ええ
団長さんは私以上に我が儘だったわ…クスッ
アビゲイル
- 私、決めました
今までのことにちゃんと向き合った上で、私がしたいこと、しなければならないことに全力を尽くします
アビゲイル
- 私がしっかりしないとラヴィニアに怒られちゃうもの
さぁ、おじ様、私が誰かのために闘いたいと思ったとき、その時に叶えるだけの力が出せるようになるために…私を導いてください
アビゲイル
- あの団長さんみたいになれるように…!
アビゲイル
- ああ、良いだろう!
しっかりとついてくるんだぞ!
カーター
- はい!
アビゲイル
- そして彼女の…彼女らの旅はこうして幕を開いたのであった
アビゲイル