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ひとり劇場

本者vs偽者(一松編)

これはプロローグの続編となります、プロローグを読んでから見るのを推奨します。現在の一松視点の内容となります。

一松
現在
一松







一松
はぁ……皆と全然合流出来ない……
一松
あの時、チョロ松兄さんが爆弾に気付いてなかったら確実にあの時僕達は死んでいた。
流石と言えば流石なのだが、見事に家は吹き飛んでしまった。
未だにおそ松兄さんの行方は分からないし……ホント、今日は厄日以外でも何て言えば良いんだよ……
一松
あれから未だに連絡が取れてない、皆無事だと良いけど……
一松
はぁ……ホント、偽者だのなんだのって意味分かんねぇ………
全然合流出来ないし、皆どこ………
一松
考えていたとて物事は進まない、自分が動くことも時には必要とか何かのテレビで言ってた気がする
一松
………とりあえず、手当たり次第に行くしか無いよな……
一松
歩き出そうとした瞬間
一松
…………………え?
一松
……………何で、足が動かないの………それにこの赤い液体は何?
一松
ッ……な、んで……?!
カラマツ
やっと見付けたぞ、俺の偽者では無いのが残念だが……
一松
ッ……!!
一松
まさか、待ち伏せされてたのか……?!
カラマツ
偽者のクセにここまで手間取らせるとはな、全く…
一松
………何が偽者だよ、偽者はお前らの方だろ…
カラマツ
ほう?
自分の立場を分かって言う言葉か?イチマツの偽者
一松
……………クソ松には変わんねぇだろ、返り討ちにしてやるよ……
カラマツ
返り討ち……か……
一松
……なんだろうこの違和感…
何でこんなに余裕があるんだ?何かを感じるけど…………
一松
…………ッ!!
一松
ふと気付いたら自分は何故か学校の教室に居た。
何処かで見覚えの有る気がする……
一松
『お前がクラスの足を引っ張ってるんだよ』
一松
『ホント、邪魔だっつーの、調子乗るなよ』
一松
『学校来るなよ、松野』
一松
……嗚呼、これは…
学生時代の僕の記憶だ…
良い成績を少し取れたってだけで周りに期待されて、少しでも成績を落とすと周りから悪口を言われた
一松
あの時の記憶は忘れられない、忘れることも絶対に無い、あの記憶は僕のトラウマなのだから。
あの時から、責任を負われるようなのは付くのを止めた、根暗で、ネガティブを演じて行こうと決めたんだ
一松
本来ならとっくに身投げしてもおかしくない程、僕は荒れていた、それでもここまで生きてこれたのは
カラ松
『一松』
一松
僕の名を一番に呼んで親身になってくれていたアイツのおかげかもしれない、あれ以来僕はアイツの事が気になって仕方無かった。
兄なのに危なっかしくて、でも喧嘩は強くて、
そんなアイツが僕は好きだった、なのにいつも本当の事が言えない、そうやってアイツをまた悲しませてしまうのだ
一松
……今なら言えるだろうか
いつも言う嘘とは別の本当の言葉が、今なら言えると思う
一松
ッ……!!
一松
不意に鋭い痛みが襲いかかってきた
よく見ると赤い液体が滴り落ちていた
カラマツ
……少し狙いが外れたか
一松
………その声で、その姿で話しかけるな、本当のアイツはこんな奴じゃないのだから
一松
ぁ……ッ…
一松
何度も何度も撃たれてその場に倒れた、もう足も動かない、目の前がぼやけてきた
一松
せめて、本当の言葉は言いたかったな……もう一度だけでもアイツのあの声が聞きたかった
一松
………カラ松……兄さ…
一松
おそらく誰も聞いた事が無いだろう、僕がアイツを「兄さん」呼ばわりするのは
一松
視界が真っ赤に染まり、そして僕の意識は途絶えた
カラマツ
……俺だ、イチマツの偽者を始末した
残りの偽者も見付け次第始末する
カラマツ
………悪く思うなよ…
カラ松

















カラ松
…………一松

9  

投稿日時:2017-04-09 15:10
投稿者:闇月@小説中毒者
閲覧数:11

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