ひとり劇場

FINAL FANTASY Ⅹ マカラーニャ湖

FF10の心理描写がしてみたかったので、自己満足で書いてみました。ティーダの一人称が俺になってるのは気になさらず笑

久保帯人(?)
FFX マカラーニャ湖
久保帯人(?)
シーモア老師に返答をするため、ユウナと一行はマカラーニャ寺院へと赴く。途中の雷平原で、ユウナは求婚に応じることを皆に告げた。ティーダは1人動揺を見せたが、他のガードは半ば平然とした様子だった。そんな仲間の態度に釈然としない物を感じたが、北を目指して旅を続ける。
久保帯人(?)
マカラーニャの森を抜けると、水流が複雑に反射し、まるで深緑に青碧の宝石を散り嵌めた様な幻想的な景色から一変、辺りは白銀に覆われ、いつまでも降り止みそうに無い雪が足音を掻き消す。
マカラーニャ寺院まであと僅か。
ユウナは、俯くように、降り積もった雪を歩いて自分の足跡を確かめる。
自分の決心を踏み締める為に。
心が揺れ無いように。

「ユウナ、本当に大丈夫か?」

俺は、尋ねた。ユウナの気持ちをもう一度ちゃんと聞いておきたかった。
他のガード(護衛)は、固く口を閉ざしたように、会話の一つもしようとしない。

「……うん」

ユウナは、少しだけ顔を上げると、真っ白な世界の遠くを見つめながら、表情を引き締めて覚悟の意思を見せる。

「……そう……か」

最初は、もう婚約の決心を固めてしまったのかと思った。
だけど、やっぱり俺には分かる——

ユウナはまた俯いて歩く。

きっとみんなだって分かってるのに——

——『ルールー、ユウナの結婚のこと、どう思った? ユウナがシーモアを好きかどうか、とかは?』——


——『人はいろんな理由で結婚するわ』

『覚悟があれば、感情はなんとかなるでしょ?』

『でも、ユウナが好きな相手と結婚したいって言い出したら…私は反対するわ』

俺は、ルールーの言った事を思い出していた。

『理由は、いつか分かる。 私はその理由を、言葉にしたく無い』——

ユウナは、自分の気持ちに正直になれないでいるって——
なんでそうまでしてあいつ "シーモア" を受け入れようとするのか、スピラの事を詳しく知らない俺には分からなかった。だけど、ユウナの心の奥底の気持ちだけは、分かる。
……分かった気がした。

降り注ぐ雪は、ますます勢いを増し、俺たちの足跡を残さない。
彼女の足跡を、一つ一つかき消していく。
まるで、迷いを断ち切ろうと懸命になっている彼女の心のように。

久保帯人(?)
重い空気と静寂に包まれた雪原を進んでいると、ふと遠くに人影が見えた。
久保帯人(?)
こちらにやってくる。
久保帯人(?)
「なぁ、誰かこっちに来てない?」

ティーダが怪訝そうに呟く。

「シーモアの使いの者だろう。 ふっ……随分と期待されてるようだな」

アーロンが答える。 あまりの用意周到さに、少し呆れを感じているようだった。

「ユウナ様、お迎えに参りました。 私めは、トワメルと申します。」

初老と見える執事らしき人物が、口上を述べる。

「こんなに早くお返事を頂けるとは、全くもって予想外の出来事。 先日は、何も告げずに留守にしたこと、シーモア様になり代わり……」

「それは、いいんです。 ……あの、ひとつ聞きたいことが……」

深々と頭を下げ、謝罪の意を示すトワメルを遮り、ユウナは口を開く。

「なんなりと」

「わたし、結婚しても旅を続けたいんです。 シーモア老師は、許してくださるでしょうか?」

「それはもう、シーモア様もそのつもりでいらっしゃいます」

トワメルの答えを聞くと、ユウナはおもむろに仲間たちに振り返る。

「行ってきます」

ただ一言、そう告げると、またトワメルの方へと姿勢を正す。

「さて……グアドのしきたりがありましてな、皆様はもう少しだけ、ここでお待ちください。 ほどなく迎えをよこしますゆえ」

「あの……」

心配そうに、またガードを振り返る。

「ガードはいつでも召喚士の味方だ。 好きなようにやってみろ」

「はい!」

アーロンに後押しされ、ユウナはトワメルと共にマカラーニャ寺院へと向かい出す。
久保帯人(?)
「悪かったな、お前のセリフだった」
久保帯人(?)
俺が言わなくても、ユウナは分かってるだろっつうの。
久保帯人(?)
「ユウナ‼︎」
久保帯人(?)
ティーダは、思いっきり指笛を鳴らして、ガッツポーズを取る。

あの時。
訳も分からずスピラに飛ばされて、この世界で『シン』と呼ばれるモノに、たくさんの命が奪われるのを目の当たりにして……そして、その『シン』が、オヤジだって告げられて。
どうにもできないムシャクシャした気持ちを抱えてたけど、ユウナがいてくれたから、俺はこうして旅を続けられたんだと思う。
だから、ユウナが困ったら、今度は俺が助ける。
たとえユウナがどこにいたって、指笛を吹いてくれたら、必ず助けに行く。
心の中で、そう約束したから。


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投稿日時:2016-08-23 06:22
投稿者:久保帯人(?)

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