『死刑囚をお食べ』②
御嶽の承諾
- 翌日、伊丹聖子の家には数人の研究員がいた
語り手
- 1 いやぁー随分と散らかってますねぇ
研究員
- 2 しかたないだろう笑笑あんな思考回路のある女の部屋だ、元々綺麗だなんて思ってない
研究員
- お前たち、口はいいからさっさと手を動かせ
小島研究員
- すみませんでしたっ小島研究員
研究員
- 小島は長の右腕のような存在なので小島の言うことは研究員全員従っている
語り手
- 2 あっ、ありました。女と夫らしき人物が一緒に写ってる写真です。
研究員
- ほう?
小島研究員
- そういうと小島は自分の手元の現在の死刑囚の写真が入った本をぺらぺらとめくりながら研究員2の方へ歩いていく。
語り手
- こいつか?
小島研究員
- 小島はある1人の男を指差した。見るからに不健康そうで、髭は生えておらず、骨みたいな男だった。
語り手
- 写真とは違うが、太ってこうなったと言う可能性もあるかもしれん…
小島研究員
- 3 あっ、またありました。今度は違う男のようです。
研究員
- どれどれ…
小島研究員
- 研究員を歩いて回る小島の姿は授業中に教室中を彷徨く目障りな教師のようだった。
語り手
- こいつは、さっきのやつとはまた別人のようだな、背も違ければ、体型も違うな…
小島研究員
- あっこっちも!
研究員
- こっちもです!
研究員
- ここにもありましたー!!
研究員
- まとめて持ってこい!研究所に行って調べよう
小島研究員
- 合計でなんと100枚もの写真が研究室に持ち帰られた。
語り手
- 小島率いる研究員は写真と適合する死刑囚を長時間に渡り探した。
語り手
- すると1人適合した人がいた
語り手
- 名前は御嶽景介。
語り手
- 御嶽…夫ではなかったのか…
小島研究員
- まぁそれにしても関係はあると言うことだ、その人物と面会に行く。
小島研究員
- かしこまりました。長さんにもそのように伝えておきます。
研究員
- 小島はどうも気掛かりであった。そもそも、どうしてこんな発想に至ったのか,そしてなぜ死刑囚に知り合いがいるとわかっているのに食べたいと言い出しているのか、
語り手
- あの女は不思議でたまらないな、
小島研究員
- 小島は手元の写真集の中の情報をかき集め、某刑務所へ行った。そして研究会のカードを見せて特別に御嶽と面会させてもらった。
語り手
- 御嶽…さんですよね、〇〇研究会の小島貴之と申します。本日は少しお話があって伺いました。
小島研究員
- はぁ。
御嶽
- そんな大物が俺に何のようだよ。
御嶽
- はい、実は、貴方の関係者と思われる人物と今実験を行っておりまして、その実験台となるのが貴方とその関係者でございますから本日はその実験にあたり許可を頂戴しにまいりました。
小島研究員
- は?
御嶽
- 御嶽は以前、人を何人も殺めては自分の庭に埋めて「おれは今あいつらの上にだってやってんだぜ?今まであいつらは俺を見下し過ぎたんだよ笑笑」と供述し、裁判の結果死刑と判決された。
語り手
- 誰だよ。その関係者
御嶽
- この方でございます
小島研究員
- 小島研究員は伊丹聖子の写真を見せた
語り手
- えっ。
御嶽
- 男は固まった。
語り手
- しばらくして、ぼそっとこう言った
語り手
- 「何で生きてんだよ。」
御嶽
- 何かおっしゃいましたか?
小島研究員
- あーいや、なんでもねぇ
御嶽
- 確かに関係はあるな
御嶽
- んで、その実験とやらはどう言ったものなのかな?
御嶽
- それはですね,
小島研究員
- 小島は今までのことを全て話した
語り手
- なるほど、あいつの食糧に俺がなるってことね…笑笑おもしれぇじゃん
御嶽
- はぁ、
小島研究員
- 小島もこんなに簡単に承諾を得るとは思っていなかったらしく、少しとぼけた顔をした
語り手