おせっかいな近侍
4度目の投稿です!今回は長谷部と審神者の物語です。注:現代なのに近侍要素があります。近侍=執事みたいなものと思ってもらえればと思います。また、吹き出しが途中で消えるのはLINEでのやり取りと、直接のやり取りを区切るためです。ご了承ください…気軽に読んで頂けると嬉しいです♪
- LINEにて。
- 主、今日は何時頃に終わりそうですか?
へし切長谷部
- ごめん!長谷部…今日遅くなりそうなの💦
- ちょっとだけ残業しなきゃいけなくて…
- でも、そこまで遅くはならないと思う!
- そうですか。お勤めご苦労様です。
へし切長谷部
- 頑張るのもいいですが、無理しないように。
へし切長谷部
- あとはこのデータを入力すれば終わりだから、心配いらないよ💪
- そうですか。では、終わり次第連絡ください。
へし切長谷部
- わかった!じゃあ、また後でね👋
- 1時間後…
- ごめんね💦今終わったよ!これから帰るね!
- お疲れ様でした。
へし切長谷部
- 分かりました。辺りが大分暗くなってきたので気をつけてくださいね。
へし切長谷部
- 電車に乗る時また連絡ください。
へし切長谷部
- うん、わかった🙆
- 15分後…
- 電車乗ったよ!
- 道中何もありませんでしたか?!
へし切長谷部
- 変な輩に声をかけられたり……
へし切長谷部
- あ~笑
全然大丈夫だよ笑
- 長谷部心配しすぎ笑
- なら良かったです…。
へし切長谷部
- 当たり前でしょう主!!あなたという人は隙が多いんですから!
へし切長谷部
- 私そんなに隙多いかな?笑
- 多いですよ!!!
へし切長谷部
- そ、そうなんだ苦笑
- でもほんと大袈裟だって💦
- 私は全然大丈夫だよ👍✨
- 何分ですか
へし切長谷部
- へ??
- 電車の時間です。
へし切長谷部
- 何分発の電車に乗られましたか?
へし切長谷部
- えーっと…〇〇分発の電車、かな
- 〇〇分発ですね、了解しました。
へし切長谷部
- え?あ、うん…
- 花丸駅に着いたら何かおかずになりそうなもの買って帰るねー!💪
- 冷蔵庫の食べ物少なくなってたし
- 長谷部は今日何が食べたい??🍴
- リクエストある?
- あれ?既読つかない…
- 長谷部ー?いるー??😯
- とりあえず、花丸駅着いたらまた連絡するー
- 30分後…
- 次花丸駅だよー!!
- ついたよっ!!😄
- 買い物して帰るね!🙋
- 私は電車を降り携帯を見る。しかし長谷部からの返事は無く、未だに既読もついてはいなかった。
- さ: あれだけ心配しといて未読スルーだなんて…長谷部ったら、全くどこほっつき歩いてんだろ…
せっかく今日の晩御飯は、長谷部の好きなものを食べさせてあげようと思ってたのに!
- 私は少し不機嫌になりながら改札を抜ける。出口に差し掛かったその時だった。
- そんな顔をしていては、素敵なお顔が台無しですよ。
- 特徴的な真ん中分けの前髪、どこか余裕を感じる表情に、低く落ち着いたトーンの声。
間違いない、長谷部だった。
- さ :え?長谷部??なんでいるの?!
というか、既読すら付けないで何してたの!心配したのよ?!
それに、、今日の晩御飯何が食べたいか聞きたかったのに
- 長 :主のことが心配でしたので、迎えにまいりました。
- さ :迎えに、って…じゃああの後メッセージ読んでくれなかったのはもしかして…
- 長 :はい。あの後すぐに主の乗った電車の時刻から、花丸駅に着く時間を調べ、
こちらに向かっていました。
- さ : そうだったんだ。でも、歩きながらも携帯見ることくらいは出来たでしょ!!
- 長 : それが…この長谷部、主が心配だったあまりに、出る際に携帯を自宅に忘れてきてしまいまして…
あぁ、、何たる不覚…っ!
そのせいで連絡することが出来ませんでした。申し訳ございません。
- さ : そんなに心配してくれてたんだ。それなら仕方ないね…責めたりしてごめんね!
- 長 : なっ…!なぜ主が謝るのですか!悪いのはこの長谷部です!!ご心配お掛けしてすみませんでした。
- さ : ううん、長谷部は悪くないよ!長谷部は私のことをこんなに思って行動してくれたんだもん!
それなのに私はあんな言い方しちゃって…長谷部、、、ごめんなさい…うぅっ…
- 長 : 本当に大丈夫ですから……おやめください主っ!顔を上げてください。
- (私の両肩を長谷部が優しく抱える)
- さ : ……でもね、嬉しかったよ…バカみたいに心配してくれて…っ、家からここまで30分くらいの距離なのに迎えにまで来てくれて…っ。
しかも私のことに頭いっぱいで携帯忘れるとか…くすっ
…本当に長谷部って過保護だよね……
面倒くさいくらいおせっかいだし。
- 長 : は、、、はぁ………そうですか…
- さ : ……でも、それでも………っ
- 長 : 主……??
- (長谷部が不思議そうな顔をし、私をのぞき込む)
- 涙を拭い、私は顔を上げる。
- さ : 私ね、そんな長谷部が大好きだよ…。
おせっかいで過保護で、人一倍心配性で私のことを一番に考えてくれてる長谷部が好きなの!!
- 私は真っ直ぐ長谷部を見て言った。
- 長 : ?!あ、、、主…!!いきなりなにを言い出すのですか!!!💦💦
- いつも余裕げな表情の長谷部が顔を火照らせ戸惑っていた。
- さ : 本当のことなの!嘘じゃない!!今までちゃんと伝えられなかったから今日こそ伝えたい、、
長谷部が好き!!近侍としてじゃなく、1人の男性として長谷部が好きなの…っ
- 私は涙ながらも精一杯の笑顔で長谷部へ自分の気持ちを伝えた。
- 長 : 主……。お気持ち、大変嬉しいです。
なんと言いますか、衝撃でした。
俺はいつも主のためと、近侍として数々の世話を焼いてきました。
そうしていくうちに、主の本質に触れ、人柄に惹かれていきました。
ですが、主のことを思うあまりに必要以上に世話を焼きすぎてしまうこともありました。
俺はそのせいで、主に良くは思われていないと思っていました。
でも違ってたのですね……まさかそんなふうに思われていただなんて。
- 長谷部が優しく落ち着いた口調で、私に言った。
- 長 : 心から嬉しいです。ありがとうございます。こんなおせっかい過保護野郎で宜しければ、今後も、末永く主の傍にお仕えさせていただきます。
近侍として、、ではなく夫として、命をかけてあなたを護り抜きます。
- 自身の胸に手を当て長谷部が言う。
- さ : 長谷部…っ……
ありがとう、嬉しい……っ
…こんな私だけど、これからもよろしくねっ!
- 私は満面の笑みで言った。
- 長 : ふっ…そうですね。あなたは俺がいないと駄目なんですから。
- 長谷部がにやりと笑いながら言う。
- さ : な…っ なによ急に~~っ!!
- 長 : 全く、涙で顔がぼろぼろじゃありませんか…しょうがない人ですね…
- そう言うと長谷部が指で私の涙を拭った。
- さ : っ…!
- 長 : さぁ、家に帰りますよ。
- さ : え…でも晩御飯の買い物がまだ…長谷部が好きなもの食べさせてあげようと思って……
- 長 : でしたら、うどんがいいです。手作りの。
- さ : 手作り…?じゃあどっちにしても材料買わなきゃダメなんじゃ……
- 長 : その必要はありませんよ。
- さ : え?どういうこと??
- 長 : もう、出来てますから♪ 長谷部特製愛情たっぷり、栄養たっぷりの月見うどんです!
あなたが残業中の時から作っていました。
- さ : 長谷部~~!!…もう、ほんっとおせっかいなんだから……そこがいいんだけど
- 長 : この俺を見くびっていたようですね?
うどん作りなどお安い御用ですよ!
- さ : さすが私の自慢の近侍……いや、夫だなぁ♪ありがとう
- 長 : そろそろ帰らなくては食事の時間が遅くなって身体に毒ですよ!!さぁ、帰りますよ!
- (長谷部が私の手を取り歩き出す)
- 長 : おっと、ひとつ言い忘れていたことが。
- 長谷部が足を止めた。
- さ : ???
- 長谷部が私に向き直った。
- 長 : 残業お疲れ様。よく頑張りましたね、〇〇。あなたは俺の自慢の妻です。
- 長谷部が柔らかく微笑みながら、私の頭を優しく撫でた
- 長 : 我が家に帰りましょう。〇〇。
- 長谷部が手を差し出した。
- さ : うんっ!!
- 私はその手を取り歩き出した。
- ー 長谷部……おせっかいで過保護で心配性で、母親みたいにうるさい ー
- ……あーー!月見うどんなのに白い服で食べたらいけませんっ!!着替えてきてください!
- 明日は何時に終わりますか?ちゃんと定時で帰れますか?
- 遅かったらまた、迎えに行きますから。
- でも…
- 私の自慢の夫です。