風が強い日ー
あの人の謎
- 風が強い日ー
ただの犬
- いやー、昨日はものすごい風でしたな
ただの犬
- 家にいてもゴォーゴォー音がしてたね
ミケ
- 台風よりすごい風で
ただの犬
- パネェかったですな
ミケ
- 私なんかひ弱なんで、飛ばされそうになりました
ただの犬
- ウソは良くないなぁ
ミケ
- 飛ばされるは大げさだけど、よろめきはしましたよ
ただの犬
- 表面積が広いからね
ミケ
- 風の抵抗をモロに受けて・・・
ただの犬
- ヨットの帆みたいに膨らんでましたな
ミケ
- 膨らんでるのは風のせいじゃなかったりして!
ただの犬
- ちゃんと体重測らなアカンよ
ミケ
- 現実からは逃避するタイプです
ただの犬
- それよりも、風で髪がシッチャカメッチャカに乱されて困りました
ただの犬
- あんた変に前髪長いものね
ミケ
- 前髪に遮られて周りが見えないんですよ
ただの犬
- ホント危ないわ
ただの犬
- いっそのこと坊主にしてしまえば?
ミケ
- 坊主っていうのは最後の手段なんですよね・・・
ただの犬
- 尼寺に入る時には坊主にするでしょう?
ただの犬
- それまで保留しとこかと
ただの犬
- そこまで考えてるんだ
ミケ
- はい
ただの犬
- なんか知らんけどこっちまで不安になるわ
ミケ
- 話を戻しまして。昨日みたいな強風の日は、大変な思いをする人達がいるんですよ〜
ただの犬
- クールポコみたいな口調やめなはれ
ミケ
- 例えば、トランプ大統領みたいな特殊な髪型をしてる人達のことです
ただの犬
- あれ、風でめくれたらどないなるんやろ
ミケ
- とんでもないことになりそうですね
ただの犬
- どっかの県のタクシー運転手さんも、あの手の髪型なんですよ
ただの犬
- あの人も有名やね
ミケ
- 後ろ髪をメッチャ伸ばして、それを前に持ってきて盛りに盛ってるんですよね
ただの犬
- キャバクラの姉ちゃん並みに盛り盛りですわ
ただの犬
- あの髪型をキープするのは至難の技やでー
ミケ
- トランプさんはそれをテレビ番組で否定しましたけどね
ただの犬
- 最初はバレバレなズラやと思われてたわな
ミケ
- 違うんですよ。盛り盛りの乗せ乗せのキャバ嬢ヘアーだったんですよ!
ただの犬
- そんな人がアメリカ大統領になったなんて・・・感慨深いよね
ミケ
- 逆に考えてみてください。もしトランプさんが坊主頭だったら、大統領になれてましたか??
ただの犬
- きっとダメだったと思うんですよ
ただの犬
- うーん、どうかなぁ
ミケ
- 確かにものスゴい印象に残る髪型だよね
ミケ
- でしょ?
ただの犬
- トランプさんはあの髪型のおかげで大統領になれた。これは揺るぎのない真実です
ただの犬
- そうかもしれんなー
ミケ
- で。私、実は国家機密級の情報を持ってまして・・・
ただの犬
- なんやのん?
ミケ
- それをここに書くとマジでヤバイかもしれませんが
ただの犬
- もったいぶらんと教えなはれ
ミケ
- イヌハブ級の秘密なんですよ。ここから小声になりますから、読み上げさんよろしく
ただの犬
- この声、読み上げさんっていうんや。知らんかった
ミケ
- (小さい声で)あの髪型が絶対に崩れない理由を私は知ってるんです
ただの犬
- えええっ!
ミケ
- なんであんたみたいなただの犬がそんなこと知っとるんや
ミケ
- だから、イヌハブ級だと前置きしたでしょう
ただの犬
- イヌハブだかネコハブだか知らんけど、はよ言いやー!
ミケ
- しっ!声がでかい
ただの犬
- おっと。小声、小声
ミケ
- 実はトランプ大統領は・・・
ただの犬
- ちょっと待って。それを知ったら私もCIAに狙われたりするのでは
ミケ
- その可能性は高いです
ただの犬
- 心して聞いてください
ただの犬
- うん(ゴクリ)
ミケ
- トランプ大統領は・・・
ただの犬
- トランプ大統領は・・・?
ミケ
- アメピンを使ってるんですよーーー!!
ただの犬
- アメリカ大統領なだけにっ!!!
ただの犬
- なんやの、それ
ミケ
- アメピンって知らないですか?
ただの犬
- 普通のヘアピンと違って、U字型をしたピンのことです
ただの犬
- それをトランプさんが使ってるって?
ミケ
- そうです!
ただの犬
- それを使えば強風の日もあの髪型は崩れない?
ミケ
- そうですよ!しかもトランプさんは金に物を言わせて、自分の髪と同じ金色のアメピンを作らせて、それで髪を盛り盛りにしてるんです
ただの犬
- これは間違いのない筋からの情報です
ただの犬
- あんた、ただアメリカ大統領とアメピンをかけただけなんやな?
ミケ
- スゴいですよね!アメリカ大統領って!!
ただの犬
- 話に乗った私が馬鹿でした
ミケ
- 馬鹿よ貴方は、ですね
ただの犬
- ああ、話が長くなって、風が吹くとズラ屋が儲かる話ができなかった
ただの犬
- それ、そのまんまや!
ミケ
- そう突っ込んでもらうとこまで考えてたのに!
ただの犬
- ざんねん!これであなたのまんだんは おわってしまった
ミケ
- 信じるか信じないかは貴方次第です
ただの犬
- ありがとうございました
ただの犬