ヤンデレすぎて性転換した。
機種変した夢魔です。久しぶりの投稿で表現力が落ちました。※途中からBLです
- 最初に言っておこう。僕は男が好きだ。僕は男だ。でも男が好きだ。
- ある日僕はとある女子生徒に告白された。僕はそれを当然のことながら断った。
- しかし、その女はそれ以降も何度も僕に告白をしてきた。おまけに毎日登下校時に僕の後を尾行してくる。そしてどこで知ったか知らないが僕にメールを送りつけてくるようになった。
- それから友達から聞いた話によると、その「ナナミ」という女は極度のヤンデレなのだとか。
- ねえ、トオル君。好きです。
ナナミ
- ごめん。ていうか、ついて来ないでくれるかな?
トオル
- 付いて行ってなんてない!トオル君が他の女子と話すから自然に体が動いたの!それにトオル君すごくいい匂いするから…
ナナミ
- ナナミさんはヤンデレなうえ◯のようだ。僕はさっきから鳥肌が止まらない。
- なんで駄目なんですか?私のどこが駄目なんですか。なんで?なんで?なんで!?
ナナミ
- はあ…
トオル
- 僕は男が好きなんだ。
トオル
- え?
ナナミ
- それって…トオル君は◯ってこと!?
ナナミ
- うるさい。内緒にしてるんだからあんまり大声で言うなよ。
トオル
- …。
ナナミ
- だから、君とは付き合えない。
トオル
- わかりました。
ナナミ
- 僕はナナミと別れ、1人で満足げな笑みを浮かべていた。これであの◯ヤンデレ女ともおさらばだ。そう思っていた。
- またある日、いつものように呑気にあくびなんかしながら学校への道を歩いていた。鳥が可愛らしく鳴いているのが聞こえて心地よかった。
- ふいに後ろから「おはよう」って聞こえたから反射的に振り返ったら、思わず間抜けに口を開けていた。
- …おはよう。
トオル
- その小柄な男の子は爽やかな笑顔で僕に挨拶をしてきた。サラサラな髪に端正な顔立ち、細身な体は抱きしめたらすぐに壊れてしまいそうだった。
- しかし…その可憐な男の子に少なからず心を揺るがされている僕がいた。
- 君は誰?
トオル
- 僕は、ナナミだよ。君にフラれ続けた。
ナナミ
- え?
トオル
- ナナミ…だって?
トオル
- トオル君が男が好きって言ったから、男になったんだ。
ナナミ
- 最初は半信半疑だったが、言われてみれば彼女いや彼が小柄でしかも以前と同様整った顔立ちをしているのにも納得がいく。
- …は?
トオル
- 馬鹿なの?
トオル
- トオル君が好きだから…。
ナナミ
- そんなに僕が好きなの?
トオル
- 好きだよ。トオル君の知的なところとか、笑顔が素敵なところとか綺麗な肌とかテストでは必ず平均以上とってるところとか、家では少しダラシないところとかお母さん思いなところとか…
ナナミ
- ちょっ
トオル
- あと携帯のロック画面が飼い猫の写真とかそもそもパスコードが自分の誕生日とか単純すぎて可愛いし、部屋に置いてある元カノの私物を未だに捨てられない人の良さに尊敬しちゃうし…
ナナミ
- いい加減にしろよ!てか普通に恥ずかしいから。
トオル
- 早く捨てなよ?あんな汚物置いておいたらトオル君まで腐っちゃう。
ナナミ
- …わかってるよ。いや、汚物は言い過ぎだけどさ。
トオル
- どうしようか、目の前の男の子がタイプだなんて僕は頭がどうかしている。複雑な気持ちだった。この前まで罵倒して告白を断ってきたというのに今になって彼を好きと言うのは虫が良すぎる。そんな自分を直視できない。
- で、どうですか?
ナナミ
- 僕と付き合ってくれませんか?
ナナミ
- ごめん。
トオル
- ここまでしてもらってすごく悪いんだけど…僕がこのまま君を好きになったら僕はとんだ甘ったれ男だ。
トオル
- いいんだよ。
ナナミ
- むしろトオル君にはもっと甘えてほしい。女の僕なんか気にしないで、僕だけを見てほしい。
ナナミ
- ナナミは僕の肩を力強く掴んで、僕のことを見つめた。僕はその端正な顔に目を離せなくなった。まるで吸い込まれそうな瞳で、脳内が痺れそうだった。
- …見たよ。これでいいだろ?
トオル
- なあ、好きなんだ。好きで好きでおかしくなりそうなんだ…もう体も心もおかしい。
ナナミ
- 確かにな。
- 僕もナナミが好きだよ。
トオル
- 本当?
ナナミ
- 僕のことを愛してくれる?
ナナミ
- うん。
トオル
- 君の一途なところに惹かれたみたい。
トオル
- ナナミは肩を掴んでいた手を離し、代わりに僕を抱き寄せた。僕は不覚にも自分より小柄な体に包まれて鼓動が早まるのを感じた。
- 大好き。
ナナミ