セカンドの裏
宿主の“Maria”はセカンド。どうして元帥を復活させようとしたのか?を詳しく
- セカンドの裏
シオン
- なんだ、知らなかったのか
リーバー
- (そうならそうと言ってくれよ、と愚痴を零すみたいに、ウェンハムは気まずそうに顔を顰めた。
知らないものをどうやって報告しろと言うのか。
全く、これだから頭の固い奴は困るんだ。数字と化学記号以外のお喋り相手が居ない。)
マリア
- 閉じられた回想
シオン
- そこでアイツは、当時セカンドのリスクだった……本体の甦生に目を付けたんだ。
幸い、アンタが死んだ直後には…まあ間に合わなかったのが皮肉だが、この俺が立ち合わせたからな。
奴が瞬時にその考えに至ったのはまるで奇跡だ。
…なんでこんなに時間が掛かったかって?“アンタ”が出来上がるのに必要だったんだ。“Maria”という器の完成。
そうだな、ああ。
ルベリエが求めていたのは、戦力じゃなくて、アンタ自身だよ。 先生。
クロス
- 聖なる魔女と少年だったもの
シオン
- ズゥ・メイ・チャンには?
マリア
- (目覚めた彼女の知り合いの中で、最も古い記憶に立つもの。)
シオン
- (確か、セカンドエクソシスト計画を発足したはずの魔道師。
発足後すぐに隠居してしまった気がするが、あの砂糖菓子は 今も懺悔しながら生きているのだろうか。)
マリア
- おや、お聞きになっていなかったのですか。
…話していませんよ。
親愛なる先生が、自らの携わる計画の贄となったなどと知れたら
ズゥ先生を傷付けてしまいますからね。
ルベリエ
- ……私は、お前のそういう優しい所好きだよ。
マリア
- 貴女がそう言うのなら、私も好きですよ
ルベリエ
- (過去の世界で見たこともないような表情。)
シオン
- (コイツの口角はもっと、鋭利なナイフと三日月を仲良くしたような上がり方をするものではなかったか。)
マリア
- (可愛くて不器用で、変に賢いマルコム少年は社交辞令すらなかったが。 )
マリア
- (マリア元帥は、今にも溜息をつきそうな 疲れた表情をした。)
シオン
- 馬鹿、皮肉だ。
お前は皮肉屋の癖に、いつも私の言葉に気付かない。
…まあ、そういう所も好きだがな。
マリア
- 貴女がそういうのなら、私も。
ルベリエ
- (限定的イエスマン!)
シオン
- (憎らしくて生意気でどうしようもなく可愛かった私のマルコムは、一体何処へ行ったのだ。)
マリア
- (少年の影が微笑む。
魔女は、今度こそ溜息をついた。)
シオン