水鏡兄さんから伝言です
- どうも
鏡夜
- 兄たち…もとい、
水鏡と妃鏡がお騒がせしてます
鏡夜
- なんかすいません
鏡夜
- 僕は水鏡兄さんから
伝言預かってきました
鏡夜
- 長文駄文お見逃しください
鏡夜
- では、ひとつめ
鏡夜
- 余命のこと。
鏡夜
- 兄たちは皮膚癌(メラノーマ)と
膵臓癌を患っていまして
まあ率直にいうと
鏡夜
- 成人はできないです
鏡夜
- 余命はもって3ヶ月
鏡夜
- クリスマスは無理です
残念です
鏡夜
- 言っておかなかったこと、
謝ってました
でも後悔も反省もしてないそうです
余命とか年齢とか外見とか、
そんなの気にせず自然に温かく接してほしかったと。
鏡夜
- ふたつめ、今の状況
鏡夜
- まあ死にそうなんですけどね
鏡夜
- 兄たちは精密な機器のある部屋にいるので、電子機器というか通信ができません
鏡夜
- ですが毎週日曜の検査のときは部屋から出てスマホがいじれるらしいので
そのときはよろしくお願いしますね
鏡夜
- これで終わりです
多分
鏡夜
- ここまで読んで下さった方
ありがとうございます
鏡夜
- 最後に、ほとんど関係ない
僕の話を綴ろうと思いますので
どうでもいいって人はもういいですよ
鏡夜
- 暇な人はお目汚し失礼しますね
鏡夜
- ……
鏡夜
- ほんと
鏡夜
- 勝手ですよね。
鏡夜
- 自己満足で、余命言わずに普通に過ごして
いざとなったらさようなら?
鏡夜
- 悔いはない?
嬉しかったですありがとう??
鏡夜
- まだ残された時間がたくさんあるのに
鏡夜
- あなたを待ってる人がいるのに
鏡夜
- 何考えてるのかな馬鹿兄貴
鏡夜
- …僕だって
鏡夜
- 特別でいたかった
鏡夜
- 水鏡兄さんのように
賢く堅実に生きていたかった
鏡夜
- 妃鏡兄さんのように
明るく溌剌と生きていたかった
鏡夜
- ふたりのように
鏡夜
- 僕は
鏡夜
- 自由に生きたい
鏡夜
- 神様に愛されたかった
鏡夜
- ねえ、兄さん達が早死にするのって
鏡夜
- 神様に愛されちゃったからですよね
鏡夜
- 白銀って言ったら綺麗だけど
あの真っ白な髪と、
燃えるようで静かな赤い目
鏡夜
- もともと目鼻立ちも整ってる
鏡夜
- あんな美しい人間……
神様が愛するのも無理ない
鏡夜
- 一番綺麗な時期に連れていくんでしょう
鏡夜
- 兄さん達はいつもずるい
鏡夜
- ずるい…
思い出だけ遺して死んでしまうのは
鏡夜
- 置いてかれた人の気持ちも考えてよ
鏡夜
- 寂しい
鏡夜
- そんな格好よく死なないで
鏡夜