抹茶粉と◯少女
スーパーで買い物をしていると、緑色の着物を着た若い女が深刻な顔で商品棚の前に立っていた。
- あ、抹茶粉が安くなってる!
そーだ!今度先生とコレでお菓子作りしよーっと♪
ヤスちゃん
- もったいない…
抹茶狂
- もったいない…
抹茶狂
- もったいない…
抹茶狂
- もったいない…
抹茶狂
- あの子…さっきからブツブツと何か言いながら安売りしてる抹茶粉を次々とカゴに入れてる…
ヤスちゃん
- もったいない…
抹茶狂
- もったいな…!
抹茶狂
- あっ!
ヤスちゃん
- あの…それ、わたしが買おうと…
ヤスちゃん
- …!
失礼しました、どうぞ。
抹茶狂
- あっ、ありが…と…
ヤスちゃん
- あの…っ!そんなに抹茶を買って何作るんですか?
ヤスちゃん
- …
抹茶狂
- 作ろうと思えば何だって作れますわ。
ただ私はこの光景が…許せないのです…!
抹茶狂
- ゆ、許せない??
ヤスちゃん
- 農家の方々が命をかけて育てた茶葉で作ったこの抹茶粉が、誰の手にも取られないまま安売りにさらされ、挙句の果てに廃棄処分されるかと思うと…ああっ!!気が狂いそうになる!!
抹茶狂
- Σ(゚д゚lll)
ヤスちゃん
- …っと、取り乱しそうになってしまいましたわ。
抹茶狂
- そ、それほど抹茶が好きなのね…!
ヤスちゃん
- 何を言いますか。
抹茶は好きか嫌いかで語る物ではありません。
抹茶は愛の魂で体現するものッ!!
これは今にも捨てられそうな抹茶粉の命を救うという行為なのです!!
抹茶狂
- …(゚д゚)
ヤスちゃん
- す、すごいわ…!うん…!
ヤスちゃん
- えっと…もしよかったら、そのカゴの中からもう一箱もらってもいいかしら?
ヤスちゃん
- もちろんですとも!
貴女が高貴なる抹茶の素晴らしさがわかる方でよかった…!
将来が楽しみですわ!
抹茶狂
- (そこまで子供じゃないんだけどな…)
ヤスちゃん
- 📞えっ?抹茶粉買った?マジか、あ、うん、わかった、うーす
光治
- ?!
抹茶狂
- ち、ちょっと貴方、一体何を?!
抹茶狂
- ?!
光治
- 貴方…この抹茶粉を持っている手をどうしようとしたの…?!
抹茶狂
- なッ?!何だお前?!
光治
- …?!
ヤスちゃん
- さては棚に戻そうとしたな…
許せん……許せんぞ……!!
抹茶狂
- 抹茶を侮辱する者、総じて死すべし!!!
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!
抹茶狂
- な、何あれ?!サイヤ人みたいなオーラが!!
ヤスちゃん
- うっ、うわあっ!!何だお前?!こっち来るなああああっ!!!
光治
- 待アァてエエェェェ!!!!!!
抹茶狂
- (・□・;)
ヤスちゃん
- 早いとこ帰ろ…
ヤスちゃん