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ひとり劇場

セカンドの裏からしばらく

大馬鹿弟子に嫉妬する馬鹿弟子

マリア
黙れ。早くしないと撫でるぞ
アレン
コワイ。殴るぞって言われるよりコワイ。
アレン
(僕は両手を構えて後退った。一瞬だけ、目をぼんやりと逸らす。
そういえば、“彼女”はよく僕を撫でてくれたっけ?ここぞって時に、僕が一番欲しい言葉をくれて。
そうして今まで、彼女の優しさに甘えて、寄り掛かっていた。
…振り向かないと分かっているベクトルばかりで、彼女の苦しみからは目を背けたまま。)
 
シオン
クロス
マリア
何だ、さっきから黙って
クロス
(昔はピーチクと五月蝿かった奴も、年が経てば落ち着くのか?
茶化すように先生が言った。
しかしそれを投げられたオレはというと、咥えた煙草を吸いもせずに黙ったまま。
向かう視線の先。顔は十分に見えているクセに、んんー?と態とらしい程に覗き込む仕草。)
マリア
なんだ、嫉妬か?
クロス
(先生が愉快そうに目と口を細めた。
……確かに、今のオレじゃあ、撫でられるなんてのはこないだのアレが限度だ。
修行時代も終ぞ甘えることなどなかったが、確かにあったその定距離に、バカ弟子や…他の奴等がすり替わってるんじゃあないかと思う度に。確かに心は荒んでいた。)
クロス
ああ、そうかもな
クロス
(先生が拍子抜けしたような顔をする。
ザマーミロ、オレだってアンタに仇なせる。

こんなにも、どうしようもないことで。)

 

投稿日時:2017-02-17 21:58
投稿者:夢椿
閲覧数:1

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