*野郎LINEの裏側*その8
ライ主♀。これで最後です。長文駄文でしたが、おつきあいくださりありがとうございました(*´`*)
- 着いた……!
コトネ
- いくぞ!
ライバル
- うん!
コトネ
- …
コトネ
- …
コトネ
- ……。
コトネ
- 大丈夫だ。あとはジョーイさんに任せろ。
ライバル
- う、ん。
コトネ
- 警察も呼んでおいたから。
ライバル
- ん。……。
コトネ
- ……悪い。
ライバル
- え?
コトネ
- 俺が、もっと早くに奥へ行っていたら……あのハネッコは助かったかもしれないのに。
ライバル
- ……。ライバルくんのせいじゃないよ。あの子、もう……冷たく……なって、た。……。
コトネ
- コトネ……。
ライバル
- ジョーイさん、あのポケモンたちもう3日は飲まず食わずかもしんないって言ってた。酷いよ……酷すぎるよ……。
コトネ
- ……。
ライバル
- 全部ロケット団のせいだ。
……許せない。
コトネ
- 俺も、同じ気持ちだ。
ライバル
- う……ライバルくぅん……っ……。
コトネ
- ……。ほら、肩貸してやるから。
ライバル
- ん……。… … …
コトネ
- ……。
ライバル
- くそっ……ロケット団め……。
ライバル
- … …すぅ
コトネ
- ……コトネ?寝た、のか?
ライバル
- ……。動けないな。まあいい。
ライバル
- … …
コトネ
- ……。
ライバル
- …
ライバル
- … …
……はっ!
コトネ
- 起きたか。
ライバル
- ご、ごめん長いこと寝ちゃってた……?!
コトネ
- いや。10分くらいだ。
それよりも……ほら。
ライバル
- あ……。2匹とも。
コトネ
- もう大丈夫だそうだ。
ライバル
- 良かった。本当に……。
コトネ
- 良かったな。
でもまだ安静にしておかないと駄目らしい。
ライバル
- じゃあ私がしばらく面倒見るよ!
私のポケモンと一緒にいたらきっと元気になるはず。
コトネ
- そうか。……お前は優しいな。
ライバル
- ライバルくんほどじゃないよ。
ライバルくんが案内してくれたから、この子たちは助かったんだ。ありがとうね。
コトネ
- ……。ったく。どうせここでコトネの方が優しいって言ったらいたちごっこになるじゃないか。
ライバル
- じゃあ、私たちどっちも優しいってことで!笑
それでね、ライバルくん。
コトネ
- 何だ。
ライバル
- ライバルくんは、どうしてあの場所を知っていたの?
コトネ
- ……何故だと思う?
ライバル
- えっ……その、……えっと。
コトネ
- お前が今考えてることでだいたいあってるはずだ。
ライバル
- じゃあ。ライバルくんロケット団なの……?
コトネ
- 半分正解だ。正しくは、身内がロケット団の一員、……ってことだ。
俺も小さい頃からよく会合に参加させられていた。
ライバル
- そ、そうなの。……。
コトネ
- …………。
ライバル
- ……、
ライバル
- ……がっかりしたか?
ライバル
- ううん。大丈夫、だよ。
コトネ
- 無理しなくていいんだぞ。本当のことを言ってくれ。
ライバル
- 本当に、大丈夫だよ。だって、ライバルくんはロケット団のお手伝いしてないんでしょ?
コトネ
- でも、一つ聞いていい?
コトネ
- なんだ?
ライバル
- その……ロケット団に入ってるライバルくんの身内って、お父さんのこと?
コトネ
- ……ああ。そうだ。
ライバル
- お名前は、……確か。サカキ。
コトネ
- っ?!お前、その名前どこで……。
ライバル
- ライバルくんは、覚えて、ないよね。……なんて言い方は間違いかもしれないけど。
実は私ね、3年ほど前に、あなたとすれちがったことがあるの。
コトネ
- な……?!ど、どういうことだ?どこで俺とお前が……。
ライバル
- 3年前……ロケット団は男の子ひとりに壊滅させられたんでしょ。
その時……黒い服を着て帽子をかぶったおじさんと、赤髪の男の子がお話ししてるところに通りかかったの。
コトネ
- その男の子、おじさんと喋った後こっちにきてさ。
とても悲しそうな顔してたの。だから、私はよく覚えてる。
コトネ
- その時の男の子が今のあなたなんだって。
コトネ
- ……。そんなことも……あった。
でもお前がいたかは全く覚えてない……。
ライバル
- そりゃそうだよ。だって、本当に悲しそうだったもの。
その気持ちでいっぱいいっぱいだったんだと思う。
コトネ
- ……、どうしてそんな大事なことを話してくれなかったんだ?
ライバル
- だってはっきりした証拠がなかったんだもん。ただ言って困らせたくなかったから。
コトネ
- でも、ライバルくんがさっきロケット団のこと言ってくれたおかげで昔会ったその男の子について確信が持てたよ。
コトネ
- ……。お前の言う通りだ。
俺の親父は、サカキ。ロケット団のボスだった。
ライバル
- でも、ひとりの子どもに団を壊滅させられてからは姿をくらませやがった。
ライバル
- 俺たち家族は親父に捨てられたんだ。
俺は、皆の先頭に立つ親父を尊敬してた。俺もいつかあんな風になりたいと……ずっとその背中を追いかけてきた。
ライバル
- ……。
コトネ
- でも、せっかく親父がその人生をかけて築き上げたものも一瞬でパァになったんだ。
ライバル
- 情けないだろ?結局弱いものが大勢集まって威張り散らしてるだけだったんだよ、ロケット団は。
ライバル
- ……。
コトネ
- 俺は親父のやってきたことを恥じた。それに、自分は一生「ロケット団ボスの息子」というレッテルが貼られるのだと死にたくなった。
ライバル
- 俺は親父みたいにならない。一人でつよく生きていくんだと決心したのはこの時だ。
ライバル
- ライバルくん……。
コトネ
- 親父は帰ってこない。もう俺に家族はいない……つもりだったんだが。
ライバル
- お前に知られるなんて思ってもみなかった。
ライバル
- お前にだけは、知られたくなかった。
お前はただ、ロケット団の下っ端が俺の親にいる、とだけ理解してくれたらよかったんだ……。
ライバル
- 私は、嬉しいよ。ライバルくんが隠さず話してくれて。
コトネ
- ……でもな。俺はロケット団ボスの息子で……いつ追手が来てもおかしくない立場なんだ。お前に迷惑はかけられない。
ライバル
- そうやって、息子だ息子だって自分からアピールしてるじゃん。
コトネ
- 家族はいないとか言ってるけど、本気でそう思ってるようには見えないな。
コトネ
- それは、お前にはじめて話すから……。
ライバル
- 確かに、お父さんはあなたをほったらかしにしたのかもしれない。
でも、それにも何か考えがあったんじゃないかな?
コトネ
- まさか。あの親父は昔から俺たちにも本心を明かさなかった。
俺のことなんてどうでもよかったのさ。
ライバル
- それは違うよ。
……あのね、これもはじめていうけど。前に……ラジオ塔がロケット団に占拠された時、私、サカキに会ったの。
コトネ
- ……は?でもお前ラジオ塔にいたよな。俺とバトルしたよな。あの塔に親父はいなかったはずだぜ。
ライバル
- 私が3年前ライバルくんと会ったのと……ついこの間サカキに会ったのはね、セレビィの時渡りを使ったからなの。
コトネ
- セレビィ……?時渡り……?
ライバル
- セレビィは森に住む伝説のポケモンよ。セレビィは時渡りといって、未来や過去へ行くことができるの。
その力で、まずは3年前の過去へ……ライバルくんとサカキが話してる瞬間へ行ったの。
コトネ
- 次に、この間のラジオ塔占拠をロケット団が発表してたその瞬間、私はサカキのいる洞窟へ行ったわ。すると、バトルを仕掛けられたから……勝負したの。
コトネ
- 待ってくれ。あの時、占拠されたラジオ塔でお前は俺と勝負してる間、その洞窟でもお前はサカキと勝負してたってことか?
お前が二人いたのか……?!
ライバル
- そういうこと。あの時あの瞬間だけ、私は二人いたの。ラジオ塔と洞窟。もし鉢合わせになってたら大変だったろうね。
コトネ
- なんだって……。
……。親父がいた洞窟ってわかるか?
ライバル
- ううん。分からない。
でも行っても無駄だと思うよ。私とのバトルに負けた後、どこかへ走り去って行っちゃった。
コトネ
- どうして……バトルなんて仕掛けられたんだ?
ライバル
- サカキはね、あのラジオをきいて、ロケット団復活を決めていたみたいなの。そのタイミングで私たちが目の前に現れたから、新たな出発としてバトルを仕掛けたんじゃないかな。
コトネ
- ……馬鹿だよ。何考えてるんだ、ロケット団なんて……弱いものの集まりなのに。
ライバル
- 確かにそうね。ロケット団はロクな集団じゃないわ。
コトネ
- ……でも、あれだけ部下に慕われているところとか、いざ目の前に現れたサカキを見てると……お仕事に対する考え方?っていうのかな?……が、本当に頼れるおじさんって感じだったよ。
コトネ
- いや、そのお仕事が良いわけないんだけどね。
コトネ
- ……。仕事に一生懸命な親父が好きだった。たまに俺にその夢を語ってくれたりした時は、ちゃんとついて行こうと思ってた。
ライバル
- 生きてた、んだな。……死んだのかと……思ってた……。
ライバル
- ライバルくん……。
コトネ
- 修行、してたら、いつか……また会えると思うか?
ライバル
- うん。私が会えたんだもの、ライバルくんが会えないわけないよ。これからも探していこう?世界は狭いんだから!
コトネ
- ……、…………う。
ライバル
- え?
コトネ
- ありがとう。
ライバル
- どういたしまして。
コトネ
- これからも、俺と一緒にいてくれるよな。
ライバル
- もちろん。こんなことで離れたりしないよ。
コトネ
- ……良かった。
だが、約束してくれ。もし、……もし俺に対して追手が迫る日でも来たら、お前は逃げろ。
ライバル
- なんで!やだよ、そんなの!私だって向き合いたいのに!
コトネ
- お願いだ。お前を巻き込みたくないんだ。
……その、大事に思ってるから……傷つけたくない。分かってくれよ。
ライバル
- ライバルくん……。
……追手なんて来ないよ。絶対に。
コトネ
- ……。そんなの、
ライバル
- 来ない。
コトネ
- ……コトネ。
ライバル
- そんなので今更「はいそうですか」って身を引けるほどライバルくんと浅く付き合ってるわけじゃないよ。
私は信じるから。ライバルくんは大丈夫だって。
コトネ
- そう。……そうだな。じゃあ、俺も……信じることにするよ。
ライバル
- うん。
……これからも、よろしくお願いします。
コトネ
- こちらこそ。
ライバル