Fairy2:姉妹の絆と新たな出会い
うちのこ劇場その2
- 私は、小さな時から
お姉ちゃんが大好きだった
ルフレルクス
- ちょっとだけドジなところもあるけど、天真爛漫で、誰にでも明るくて優しい、自慢のお姉ちゃん…エクラレミィ
ルフレルクス
- だから…そんなお姉ちゃんが、私を置いて人間界に飛び出して行ってしまった事が
とてもショックだった
ルフレルクス
- お姉ちゃんが居なくなる前、友達と一緒に人間界を覗きに行ったと話していた
ルフレルクス
- 「あっちにはね!あたし達の知らないものがたくさんあったんだよ!」と、目をキラキラさせながら話していたお姉ちゃんは、あの時にはもう、心が決まっていたのかもしれない
ルフレルクス
- お姉ちゃんはそれから1週間も経たないうちに、居なくなってしまったから
ルフレルクス
- 私の1番はお姉ちゃんだったのに、お姉ちゃんの1番は私じゃなくて、少なくとも、私が知りもしない人間界の何かの方が上なんだ
ルフレルクス
- お姉ちゃんが行ってしまった事も寂しかったけれど、それが何よりもショックで、悔しくて、しばらく泣いてばかりの日々を送っていた…
ルフレルクス
- ねえ、ルーナ?
エクラレミィ
- なあに?
ルーナリエール
- あのね、ルーナって、兄弟っている?
エクラレミィ
- きょうだい?ううん、私はひとりっ子だから、いないよ
ルーナリエール
- そっかぁ…
エクラレミィ
- エクラには兄弟がいるの?
ルーナリエール
- うん。あのね、ルフレルクスっていう妹がいるの
エクラレミィ
- いつも元気いっぱいで、にこにこ笑った顔が可愛い、大好きな妹なの!
エクラレミィ
- それは…ふふ。すごく、エクラの妹らしいなぁ
ルーナリエール
- えへへ。……でもね、あたし、
書き置きだけしてこっちに飛び出してきちゃったから…
エクラレミィ
- ルフレには寂しい思いさせちゃってるのかなって…
エクラレミィ
- こっちに来て、ルーナと出会って、たくさん可愛いものを知って
エクラレミィ
- 人間界に来て良かったって
思ってるし、後悔なんてないんだけど…考えなしで出て来ちゃったから、ルフレの事だけは気になっちゃって…
エクラレミィ
- そう…
ルーナリエール
- ……だったら今度、ココア所長に話しておこう?
ルーナリエール
- え?所長さんに?
エクラレミィ
- うん。もし、ルフレルクスっていう名前の妖精が仲介所にやって来たら教えて欲しいって
ルーナリエール
- 私もね、フェアドルのオーナーとしてある程度の経験は積んだから
ルーナリエール
- そろそろ2人目をお任せしてもいいかもしれませんね、って、ココアさんにお話されたの
ルーナリエール
- そうなの?じゃあ…
エクラレミィ
- ココアさんの許可が出て、その子が私と契約をしてくれれば、2人目のフェアドルとして迎えられるんじゃないかな
ルーナリエール
- そしたらあたし、またルフレと一緒に過ごせるのかな…!
エクラレミィ
- ええ、きっと。私も、エクラの妹さんを迎えてみたいもの
ルーナリエール
- うん…!
じゃあじゃあ、さっそく所長さんのところに行こ!
エクラレミィ
- あらあら、そんなに引っ張らないで…ふふ♪
ルーナリエール
- そっか…ルフレちゃんも
行っちゃうんだ
妖精
- うん。ありがとね、励ましてくれたり、相談に乗ってくれたりして
ルフレルクス
- ううん…元はと言えば、私がエクラちゃんを人間界に誘っちゃったからだし…ごめんね…
妖精
- それはもう何回も聞いたし、そもそも謝るような事じゃないってば。あれは書き置きひとつで出て行っちゃったお姉ちゃんが悪いよ、うんうん
ルフレルクス
- あはは…
妖精
- …私たちみたいな覗き見くらいなら大丈夫だけど、向こうで暮らすには、人間が用意してくれたドールに入らないと暮らしていけないのは知ってるよね?
妖精
- うん。それで、私達の面倒を見てくれるオーナーっていう人と契約するんだよね?
ルフレルクス
- そうだね。だからまずは、そういうお仕事をしている仲介所っていうところに行くといいよ
妖精
- エクラちゃんもそうしているはずだから、そこの人にお話を聞けば、もしかしたらエクラちゃんについて何かわかるかもしれないし
妖精
- それももう何回も聞いたけど、ありがとね。色々調べてくれて
ルフレルクス
- うん。ただ…
妖精
- 分かってるってば。お姉ちゃんが帰ってこないってことは、きっとそのオーナーって人と契約してるって事でしょ?
ルフレルクス
- お姉ちゃんを見つけたとしても、向こうでも一緒に暮らせるかは分からないけどさ
ルフレルクス
- このまま離れ離れなのが1番嫌だから
ルフレルクス
- それでね、お姉ちゃんを見つけたら言ってやるんだ。お姉ちゃんのバカー!って
ルフレルクス
- うん…うん。そうだね。ルフレちゃんがどれだけ寂しかったかはちゃんと伝えないとね
妖精
- あー!やめてよね、ウジウジしてたの思い出すと恥ずかしいんだから!
ルフレルクス
- 恥ずかしい話じゃないと思うけど…
妖精
- 恥ずかしい話でいーの!
ルフレルクス
- …それじゃ、行ってくるね、アイチェ
ルフレルクス
- うん。行ってらっしゃい、ルフレちゃん。エクラちゃんに会えたら、よろしく言っておいてね
妖精
- 任せといてよ。…じゃあね!
ルフレルクス
- ……行っちゃった。寂しくなるなぁ
妖精
- ……っていう感じだよ
ルフレルクス
- うわーん!ごめんね、ごめんねルフレー!
エクラレミィ
- いいよ。だってお姉ちゃんだもん。好きなものを見つけたら一直線なのは知ってるし
ルフレルクス
- ぐす…勝手なお姉ちゃんでごめんね…
エクラレミィ
- いいってば。…そりゃ、私のことどうでもよかったのかなって落ち込んだりしたけど…
ルフレルクス
- そんなわけない!
大好きな妹がどうでもいいわけないよ!
エクラレミィ
- でもほったらかして行っちゃったじゃん
ルフレルクス
- それは…あうぅ…
エクラレミィ
- ……くす。冗談だってば
ルフレルクス
- うわーん!ひどいよぉ!
エクラレミィ
- 今の冗談は、お姉ちゃんを人間界に誘っちゃったからって責任を感じてたアイチェの分だよ
アイチェ、すごく心配してたんだから
ルフレルクス
- あ…そっか…アイちゃんにも
そんな風に思わせちゃったんだ…
エクラレミィ
- 私からは一言だけ
ルフレルクス
- ……お姉ちゃんのバーカ
ルフレルクス
- バカ…ほんと、バカ…!
ルフレルクス
- …ごめん、ごめんね、ルフレ…
エクラレミィ
- バカぁ…!寂しかった…なんでいなくなっちゃうのさ…!
ルフレルクス
- どこにもいかないでよ…お姉ちゃんの側にいさせてよ…!
ルフレルクス
- ごめ……ぅぇ…るふれぇ…
エクラレミィ
- …………
ルーナリエール
- ココアさん…
ルーナリエール
- はい。分かっていますよ
ココア
- ルーナさんのこれまでの経験をもとに、あなたをオーナーからマスターに昇格します
ココア
- つきましては、マスター昇格に伴い2人目の契約が許可されます
ココア
- 見習いマスターとして…どうか、あの姉妹を大切にしてあげてくださいね
ココア
- はい。ありがとうございます
ルーナリエール
- きっと…あの子達に相応しいマスターになってみせます
ルーナリエール
- ふふ、ルーナさんなら大丈夫ですよ
ココア
- 妖精を大切に想うその気持ち、いつまでも大事にして
下さいね
ココア
- ルーナルーナ!
エクラレミィ
- なぁに?ふふ♪
ルーナリエール
- (じー……)
ルフレルクス
- (お姉ちゃん、あんなに嬉しそう…やっぱりなんか悔しいなぁ…)
ルフレルクス
- ルフレも、おいで?
ルーナリエール
- え!?あー、うん、まぁ…
ルフレルクス
- わーい、ルフレも一緒♪
エクラレミィ
- (むぅ…まあ、お姉ちゃん、すごく大事にされてるみたいだし、それは感謝してるけど…)
ルフレルクス
- …負けないから
ルフレルクス
- ルフレー?
エクラレミィ
- ううん、なんでも
ルフレルクス
- ルーナ。改めてよろしくね!
ルフレルクス
- うん。こちらこそ
ルーナリエール
- 一途すぎたエクラが起こしてしまった騒動は、再び姉妹
一緒に暮らし始めた事で落ち着きました
妖精さん
- ルフレはまだまだライバル心の方が強いみたいだけれど…
妖精さん
- それもきっと、いつかはいい思い出になると信じて
妖精さん
- Fairy2:おしまい
妖精さん