殺人は死をもって償え
殺人は、完全な悪です。
- ある夜、ある田舎の中学校で殺人事件が起こりました。
渡辺 泰斗
- 生徒が、同級生を刺し殺したのです。しかし、どうしたって、その生徒を捕まえることはできませんでした。
渡辺 泰斗
- 全てはその日の夜、森の中での出来事でした。
渡辺 泰斗
- はぁ、はぁっ…。やばいっ…殺しちゃった…。うっ…どうしよう。謝っても許してもらえるわけ無いっ…。死刑かな、いや、懲役かなっ…。でも、刑務所なんてやだっ…。捕まりたくない…。
渡辺 泰斗
- 泰斗が頭を抱え込んでいるとき、泰斗の携帯に一通のLINEが届きました。
渡辺 泰斗
- 貴方は人を殺しましたか?
死村 栞奈
- なんだよっ…。ひっ…もしかして、警察…!?
渡辺 泰斗
- 貴方は人を殺しましたか?
死村 栞奈
- はいっ…殺しましたっ…
渡辺 泰斗
- 捕まりたくないですか?
死村 栞奈
- はいっ…
渡辺 泰斗
- 死にたくないですか?
死村 栞奈
- はいっ…怖いんです。死ぬのとか、捕まるのとかっ…。
渡辺 泰斗
- 何をいってるんですか?貴方は人を一人殺してるんでしょう?
死村 栞奈
- でも、それはっ…衝動的にやってしまったことで…どうすればいいでしょうか?
渡辺 泰斗
- 簡単な方法がひとつあります。
死村 栞奈
- 何ですか?
渡辺 泰斗
- あなたが死ねばいいんです。
死村 栞奈
- え?
渡辺 泰斗
- 警察のところになんか行かせられるか
死村 栞奈
- 甘いんだ日本の警察は
死村 栞奈
- 死刑でも、最後まで犯罪者の事を思いやって
死村 栞奈
- 思いやる必要もない同じ報いを受けるだけだ
死村 栞奈
- 人を一人でも殺したらそいつは狼にでも食わせればいい
死村 栞奈
- だが、どんなに犯罪者を殺しても、被害者は戻ってこない
死村 栞奈
- だから、犯罪者を殺すしかないんだよ
死村 栞奈
- 犯罪者が生きてたら、被害者の家族は毎日どうやって生きればいい
死村 栞奈
- だから、犯罪者は死をもって償え。
死村 栞奈
- もう一度聞く。
死村 栞奈
- 死にたいですか?
死村 栞奈
- はい。僕は、自ら命をたちます。すべては、彼の家族のため。僕は
渡辺 泰斗
- 死にます
渡辺 泰斗
- それから二日後、泰斗が遺体で見つかりました。
死村 栞奈
- 殺人は紛れもなく悪です。理由はなんだろうと、絶対に許してはなりません。
死村 栞奈
- 私は、そんな生き方をして楽しいのかと不思議に思います。
死村 栞奈
- せっかく親から授かった命です。いらない命などひとつもありません。
死村 栞奈
- 命は、失ったら二度と戻りません。
死村 栞奈
- 私は、殺人を許しません。
死村 栞奈