マルコム少年
ズゥ老師みたいに面倒を見てたワケではないのですが、マルコム少年を彼女なりにかわいがっていた先生のおはなし
- マルコム少年
シオン
- ルベリエ?ルベリエ家って、あの実験の?
マリア
- (幾年にも及ぶ聖女の聖職。
彼女はいつも通り、酒を呷りながら気怠げに反応した。
…いつも通り、というところに問題があるのだが。)
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- それはそうですが…。同じ“ルベリエ”でも、
マルコム・C・ルベリエ長官殿の事を尋ねているのです。
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- ああ、マルコムか。居たな、そういえば。
へぇ…あのガキが長官ねえ。
マリア
- (元帥は何が面白いのか、意地の悪い笑みを浮かべた。
しかし、気になったのはそちらではなく。
彼女から飛び出た言葉に、思わず眉を顰める。)
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- ゴホン。失礼ですが、
私の前で長官を子供扱いするなど…
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- 何を。とんだ甘ったれの坊主だ。
マリア
- (元帥はあからさまに馬鹿にした態度で、威勢良く笑い飛ばす。
最近、この手の笑い方が増えてきた気がする。
――どうにもクロス・マリアンを彷彿とさせるのは、気のせいだと思いたい。)
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- まあ、目だけは猛禽類よろしくの鋭さだったがね。
マリア
- (そう鼻を鳴らした割には、似合わない表情をしていた。
もしかするとこの御仁は、“ただの青二才”などと宣っておきながら
長官の存在を認めているのかもしれない。そう思わせるのには、充分な瞳だった。)
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