twst オクタと過ごす冬休み⑪
オリキャラと監督生がいる4章裏側if話
- オクタと過ごす冬休み⑪
炉岐
- 翌日
炉岐
- 炉岐は寮の掃除した後で修行し、ジェイドに頼まれた植物園のキノコへ水をあげ、図書館で本を借りた。
炉岐
- やはり人が居ないとサクサクと進んでしまい、暇を持て余したので、隠れて色々な所を見て回る。
炉岐
- しかし、学園は冬休みのため変わらずガランとしており、外の空気も合わさり静かであった。
炉岐
- これだけ人もいないのだから、寮だけでなく共有部も掃除しても良いのでは?と私欲により食堂へと向かったのだ。
炉岐
- 貴方、大丈夫?
炉岐
- 暖炉に居た小さな生き物に声を掛ける。
その生き物は、赤色で、耳が尖り、羽が生え、ぐったりとしていた。
炉岐
- アズールさんが言っていた火の妖精かしら.......?
妖精の対処なんてどうしたらいいの?
炉岐
- 困りながら周りをキョロキョロしていたところ、ゆったりと木の板がこちらへ向かってくる。
炉岐
- よく見ると白いもやに包まれていた木の板は、上下に軽く揺れながら暖炉に辿り着いて妖精の隣に置かれた。
炉岐
- そのまま眺めていると妖精は木の板に乗り、自身と共に燃やしていき少しずつ元気になっていった。
炉岐
- まぁ。さすが、魔法の国。
炉岐
- 感嘆の声を上げると 、声が隣から聞こえてきた。
炉岐
- おや、珍しい。女の子だ。
ゴースト
- 制服を着てるけどここの生徒かい?
もし良かったら助けてくれないか。
ゴースト
- 白いもやはいつの間にかはっきりと丸みを帯びた人型をとって、優しく話してきた。
炉岐
- あら、貴方ゴーストね?初めて見たわ。
思ったより紳士的なのね。
炉岐
- この学園にいるゴーストは基本紳士さ。イタズラは好きだけどね。
ゴースト
- そうなの。
それでお願いって?
炉岐
- 聞いてくれるかい。優しいお嬢さん。
ゴースト
- 君が気にしてくれた、この暖炉の火の妖精は、薪をくべなくては力を維持出来ず消えてしまうんだ。
ゴースト
- しかし、その薪運びの担当が今年は居なくてね。代わりの者がいたんだが、その者も行方知れずとなり困っていたんだ。
ゴースト
- そこで私たちが薪運びをしているのだが、私たちではあまり多くの薪を運べず彼女はどんどん弱まってしまっていた。
ゴースト
- だから、君が薪運びを代わってくれないか?
彼女も君が心配してくれて嬉しかったらしいし、話をしたいと言っている。
ゴースト
- 暖炉へ目をやると燃える炎の中で妖精が口を動かし飛び跳ねていた。しかし、声ではなくチリンと鈴のような音はする。
炉岐
- なるほど、事情は分かったわ。
ちょうど暇をしていたし薪運びしてもいいわよ。
炉岐
- ありがとう!とても助かるよ!
ゴースト
- ただ、いくつか聞いてもいい?
炉岐
- もちろんだとも!なんだい?
ゴースト
- どれくらいの薪を一日運べばいいの?それに薪の用意はあるの?
それと、妖精さんとお話はしたいけれど、私は魔法が使えないから声も聞こえない状態なの。
炉岐
- ああ、なんだそんな事か!
取引条件でも持ちかけるのかと思ったよ!
ゴースト
- そうだね、薪は私たちが用意しておくよ。焚べる薪は一日15kgほど。魔法の力と彼女の火加減でそのくらいあれば問題ないはずさ。
ゴースト
- 君も魔法が使えないのなら、この間あの子が使っていた妖精の鈴を貸そう。それで会話出来るようになるだろう。
ゴースト
- 女の子の君に重労働をさせてしまうがすまないね。
ゴースト
- 大丈夫よ。またとない機会だもの。楽しませて貰うわ!
炉岐
- 素晴らしい心構えだねぇ!
みんな君みたいないい子なら良いのになぁ。
ゴースト
- ゴーストに案内され、新しい薪を運んでくると妖精はとても喜んでくれた。
炉岐
- 妖精の言葉も、件の鈴により会話が可能となり沢山おしゃべりをした。
炉岐
- そんなこんなで炉岐は暖炉の火の妖精のために毎日薪運びをする事となった。
炉岐
- 本来ならば暖炉の薪は無くなりそうな頃合いを見て追加でくべなければならないが、そこは魔法の国。
近くに薪を並べておけば妖精自ら取りに行くとの事で、一日分を1回運べば良いとの事だった。
炉岐
- そのため、午後のティータイムに合わせて薪を運び、妖精とお茶をするようになった。たまにオンボロ寮のゴースト3人も来て一緒に色々な話をした。
炉岐
- 学園のこと、生徒のこと、先生のこと、住み着く生き物や植物たち。
妖精とゴーストの目線での話はまた一風変わった話で炉岐は喜んだ。
炉岐
- お返しに炉岐も自分のいた世界や訪れた世界のこと、体験した事柄などを話し、会話は大いに盛り上がった。
炉岐
- たまに帰省していない寮生が食堂に料理をしに来るので、その時は隠れてやり過ごす。そのドキドキ感もまたたまらないと笑い合う。
もちろん当初の目的であった食堂の清掃は済んでおり、ピカピカに磨きあげられているキッチンに首を傾げた者も何人かいた。
炉岐
- しだいに学園に詳しくなり、暇をしていた絵画や彫像などにも挨拶をかけては仲良くなっていった。
炉岐
- そんな日が続いたある日のこと
炉岐