イカタコ戦争2
身内に見せる用です
- ~前回からしばらく後の話~
ネガロ
- 見つけたぞ、ブラッド!!
ネガロ
- 今日こそ決着をつけようか
ブラッド
- 激しい戦いを繰り広げる二人だが
ブラッドが被弾した瞬間に異変に気付く
モブ
- このインク、
ナワバリ用か……!?
ブラッド
- 前に会った時は
殺傷兵器だったのに!
ブラッド
- 今頃そんなオモチャを
持ち出してきて
どうするつもりだ!ネガロ!
ブラッド
- 俺は……!
ネガロ
- ──お前を止めに来た!
ネガロ
- 止めに来た?
ブラッド
- 笑わせるなよ!
復讐はどうしたんだ!?
ブラッド
- 俺は!お前にずっと
友達でいて欲しかったんだよ!!
ネガロ
- だから裏切られたと思った……
でも、お前を殺しても
何も変わらないって気付いたんだ
ネガロ
- 今更何を……ッ
ブラッド
- だからここでお前を止めて、
カラストンビ部隊に連れ帰る
ネガロ
- それが今の俺にできる
“友達”としての責務でもあり──
ネガロ
- ──俺の復讐だ!
ネガロ
- ──甘ったれた事を!
ブラッド
- “バンカラ街の一匹狼”が
随分と腑抜けたもんだな!
ブラッド
- おかげさまでなッ!
ネガロ
- 互いに激しい攻撃が飛び交い錯綜する
周りでは他のイカタコ達も戦っていた
モブ
- ……ハイカラもんのお前には
分からないだろうが
ネガロ
- 俺の周りはずっと
クズだらけだった
ネガロ
- 口を開けば
誰のせいで負けただの
どいつが役立たずだの
金だのギャンブルだの
そんな話ばかり……
ネガロ
- でも、お前たちは違った
ネガロ
- ──!
ブラッド
- 誰も責めたりしない
負けても暴れたりしない
ネガロ
- 勝ち負け関係なく
純粋にバトルを楽しむって事を
俺は……初めて知ったんだ
ネガロ
- なあブラッド。
お前は今、楽しいか?
ネガロ
- な、何を……
ブラッド
- 今のお前の動きには
迷いが見えるぜ!
ネガロ
- 気付けばブラッドの周りはすっかり
イエローインクで囲まれていた
モブ
- いつの間に!?
ブラッド
- 退路も全て塞いだ。
これでもう逃げ回れないぞ
ネガロ
- さあ、大人しく観念して
こっちに戻って来い!ブラッド!
ネガロ
- オレは……!
ブラッド
- その時、遠くで何かが強く光った
モブ
- 殺傷兵器スナイパーを構えた
オクトリングのスコープの反射光だ
モブ
- あれは……
ブラッド
- まずい!
ネガロ
- 身動きのとれないブラッドを
レーザーサイトが捉えた瞬間、
モブ
- ネガロがブラッドを突き飛ばして
代わりに撃ち抜かれた
モブ
- あっ!?
ブラッド
- ──ぐっ!!
ネガロ
- ど、どうして……!
ブラッド
- ブラッドは傷を負ったネガロを抱えて
すかさず物陰に身を隠した
モブ
- 当たり、前だろ……
ネガロ
- 友達……だからだよ……
ネガロ
- 友達……
ブラッド
- 違うんだ、オレはただ……
ブラッド
- 遠くから他の兵士の声が聞こえてくる
追っ手が近付いてきているようだ
モブ
- 早く逃げろ……見つかるぞ
ネガロ
- 今更オレ一人で
逃げろって言うのかよ!?
ブラッド
- お前も戦争派に見つかったら
タダじゃ済まないだろ!?
ブラッド
- ここで二人やられるより
よっぽどマシ……ぐっ
ネガロ
- もういい!
それ以上喋るな、傷が開く!
ブラッド
- ブラッドはそっと物陰から顔を出して
敵の人数を探った
……倒せない数ではなさそうだ
モブ
- オレは……
ブラッド
- オレはただ、弱かっただけだ
ブラッド
- 知ってたんだよ、ずっと……
負けても味方を責められるほど
自分が強くないことを
ブラッド
- だから負けても仕方ないって
自分に言い訳してたんだ
ブラッド
- ブラッド……
ネガロ
- 戦争が始まって……
“仕方なくない”理由ができてから
強くなれた気がした
ブラッド
- 強い自分で居られるなら
もう他の何も要らないって
全部捨てるつもりだったのに
ブラッド
- どうしてお前は……
諦めてくれないんだよ……
ブラッド
- ブラッドの目から大粒の涙が零れ
ネガロの手に落ちる
モブ
- 言っただろ、俺は……
絶対忘れないって
ネガロ
- こう見えて、
執念深い方でね……それに
ネガロ
- ……それに?
ブラッド
- ……お前は強いよ
ネガロ
- 血に濡れたネガロの手が
震えるブラッドの手を強く握った
モブ
- それとほぼ同時に、兵士の足音が
二人の隠れている近くで止まった
モブ
- 俺が保証する……だから
やっちまえ、4号!
ネガロ
- そこに隠れている者!
大人しく出てこい!
モブ
- 出てこないなら実力行使するぞ!
モブ
- …………、
ブラッド
- ブラッドは静かに物陰から歩いて出た
モブ
- インクはピンクからイエローに変わり
片手にはダイナモローラーを担いでいる
モブ
- 競技用のブキだと……?
キサマ何者だ!所属を言え!
モブ
- まさか和平派じゃないだろうな!
モブ
- そのまさかだよ。
さっきまでは違ったけど、今は
ブラッド
- NEW!カラストンビ部隊所属!
4号ブラッドだ!!
ブラッド
- なんだと!?
ぐわぁーーっ!
モブ
- い、一旦距離を……
ギャアーッ!
モブ
- (ネガロがオレを追い詰める為に
塗り広げていた陣地……)
ブラッド
- (これがあれば勝てる!
二人の力で勝つんだ!!)
ブラッド
モブ
- その後、ブラッドは敵兵を全員撃退し
駆けつけたアズキ達と合流した
モブ
- ネガロの傷も幸い急所は外れていたため
手当を受けて一命を取り留めた
モブ
- これでようやく
NEW!カラストンビ部隊
再結成だね!
アズキ
- ネガロさん!
もう一人で突っ走っちゃ
ダメですよ!
マリン
- とっても心配したんですから!
マリン
- 案の定ひどいことになってたねー
アズキ
- 悪かったって……イテテ
ネガロ
- あー死ぬかと思った
ネガロ
- それはこっちのセリフだよ!
あんなムチャするなんて!
ブラッド
- ブラッドも元はといえば
殺そうとしてたくせに……
アズキ
- なんだかんだでブラッドさんも
ネガロさんが心配だったんですね
マリン
- いや……それは……その
ブラッド
- オレ以外の奴にやられたら
決着つかないだろ
ブラッド
- へー意外と律儀なんですねぇー
お気楽なイカにしては。
ネガロ
- うるさい!
根に持つタコのくせに!
ブラッド
- ひそひそ……
(男の人の友情って
よくわかりませんね……)
マリン
- アホなんじゃない?
アズキ
- 聞こえてるぞ!
お前に言われたかないわ!
ネガロ
- あだだ……!
ネガロ
- ほら~大きな声出しちゃダメだよ
アズキ
- 誰のせいだと思って……!
ネガロ
- それからカラストンビ部隊の皆は
戦争を止める為に改めて協力し合い
果てしない奮闘へと挑むのでした
モブ
- ~めでたし?~
モブ
モブ
- ~おまけ~
モブ
- 【ブラッド(4号)】
ダイナモローラー使い(25歳)
万年A帯止まりの弱い自分がずっとコンプレックスだったが、本当は自信が無くて自分の本気から目を背けているだけだった。
実は強い。なぜなら4号なので。
ブラッド
- 【ネガロ(3号)】
エクスプロッシャー使い(27歳)
ウデマエS 級アルバイター
ブラッドに友達と言われた事を一生引きずっている元一匹狼。
味方に左右されやすい後衛ブキ使い兼アルバイターとして言うがブラッドを弱いと思った事はない。
体格良いし鍛えてるので割と頑丈。
ネガロ
- 【アズキ(司令)】
ダイナモローラーテスラ使い(22歳)
遅れて現場にやってきたリーダー。
大体そんな事になってるだろうなと思っていたしスナイパーの姿も見えていたので回り道して倒してきた。
アズキ
- 【マリン(8号)】
ヒーローシューターレプリカ使い
改めリッター4K使い(21歳)
今回一番慌てたガール。
的確な応急処置でネガロを助けた。
二人がなぜ仲直りしたのか実はよく分かっていない。
マリン
- 【モブ兵士】
5~6人いたが無防備にも固まっていたためダイナモローラーに一網打尽にされた。多対一なのに倒せると思われている時点で負けている。
(ウデマエC~B帯の集団)
【スナイパー】
タイミングよく一仕事したがアズキに見つかってボコボコにされた。モブ兵が到着する頃には簀巻きにされていたので援護がない。
モブ
- 【競技用ブキ】
いつものバトルで使ってるブキ。
やられても死にはしないが戦闘不能になったりリスポーンに飛ばされたりする。和平派はこのブキで戦っている。
【殺傷兵器】
文字通り殺す事に特化した武器。
ブキといえば殺傷性のない競技用ブキが主流だったため逆説的にこう呼ばれている。撃たれたら血が出るし死ぬ。
インク弾の性質が違うため競技用ブキより塗りが弱いという裏設定がある。
モブ
- 【余談】
このチーム重量級しかいない!
モブ
- ~おわり~
モブ