ひとり劇場

臆病マスターと寂しがり屋な女の子【01】

ゆかりさんが家に来る、そんな物語です。

臆病マスターと寂しがり屋な女の子【01】
これは臆病な嘘吐きと、
寂しがり屋な女の子の、
ちょっと不思議な物語。
(…1年前)
付き合ってください
マスター
(心の中)
(…え?)
私!本当は貴方の事が好きなんです!!!
マスター
ごめんちょっと話が急すぎてちょっと…
分かってます…自分勝手なのは充分承知です…
マスター
そもそも君って付き合ってる人がいるじゃないか…
あの人とはもう別れます!!!
もう…こっちはあの人といると狂いそうなんです!!!
(心の中)
(まぁ、確かにあれは彼氏とは言わないけど…)
だから…だから私と付き合ってください!
マスター
えっと…
(心の中)
(…彼女の気持ちを考えると今までとても辛かったのを、堪えて…堪えて…もう限界まで来てしまったんだろう…)
(心の中)
(それに、何度かその相談で「本当に好きな人を見つけるといい」とか言っちゃたし…それなら…)
(心の中)
(…俺に出来ることをしよう)
…もしかしてもう好きな人…いるんですか…?
声が震え、今にも泣きそうだった
(心の中)
(これが彼女にとって1番効果的だから)
それが彼女にとって救いになるなら。
(心の中)
(僕にしか出来ない事だから)
彼女を救いたいと思った。
マスター
僕で良ければ…お願いします
…ッ!!!
彼女は泣きながら崩れ落ちた
僕はただただ彼女の背中を撫でて
彼女が落ち着くまで傍にいた
(…現在)
マスター
はー…もうこれだから女子は嫌いなんだ
付き合っていた彼女はもう居なくなっていた
自然消滅という感じであっけなく終わった
1年の間に色々な事があった
そうしているうちに自分も好きになっていた
でもその気持ちは無かったように
全て消えた
マスター
恋なんてもうしないだろうな…
自分に言い聞かせる
(心の中)
(どうせ最後は居なくなる)
愛なんてものは無いと
マスター
…大学出たら何しよう
独り言を呟き、ただ何も無い未来に溜息をつく
(心の中)
(寝よう…明日になれば…)
自室に入り、ベッドに体を預け目を瞑る
(心の中)
(あれ…確か明日って何か予定があったような…)
(心の中)
(…まぁいいか)
睡魔が襲う…
……
…ふと目が覚めた
白い空間が目の前に広がっている
(心の中)
(…?夢…?)
白以外なにも無い。
どこまでも白が続いている。
(心の中)
(それにしては結構リアル…)
「…ー」
(心の中)
(誰か呼んでる…?)
「………ァー」
(心の中)
(返事でもしてみるか…)
「……タァー…」
マスター
「……!!!」
(心の中)
(あれ…声が出ない…)
「……スター…!」
(心の中)
(あぁ夢だから…)
「…マスター…!」
(心の中)
(もういいや…夢から覚めよう…声も煩くなったし)
もう1度目を閉じ、何秒か経ってから目を開ける
そこにはいつもの見慣れた天井があった
マスター
ふぁあ………??
伸びをしようと腕を伸ばす…しかし右腕が上がらない
(心の中)
(あー…えっと…なんでこんな重いんだ…?昨日何かしたっけ…)
暫しの間考えようと目を瞑ると右側から…
結月さん
「…スゥ…スゥ…」
女の子のような可愛い寝息が聞こえる
マスター
………えっと…?
開けた窓から風が入ってくる
朝の匂いと甘いシャンプーの香りが…
(心の中)
(いやこれは夢だ…夢だろ…ほら!さっさと目を開けて夢から覚なきゃ…!!!)
目を開ける…
そして恐る恐る右腕を見ると…
結月さん
「…ぅ…んぅ…すぅ…」
【彼女】が寝ていた。
マスター
え…
腕枕をしていた。
マスター
えっと…とりあえず……
こういう時は普段通りの生活をする
そうしたらいつもの生活に戻れる
マスター
………学校…行こう。うん。僕は何も見てない。
そんなうわ言を自分に言い聞かせながら【彼女】を起こさないよう腕を…
(心の中)
(なんなんだこれ…これって…あれだよね…
あの【結月ゆかり】だよね…
いやでもあんなの知らないぞ…?)
そんな事を考えつつ…僕は着替えを済ませ、身支度をして逃げるように自室を後にした。

3  

投稿日時:2016-09-21 01:43
投稿者:?
閲覧数:4

↑このページの先頭に戻る