レオニダス先生
レオニダスが星2なのは納得いきません。
- ふっ!ふっ!ふっ!
レオニダス
- ん?
牛若丸
- レオニ殿、一体何をなさっているのですか?
牛若丸
- これはこれは牛若丸殿。
レオニダス
- 見ての通り、トレーニングですぞ。
レオニダス
- それは分かるのですが、しかし、見たことのない鍛練の仕方なので……
牛若丸
- はい、それはそうですよ。
何せこのトレーニングは、私が先日編み出したまったくのオリジナルなのですから!
レオニダス
- でも、すごいですね、レオニ殿!
牛若丸
- 腹筋しながら、移動するなんて。
まるで芋虫のようで、面白くもあって素晴らしいと思います。
牛若丸
- そうでしょう?
このトレーニングは、腹筋と大殿筋、尻の筋肉のことですが、それら二つに同時に負荷をかけられる画期的なトレーニングなのです!
レオニダス
- その体勢でどれくらい移動するのですか?
牛若丸
- 二丈(六メートル)くらいですか?
いや、レオニ殿のことだから、それどころではないと思いますが……
牛若丸
- 私はこのトレーニングで、毎日カルデアを100周していますな。
レオニダス
- ええーっ!!
牛若丸
- それくらいが私にはちょうど良いのです。
このトレーニングを続けているおかげで、最近さらに私の筋肉にハリと硬さがついてきましたよ!ハッハッハッ!
いやあ、実にやりがいのあるトレーニングですぞ!ハッハッハッ!
レオニダス
- さすがレオニ殿、多勢に無勢の戦を凌いできただけはあります。わたし、同じ武人として敬服いたします!!
牛若丸
- それではレオニ殿、
わたしはこれにて失礼……
牛若丸
- 待たれよ、牛若丸殿。
レオニダス
- え?
牛若丸
- どうやらあなた、このトレーニングに興味がおありなようで??
レオニダス
- あ、いやそれは……
レオニ殿が考案したくらいなのですから鍛練としては素晴らしいのでしょうが……
カルデア100周など、わたしには到底無理です。
牛若丸
- いやいや牛若丸殿、まだ始めてもいないのに何故無理だと決めつけるのです?
何ごともやってみなくては分からぬでしょう。
レオニダス
- 実際にあなたは、このトレーニングに興味を抱いている。
レオニダス
- やってみたくてウズウズしている!!
レオニダス
- それは……
牛若丸
- それなのに、自分はレオニダスのようには出来るはずがないから、やはり止めておこうとお考えになるのは、失礼ですが笑止千万!!愚の骨頂でありますぞ!!
レオニダス
- いやそもそもからして、誰かと自分を比べることが大きな間違いだというのです!!
レオニダス
- いったい誰かと比較して何になるというのです?
憎しみや嫉妬、失望などといった負の感情を生むだけではありませんか?
レオニダス
- 他人は他人、自分は自分なのですぞ!
なにも私のように100周をしなくてもいいではありませんか?
あなたなりの100周をすればいいではありませんか?
レオニダス
- 違いますか?牛若丸殿!!
レオニダス
- ……レオニ殿。
牛若丸
- はい!そうですね、レオニ殿の言う通りです。わたしがどうかしていました!はい、そうです。自分の愚かさを痛いほどに感じます!!
牛若丸
- 何故なら、わたしは天才なのですから!
天才は他者のことなど気にも留めません!
天才は、常に己が道を邁進することにのみ意識を傾けるものなのですから!
ありがとうございます!レオニ殿!!
牛若丸
- いや、このレオニダス、当然のことを言ったまでです。
しかし、あなたが大事なことに気がついてくれて良かった。
レオニダス
- よし!それでは牛若丸殿、ともにトレーニングに励むとしましょう!!
レオニダス
- はいっ!!
精一杯、頑張ります!!
牛若丸
- うおおおおおおおおおおおおっ!!!
たぎってきたぞおおおおおおおおおおおおおおおお!!!
レオニダス
- はあああああああああっ!!!
牛若丸
- ……はあー、何でうちのカルデアには馬鹿しかいないのかしら。
マタ・ハリ