ブラッドルビー
初投稿。始末屋のうちの子達のお話です。
- ブラッドルビー
- 始末屋の リア と 愛
標的を仕留め休憩するリアの元に
別の仕事を終えた愛がやってくる
- リアーーっ!!おっつかれ!!
蜜柑 愛
- うわっっ!?
リア
- これから片付け?大分派手にやったね〜
蜜柑 愛
- あと何吸ってんの?炭?
蜜柑 愛
- お前……大声やめろ……
リア
- あ、ごめーん
蜜柑 愛
- 吸ってない。これはただの煙だ
リア
- ただの煙は口から出ないのよ
蜜柑 愛
- ……焦げ臭い……こいつ食べたの
蜜柑 愛
- え、うん
リア
- そんな当たり前のように返事しないで……
人の肉って不味いんじゃないの?
蜜柑 愛
- 当たり外れがあるな
リア
- 外れの方が感覚多いから勧めないぞ
リア
- 勧められても食べないよ!!
蜜柑 愛
- 当たりは肩の辺りが一番うまい
リア
- だから食べないって!!!
蜜柑 愛
- そりゃ残念だ
リア
- さて……
作業を始めるとするか
リア
- 後処理?手伝うよ!
蜜柑 愛
- それもだが、その前に採取だ
リア
- ? 何を?
蜜柑 愛
- リアは死体を仰向けにし、腹を引き裂いた
- うっっわ、えぐ……
蜜柑 愛
- 普段あんな殺し方するやつが言えたことじゃねえだろ
リア
- どこからか袋を取り出し、死体の血をそれの中に入れていく。
- ……お前はブラッドルビーってのを知ってるか?
リア
- ううん、知らない
蜜柑 愛
- その名の通り、血のような深く濃い赤色をした宝石だ。
通常は活火山の深層に生成され、非常に採掘が難しい。
リア
- そこですぐに人工で作る方法が開発された。
リア
- ブラッドルビーは鉱石のくせに植物みたいに水分を吸う性質がある。
だから水に漬けとくと……ほら、こんなにでかくなるんだ。
リア
- 先程の袋とは別の袋から、少し赤色の混じった透明の美しい鉱石を取り出した。
- おお〜!!綺麗!!
蜜柑 愛
- これは無色の水に漬けた結果だ
じゃあ、これを赤い水……例えば、血でやったらどうなると思う?
リア
- え
蜜柑 愛
- 血の入った袋からゴトゴトと鉱石同士がぶつかる音がした。
- これで……本物の“ブラッド”ルビーの完成だ
リア
- その血溜まりから出てきた赤黒い宝石は、僅かな光を吸収して存在感を増し佇んだ。それが血液からできたという残酷な事実を忘れさせる程、美しく在った。
- 綺麗だろう?
他に何も見えなくなる程に
リア
- ……うん、綺麗。凄く綺麗
蜜柑 愛
- やはり、そうだよなぁ
こんな美しい物が作れるのに、何故人間は作ろうとしないのだろう
道徳?人権?下らない
エゴから始まる戦争は何なんだって話だよ、はははははっ
リア
- ……本当に、下らない
リア
- ねえ、これ一つ頂戴
蜜柑 愛
- いいぞ、一つ500万ファティな
リア
- 高っっ!!?
蜜柑 愛
- ふっ、冗談だよ。ほれ
リア
- わっちょっ、投げないでよ!!
蜜柑 愛
- 注意事項だ。
それは落としたりするのは構わないが、針を刺したり刃物で切ったりするのはダメだ。こんな風に、割れちまう
リア
- わあ血が!!!!
蜜柑 愛
- この破片が水に入ると形の悪ぃブラッドルビー大増殖が始まっちまうから気をつけろよー
リア
- 私は割らないから大丈夫だよ、多分
蜜柑 愛
- んじゃ、帰るわ。処理よろしく
リア
- えぇっっ何でっ!!??
蜜柑 愛
- 何でって、それ、金にしたら500万どころか億超える価値だからな?
リア
- は
蜜柑 愛
- てことでまたいつか〜
リア
- ……おく…………わあ…………
いっしょうあそんでくらせる……
蜜柑 愛