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ひとり劇場

孤独な旅人

旅人
この国の人々には、「異端」なものを攻撃する傾向があった
旅人
彼らには個性、感情そのものがないように感じた
旅人
命令されたことを、何の疑問も持たずに、ただ繰り返すだけ
旅人
彼らは古びた列車に詰められるだけ詰められた
旅人
彼らは色あせた夢のかけらを拾うこともなく、お互いの体温に息苦しさを感じていた
旅人
しかし、列車は敷かれたレールの上を進む
旅人
止まることは許されない
旅人
目的地は…………
旅人
旅人
その列車の中に、彼らから見て「異端なもの」が迷い込んできた
旅人
彼らはその「怪物」の存在を許すことはなかった
旅人
感情のない人形たちは「怪物」を走り続ける列車から突き落とした
旅人
真夜中の冷たい線路の上に
旅人
「怪物」は彼らと仲良くなりたかった
旅人
だけど、「怪物」は、彼らとはほんの少しだけちがっていた
旅人
その微々たる差に、彼らはとてつもない恐怖を感じた
旅人
「歯車が狂う」
旅人
狂ったように脳内でその呪文を繰り返しながら、感情のない人形たちは怪物を排除した
旅人
旅人
孤独は深い
旅人
きっと、次の街でも……
旅人
異端な怪物は、片足を引きずりながら夜の闇の中へと消えていった

9  

投稿日時:2017-09-14 19:35
投稿者:旅人

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