まだMariaで、リンクが来たばかりのとき。
プレゼントの流れはパロディ含んでます
- (諸用で中央庁に赴いたマリアからお土産。)
シオン
- 全く…。そのような浮かれた事をするために中央庁に行ったのでは――、
リンク
- ルベリエ長官最新のスイーツレシピ。
勿論、直筆サイン入り。
マリア
- (懐から本を取り出したマリアに、リンクの言葉が止まる。)
シオン
- お土産がルベリエ長官の本だなんて。
マリアも変わったことしますねえ…
アレン
- いんや、マリアがホクロ二つのツボを押さえてるだけさぁ?
ラビ
- (“ お互いの事知り尽くしてるんさね〜。”
ラビ選手、見事なオウンゴール。
マリアを好いている者としてはあまり考えたくない事柄であるというか、アレンに至っては完全に拗ねきっている。
二人はどんよりと頭を下げ、沈黙した。)
シオン
-
科学班。コーヒーを淹れるリナリー
シオン
- あっ!はい、マリアのはこっちよ。
リナリー
- (リナリーが笑顔で差し出したのは 細かい花柄をあしらった、シンプルながらにお洒落なデザインのティーカップとソーサー。)
シオン
- ありがとう。
ふむ…見慣れないデザインだな?
マリア
- あら? 監査官から聞いていないの?
リナリー
- (お盆を持ったままのリナリーがきょとんとした表情をするが、
思い当たる節がないらしいマリアは首を傾げる。)
シオン
- リンク?
マリア
- 今朝頼まれたのよ。
これからマリアの飲み物はコレに淹れてくれ、って。
リナリー
(※任務のためにコムイから呼ばれ、室長室に向かっているアレンとリンクが通りかかる。)
シオン
- いえ、誤って買ってしまったので。
どうぞお使いください。
リンク
- (どう見ても女物のそれに、周囲は自然と頬が緩くなる。)
シオン
- リンク………君、こんなに可愛らしい物を……
マリア
- (“好む性格だったとは。”
ああ、マリアもいじらしい監査官の気持ちに感動して……って、)
シオン
- え?
ハモリ
- (科学班のフロアに居合わせた全員と声が重なった。
当事者の、二人以外は。)
シオン
- ホーント鈍感さねぇ、マリアは!
ホクロ二つは、マリアのために選んで買って来たんさぁ〜
ラビ
- なっ、ジュニア!?
リンク
- (いつの間に入って来たのか、ラビが監査官の背後からひょっこりと顔を出した。)
シオン
- か、借りを返しただけですからっ!!
リンク
- えっと……私、君に何か貸したか?
マリア
- 長官直筆サイン入りスイーツレシピ新刊のです!
“ 私の親愛なる部下、ハワード・リンク監査官へ。マルコム・C・ルベリエ ”…。
アレを書かせたのは貴女ですね!?長官はお忙しい身なのだから、このような無茶を言うのは控えろと何度も…!!
リンク
- 気に入らなかったか?
マリア
- いや、感謝する。
リンク
- (全員がズッコケた。
いやいや、今の完全に説教する流れだっただろ。どんだけ長官好きなんだお前。
つーか、最後の方敬語外れてたぞ。)
シオン
- (案外 ただ頭が固いだけの犬公じゃねえかもな、なんて。
そう気付かされるのは、いつだってあいつ等ティーンズで騒いでる時。
何と言うか、若い奴らに括らず この二人の組み合わせは見ていて微笑ましい。)
シオン
- …ちんく?
そろそろコムイさんのトコに行かないと、
僕の左腕みたいにキミのホクロも改造されますよ?
アレン
- (まあ、背景に見える黒い笑顔を除けば、だが。
監査官は、“僕の左腕みたいにね!!”と頻りに叫ぶアレンに連れられ、大人しく室長室へと姿を消した。 )
シオン