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ひとり劇場

魚と少年 第3話

オリジナル短編『魚と少年』の続きです。次ぐらいで終わる……かも。

少年
きっと、ロクでもない記憶
だったから思い出せないんだ
自嘲めいた笑みを浮かべて、
少年はうつむいて言う。
わたしは少年の様子に、
何も言えなくなった。
それは、本当に忘れたい記憶だったのか?
少年
邪魔するなよ、サカナ!
少年は魚を睨みつけて言う。
楽しい、
失くしたくない、記憶は
本当になかったのか?
魚は落ち着いた声で、
諭すように話す。
わたし
………
わたし
わたし……
わたし
何かを忘れている気がする……
そうだ、
それを思い出すんだ
わたし
それを思い出すためには……
もう一度、
あの場所に戻らないといけない――。
……その言葉が聞きたかったんだ
そう言うなり、魚は
わたしの腹部に突進してきた。
わたし
な………
わたし
何を……?
痛みが身体中に
走って
炸裂した。

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投稿日時:2016-12-20 19:05
投稿者:魚住すくも

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