お付き合いレベル1
なかなか進展しないリチャヴィン
- ヴィン。
リチャード
- ん。
ヴィン
- お話があります。
リチャード
- はい。
ヴィン
- ……ねえ、僕たち付き合ってるんだよね?そういう事になったよね?
リチャード
- うん。
ヴィン
- 前と変わってないと思わない?
リチャード
- 思う。
ヴィン
- 思うのかよ!
リチャード
- あれ、違うの?
ヴィン
- ヴィン……僕とヴィンは恋人同士なんだから、その……そろそろ、ね?それっぽい事したりとか、どうかなーって……僕は思うんだけど……。
リチャード
- ……恋人同士?
ヴィン
- えっ!?そこからなの!?
リチャード
- 恋人同士に、なったの?
ヴィン
- 違うの!?むしろこっちが訊きたいんだけど!ヴィンにとって付き合ってるってどういう状態なの!?
リチャード
- ………?
ヴィン
- 首を傾げるんじゃないよ!可愛いけど!
リチャード
- …ええと……。付き合うっていうのは、大切な人と、一緒に過ごして。楽しい事や、嬉しい事を、一緒に感じる事。
ヴィン
- おお……なんだかマトモな答えが出てきてる…。
リチャード
- マトモ。
ヴィン
- うん。
リチャード
- あっ!
ヴィン
- えっ!?
リチャード
- 僕とリチャードは、前から、付き合ってた?
ヴィン
- 違うと思うぞ!
リチャード
- ……そうなんだ。
ヴィン
- ……ヴィン。僕の事、好きかい?
リチャード
- うん。好き。
ヴィン
- …僕も、大好きだよ。うん。
リチャード
- これが、付き合うってこと?
ヴィン
- ちが……いや、違うわけではないのか…?いや、でも違う!もう少しこう!こう!
リチャード
- ……こう?何?
ヴィン
- 具体的なその……こう……もっと……!!
リチャード
- ……なに…?わからないよ?
ヴィン
- ……き
リチャード
- き?
ヴィン
- き、き、
リチャード
- き。
ヴィン
- ………ッ、キス!キスとか!ハグとか!そういうのだよ!
リチャード
- …そうなんだ……。
ヴィン
- …ヴィン、あのね。お付き合いをするっていうのは、恋人同士になるって事と同義なんだよ。そこはわかってる……よね?
リチャード
- 多分、今わかった。
ヴィン
- オーケイ……それならそれでいい。
じゃあ、その事に納得はした?恋人同士になるなら付き合うのをやめるとか、そういう気持ちにはならない?
リチャード
- うーん……。
ヴィン
- ……まだ、今なら傷は浅くて済む……やめるなら今のうち……。
リチャード
- うーん。でも、きっと、いつかはこんな風に、いずれ一度は、リチャードと、付き合わないといけないような、気がしてるから。大丈夫。恋人同士でも、いいよ。
ヴィン
- ……よかった……!!
リチャード
- じゃあ、もういい?
ヴィン
- いや!まだ。まだ話は終わってないぞ。むしろ今からが本題だからね。
リチャード
- はい。
ヴィン
- ……でね?恋人同士になったら、恋人同士らしい事をしたくなるものなんだよ。少なくとも僕は!そうしたい!夢見てた!
リチャード
- うん。
ヴィン
- ……それが、つまり、キスやハグや……スキンシップ的な……愛を確かめ合う的な……
リチャード
- スキンシップ。
ヴィン
- そう!そうだよ!人と人は触れ合うことで安心感を得て幸福感を感じるものなんだよ!恋人同士ならなおさら、そういう……
リチャード
- こう?
ヴィン
- ……うん。手を握るのも立派なスキンシップだけど……
リチャード
- ……どうしても、しないとダメ?
ヴィン
- ……ヴィンは、嫌なのか……?
リチャード
- 嫌では、無いけど……。少し、気持ちが、ついていけない。
ヴィン
- ……そ……そうか………。
……わかった。じゃあ、ヴィンがしたくなるまで……待つよ……。待つ待つ……そのくらい待つ……これまでも待ってきたんだから余裕余裕……。
リチャード
- ……うー。そういう顔を、されると。
ヴィン
- ……ごめんね、でもね……僕はもっとヴィンに触れたいし、僕にも触れて欲しいんだ……。
リチャード
- ……じゃあ、こう……。
ヴィン
- ……肩揉み…うん、ありがとう……気持ちいいです……。
リチャード
- ………これは?
ヴィン
- うわっ、後ろから抱きつくのは……!
リチャード
- ダメ……?じゃあ、どうしよ……。
ヴィン
- いや!いい!そのまま抱きついててくれるとものすごく幸せ!ビックリしただけだから!
リチャード
- そう?……それなら。
ヴィン
- ……ヴィンって体温高いね……あったかい。しあわせだ……。
リチャード
- そうなの?……うーん。…あ、でも、これは、リチャードの耳が、良く見える。リチャードは、ヒューマンだけど、耳が大きいよね。だからテクニックを、使うのが、上手なのかな。
ヴィン
- ひゃ……っ耳元に息が……!!
リチャード
- あ、ごめんね。いつも、気にしない所だから、面白くて。
ヴィン
- ……いや、いいです……好きにして……。
リチャード
- そう?
ヴィン
- ………どうぞ……。
リチャード
- ……耳。……ほっぺた……鼻……。
ヴィン
- 観察されている……。
リチャード
- じょりじょり。
ヴィン
- ヒッ!首筋は!
リチャード
- フフ……面白い。
ヴィン
- そ、そう……良かったね。
リチャード
- スキンシップ、面白いね。わかってきた。これなら、僕も楽しい。
ヴィン
- 多分少し違うけど……いいよ、うん……楽しんでくれてるなら……。僕も構われてちょっと嬉しいしね……。
リチャード
- これが、恋人同士……なるほど。
ヴィン
- まあ……端から見れば十分いちゃついてるレベルだと思うよ……うん……。
リチャード
- リチャードも、僕に触るの?
ヴィン
- ……!!……いや、うん、そのうち。ね。ヴィンも触って欲しいって思ってからでいいよ。
リチャード
- そうなの?わかった。
ヴィン
- うん。……でも、代わりに少し……抱き締めさせて。こっちに来て。
リチャード
- はい。
ヴィン
- ………ヴィンは細いなぁ。
……はー…あったかい……。
リチャード
- ……スキンシップかぁ。ふうん……。
ヴィン
- なんで同じシャンプーなのにいい匂いがするんだ……。
リチャード
- ……ねえ、まだ?
ヴィン
- あっ、はい!すみません。離します。
リチャード
- 離れてない。
ヴィン
- だって……。
リチャード
- ……いいよ。何となく、僕も、わかったから。もう少し。
ヴィン
- ……うん。
リチャード
- あっ……くすぐったく、しないでね。
ヴィン
- 善処します……。
リチャード