黙示録
- 少女は「好き」を知りました
はるか
- 「好き」を与えてくれたのは
はるか
- 宇宙人でした
はるか
- 宇宙人は言いました
はるか
- 人間の体が気になる
はるか
- 少女は笑いました
はるか
- 宇宙人は笑いませんでした
はるか
- 宇宙人は「箱」に入ったままだったからです
はるか
- 「箱」は宇宙人に何も与えてくれません
はるか
- ただ大切な物を奪ってくばかりでした
はるか
- 宇宙人がいたのは、氷の世界だったのです
はるか
- 宇宙人の心は今にも凍りつきそうでした
はるか
- どうせ凍りつくなら、凍りつくギリギリまで
はるか
- 少女と宇宙人は「キス」をしました
はるか
- それでも氷は溶けませんでした
はるか
- 箱の中にいる限り「キス」を感じる事は出来ません
はるか
- 宇宙人は「キス」で何も感じませんでした
はるか
- 少女は言いました
はるか
- 貴方、運命に負けてるわ
はるか
- 宇宙人は言いました
はるか
- 逆らってもダメな物は受け入れるのが一番賢い
はるか
- 少女は言いました
はるか
- 世界は待ってくれないわ
はるか
- ほら、運命はもう来てる
はるか
- 今も
はるか
- 今も
はるか
- 今も
はるか
- 選んで
はるか
- 運命は貴方が選ぶの
はるか
- 「箱」は宇宙人を守ってはくれません
はるか
- 隣に少女がいるのに、宇宙人は一人ぼっちでした
はるか
- 宇宙人は運命を選びました
はるか
- それは事件でした
はるか
- 箱は簡単に壊れました
はるか
- 少女は言いました
はるか
- ねえ、どこへ行きたい?
はるか
- 宇宙人は生まれて始めて
はるか
- 「キス」で感じました
はるか
- ねえ
はるか
- 生きてるって事は、世界が有るって事は、それだけで事件なんだよ
はるか
- ほら
はるか
- 今も
はるか
- 今も
はるか
- 今も
はるか
- 今も
はるか
- 今も
はるか
- 今も
はるか
- どんどん時間は過ぎ去って行く
はるか
- 過去と言う記憶になっていく
はるか
- これは貴方の事件
はるか
- これは貴方の運命
はるか
- だから貴方が選ぶの
はるか
- ねえ、貴方はどこへ行きたい?
はるか
- どうなりたい?
はるか
- 「私は貴方の友達になりたい」
はるか
- 宇宙人は笑いました
はるか