5章「君の影追う香りの道筋」1
- アーテルの兄のバーにて
- お呼びたてしてすみません。私のおごりですので、好きなだけ食べてください
アーテル
- ありがとうネ!
力になれることは何でもするヨ!
ルピナス
- 僕はどうして呼ばれたの?
ディアスシア
- ディアスシアに聞きたいのは、毒魔法の研究者の所在だな。見当がつけば良いが
コルネイユ
- そういう……
ディアスシア
- カメリアから情報を預かっている。参考になるか分からんが一応見てくれ
コルネイユ
- やはりアレを見せるのですね?
アーテル
- これでも資料は資料だからな
コルネイユ
- カメリア作の似顔絵を見せた
- えっ これは……ぶふっ
ディアスシア
- どうしたネ?!
ルピナス
- ディアスシアとルピナス爆笑のため
仕切り直し後
- これ一応似てるんだよね?
ディアスシア
- 恐らくは。カメリアの記憶と画力のみが頼りでな
コルネイユ
- 魔法の研究家ってあんまり儲からないみたいだし、研究とは別に商売もやってる人かな。そっちで生活を安定させてるような……
ディアスシア
- 在野の研究者かな。名がある人なら、情報部が嗅ぎ回れば分かるだろうし
ディアスシア
- 時間を取れないと研究はできないから、企業じゃないとすれば、薬売りの魔法使いとかね。
ディアスシア
- ふむ。間者を走らせておくか………
コルネイユ
- 自分への用事、終わっちゃった?
ディアスシア
- はい。ですが、せっかく来てくれたので、一緒に食べてください
アーテル
- ありがとう。優しい……
ディアスシア
- ルピナスは、ピエリスの死んだ日の夜警の様子を話してください
アーテル
- あの日……
ルピナス
- 霧雨で、もやがかかってたのヨ。
視界が悪くて、刺客が何人いるかわからなかったみたい
ルピナス
- 雨であまりニオイの追跡ができなくて、細かいところまでわからなかったのヨ
ルピナス
- 男の人のにおいとー、あとは、いい匂いがしたネ
ルピナス
- どんな匂いだ?
コルネイユ
- お花の匂いっぽかったネ
ルピナス
- どの花の匂いだ?
コルネイユ
- 花なら出せるよ。
どんな匂いか思い出せるかも
ディアスシア
- 狙った花も出せるんですね
アーテル
- 知ってる花ならね
ディアスシア
- 無意識の時は、知らない花も出てきてるの?
ルピナス
- うん。見たことあるけど名前知らないのとか出てくる
ディアスシア
- ディアスシアは試しに1種類花を出してみる
- これはどう?
ディアスシア
- 違うネ
ルピナス
- 今度はバラを出しみた
- こっちは?
ディアスシア
- バラじゃないのヨ〜
ルピナス
- うーん、じゃあとこれとこれとこれ!
ディアスシア
- 全部違うネ!
ルピナス
- お花だらけになっちゃいました……
アーテル
- ……クシュンッ
コルネイユ
- あわわ……後で掃除します。お詫びの花束をプレゼントするので、よかったら飾ってください
ディアスシア
- 花束には小さい花もあると可愛いんだよね。例えばスズランとか
ディアスシア
- あっ!この匂いヨ!
ルピナス
- スズランの匂いでしたか。
良い香りです
アーテル
- こんな感じの香水ありますね
アーテル
- 香水つけてるなんてオシャレな暗殺者だなぁ
ディアスシア
- 暗殺を生業にしている者なら、香水などまかないと思うのだが……
コルネイユ
- ルピナスだから分かったんじゃない?
普通の人は分からないから、他の人からニオイの情報が出てこなかったんだと思う
ディアスシア
- きっとネ。
血のニオイの方が強かったもの
ルピナス
- スズランの香りのする方を探せば良いということでしょうか……?私には感知できないのが残念です
アーテル
- 俺の嗅覚も所詮は人間の範囲内だ。
ルピナスに頼るほかないだろう
コルネイユ
- 任せてくださいネ!
ルピナス
- 自分も連れて行ってほしいな。
ルピナスと一緒に調査するよ
ディアスシア
- うむ。2人で探し出してくれ。
ディアスシアには見当が付くのだろう?
コルネイユ
- うーん……確信があるわけじゃないけど、条件があいそうな薬師は何人か浮かぶよ
ディアスシア
- 見つけたら殺してこい
コルネイユ
- 殺しちゃうのネ
ルピナス
- わかった。相手は魔法使いだろうし、僕がいた方が魔法からルピナスを守れる
ディアスシア
- がんばろうね
ディアスシア
- うん!
ルピナス