本者vs偽者(トド松編)
プロローグ、一松編閲覧後に読むことを勧めます。死ネタ注意。
- ホント、何処に言ったの兄さん達
トド松
- 何度も何度も歩き回ってるけど一向に兄さん達は見つからない
あれから皆バラバラになったから安否確認も出来ない
トド松
- ……十四松兄さん、大丈夫かな……
トド松
- 一番兄弟の事を考えていて、僕に癒しをくれた一つ年上の兄
トド松
- そもそも僕が十四松兄さんにベッタリになったのは僕の反抗期が原因だと思う
トド松
トド松
- 当時反抗期まっしぐらだった僕は末っ子という立場を使って色んな事に甘えていた。その事をカラ松兄さんは欠点を見付けては指摘していたのだ。何度も注意されてる内に僕の怒りも頂点に達してた
トド松
- そんなある日、僕は初めてカラ松兄さんに対抗した
トド松
- トド松、帰って来たのなら「ただいま」くらい言わないとダメだろう?
カラ松
- この時、特に虫の居所が悪かった僕は
トド松
- は?何で言わないといけないの?大体アンタ家主でも無いじゃん
トド松
- …………トド松、座れ
カラ松
- は?何で着替えたいんだけど
トド松
- 座れ
カラ松
- …………………何
トド松
- なんだ、その態度は
家主じゃないから挨拶を言わないのか?
カラ松
- どうでも良いじゃん、大体自分達が兄だからって押し付けないで、アンタも、もう一人のクズも!
トド松
- そこまで言ってから、しまったと思った
でも時は既に遅し
トド松
- ………トド松、調子に乗り過ぎたな
おそ松
- カラ松兄さんも当時は充分怖かった、けど、一番怖いのはそれの上のやつなのだから
焦ってた、マズイ事をしでかした
トド松
- なぁ、トド松?
お前が分かんねぇ事をカラ松がちゃんと噛み砕いて口移しでやってくれてんのに
何でお前は吐き出しちゃうんだ?
おそ松
- …………マズイ、非常にマズイ
トド松
- 末っ子だからって権力フル活用してさ、少しでもタメになるようにって考慮してたのに「クズ兄貴」呼ばわりはねぇ……
おそ松
- ……………………
トド松
- トド松
おそ松
- その時だ、僕の胸倉を掴みあげたのは
トド松
- 甘ったれんのもいい加減にしろよ
おそ松
- ッ………!!
トド松
- あの時のおそ松兄さんが怖くて、僕は逃げ出した
後で、十四松兄さんが迎えに来てくれた、後々聞くと、その時十四松兄さんは二人に
トド松
- 僕のたった一人の弟をいじめないで!!
十四松
- と言っていたらしい
それを聞いて無性に嬉しくなった、十四松兄さんは僕の味方をしてくれた
十四松兄さんだけが僕のことを分かってくれていた
トド松
- けれどあの時の反抗期はカラ松兄さん達だけでは無かった
現にカラ松兄さん達に対するストレスを一松兄さんにぶつけていたのだ
トド松
- 本人はもう覚えて無いだろうけど、あの時の事を僕は未だに謝っていない、あまり掘り返すのは僕の方が辛いからだ。
トド松
- ……やっぱり謝るべきだよね………
トド松
- その時だ、ふと黄色の服が目に入ったのは
トド松
- 十四松兄さん?
トド松
- ヒヒッ…やっぱり騙されたな、トドマツの偽者
イチマツ
- 一松兄さん?!
いや、一松兄さんの偽者…
トド松
- こんな早々と出て来てくれるとか…
手間が省けたわ……
俺の偽者と戦いたかったけど、カラマツが殺したらしいからね……
イチマツ
- ………え?
トド松
- 死んだ?一松兄さんが?
カラ松兄さんの偽者に?
トド松
- ………嘘だ、一松兄さんは簡単に死ぬような人じゃないもん
トド松
- ま、信じる信じないはお前の勝手だ…けど、事実しか俺は述べてねぇし?
イチマツ
- ……そんな………
トド松
- 次はお前だ、トドマツの偽者
イチマツ
- ………勝てる理由無い
ここで僕は死ぬ?
まだ僕は、一松兄さんにあの時の事謝っていないのに
トド松
- こんな所で……
トド松
- 死んでたまるもんか……!!
トド松
- へぇ、俺に勝てると思ってるのか、馬鹿にも程が有るよ……
イチマツ
- 絶対…偽者になんか負けない!!
トド松
- 途端、背中に鋭い痛みが貫いた
トド松
- …………え?
トド松
- ………馬鹿だな、俺が一人で来たと思ってたのか?
イチマツ
- あはは、トドマツの偽者始末は僕も参加させてよイチマツにーさん!!
ジュウシマツ
- ………あ……
トド松
- そんな……十四松兄さんの偽者も………
トド松
- ……ジュウシマツ、後は任せたわ、俺は少し野暮用思い出した
イチマツ
- リョーカイでっせ!!
ジュウシマツ
- ………十四松兄さん………
トド松
- 本者だったら良かったのにね!
残念だけどここで偽者は死んでもらいマッスル!!
ジュウシマツ
- ………………
トド松
- ………誰か……助けて……
トド松
十四松兄さん
トド松
ジュウシマツ
- ッ……!!
ジュウシマツ
- トド松!!逃げて!!
十四松
- じゅ、十四松兄さん…!!
一松兄さんが……
トド松
- 涙が止まらなかった
本当に助けに来てくれた……
トド松
- ………偽者が相手するの?
ジュウシマツ
- トド松、逃げて
十四松
- 嫌だよ、僕も十四松兄さんと戦う!!
トド松
- トド松
十四松
- ッ………
トド松
- 僕の名を呼ぶ十四松兄さんの雰囲気がただならぬものだった、恐らく相棒だった一松兄さんが殺された事で腹を立てているのだろうか…
トド松
- ……僕が出来る事はただ一つ
おそ松兄さんを探し出す事
おそ松兄さんなら偽者達に勝てると思う
トド松
- ……分かった、十四松兄さん……死なないでね
トド松
- 大丈夫!!
ハッスルハッスル!!
マッスルマッスル!!
十四松
- その場を僕は駆け出した
十四松兄さんを信じて
おそ松兄さんを探さないと
トド松
トド松
- どれ位走ったのだろう
気が付けば全く知らない場所に居た
トド松
- ……誰か、いる?
トド松
- この声は、カラ松兄さん…?
トド松
- そうか、十四松も死んだか
こっちは残りは四人だな
カラ松
- ………え?
トド松
- 十四松兄さんが?死んだ?
それに、残り四人って?
トド松
- まさか…カラ松兄さんは……
トド松
- それで?いつまで偽トドマツをほっとく気?クソ松
イチマツ
- ッ……!!
トド松
- ……ああ、トド松じゃないか、無事だったのか
カラ松
- ……カラ松兄さん、どういう事なの?もしかして、これ全部カラ松兄さんが……?!
トド松
- イチマツ
カラ松
- ………了解
イチマツ
- ッ……!!
トド松
- ごめんな、トド松……
まだ知られてはマズイんだ
大人しく死んでくれ
カラ松
- 一松兄さんの偽者が首を絞めてる…
そして指示したのはカラ松兄さん……
トド松
- ……何で?カラ松兄さん……
トド松
何……で………
トド松