もしもパルデア四天王がシェアハウスをしていたら。三十六話
とある日のパルデア地方ポケモンリーグ本部。たった一人で仕事を始めようとしていたアオキだったが、トップの部屋から妙な音がして……?
- リーグに迷子?
- ……
アオキ
- おはようございます。
アオキ
- まだ自分以外誰もいない、とても静かな
パルデア地方ポケモンリーグ本部。
- 時計の針は、午前7時。
- ……そろそろ皆さん来るでしょうか
アオキ
- 独り言を呟きながらパソコンを開いて、
いつものように仕事に移る、
- そう思っていたら……
- ガシャンッ!!
- ……!!
アオキ
- 何かが落ちたような音。
- ……妙ですね。
アオキ
- この感じ…トップの部屋でしょうか
アオキ
- トップが仕事をする部屋の前
- ……誰かいるのですか?
アオキ
- コンコン…とノックをする。
- いるのなら……返事をください。
アオキ
- ………
- ……仕方ありません…失礼しますね
アオキ
- 床に落ちた何かの破片を拾う。
- これは…マグカップ……?
先程の音の原因でしょうか……
アオキ
- それに…この音……
アオキ
- カタカタと音のするデスクの裏を覗くと…
- ……ゲェン…
ゲンガー
- ……おや……?
アオキ
- ゲンガーがいた。
- ━━━━━━━━━━━━━━━
- 一時間後……
- 午前8時
- ゲンガー?
チリ
- はい、7時頃、トップの部屋に……
アオキ
- へぇ…珍しいなぁ!
チリ
- そうですね、いつも迷子だとしても
ワッカネズミやパピモッチですし…
ハッサク
- ゲェン!ゲンッ!!
ゲンガー
- でもこのゲンガーさん、すっごく
人に慣れていますの……!
ポピー
- …トレーナーがいるのでしょうか
アオキ
- 離れ離れになってもうたんかなぁ…
チリ
- ゲン……
ゲンガー
- 口角を下げ、悲しげにゲンガーは呟く。
- 大丈夫ですの!ポピー達が必ず
トレーナーさんと再会させますの!
ポピー
- …!ゲェン!!
ゲンガー
- ポピーの一言で、ゲンガーは笑う。
- ふふ、ポピーの言う通りです!
迷子のゲンガーのトレーナーさん、探し出してみせますですよ〜!
ハッサク
- とりあえず、
トップに知らせなアカンよなぁ…?
チリ
- そうですね、トップが着き次第
ゲンガーについて伝えましょう。
アオキ
- ━━━━━━━━━━━━━━━
- ……迷子のゲンガー…ですか。
オモダカ
- はい、午前7時頃、部屋に隠れているのを発見。人に慣れてる様子からトレーナーがいるのは確定ではと…
アオキ
- 分かりました、こちらからも迷子のポケモンとして情報を発信します。
オモダカ
- ゲンガー…もしかしたら
ライムさんのとこのとちゃうか?
チリ
- そう思って先程連絡しましたが…
違うと言われました。
アオキ
- そして、アカデミーの歴史教諭、
レホールさんも違うと……
アオキ
- 他地方からの観光客などから…
なんてこともありそうですね。
オモダカ
- ゲンガーがおるって言うたら…
チリ
- カントー、ジョウト、ホウエン、シンオウ、イッシュ、カロス、アローラ、ガラル……
アオキ
- どこにでもおるなぁ……
チリ
- 観光客からとも言いましたが、
普通にパルデアのトレーナーの
可能性も捨てきれませんから……
オモダカ
- ……そうですね、
早く見つけてやりたいものです…
アオキ
- ゲェン……
ゲンガー
- 大丈夫やで〜、チリちゃん達が
頑張って見つけたるからなぁ!
チリ
- そうですよゲンガー。不安になる事など何もありません、私達にお任せを。
オモダカ
- 続く