小説的な
身内ネタ
- 目覚めたのは、何処とも知らぬ白い空間だった。
- そこに横たわっていたらしい体を起こせば、相変わらず見てるのは白色。どちらが上でどちらが下なのかすらも、分からなくなる程、ただ白い空間だ。
- ここは……?
マイネ
- ポツリとつぶやいた言葉は、その空間に反響して溶けていった。
- 誰も居ない。その事実に、気が遠くなりそうだ。
- ……マイネ。
萌葱姫乃
- 私の、生まれ変わり。
萌葱姫乃
- ふと背中から聞こえた声に振り返る。そこにいたのは、私にそっくりな少女が一人。彼女は一体誰なのか。頭の奥が痛む様な感覚に囚われた。
- あな、たは……誰?
マイネ
- 生まれ変わりって、なんの……こと?
マイネ
- 目の前の彼女は、柔らかく微笑むと私の頭を撫でた。他人に撫でられるというのは、こんなにも心地よいものだったか。母親に撫でられている様な感覚がして、そっと目を細めた。
- そう、覚えてないのね。
萌葱姫乃
- 無理も無いか。前世の事だもんね。
萌葱姫乃
- ……いいわ。私の記憶を貴方にあげる。それを封じるか永遠に覚えているかは、自由だから。
萌葱姫乃
- …………え?
マイネ
- その瞬間、頭に流れ込むのは、何十世紀という膨大な記憶の量。それが1度に流れ込んでくるという感覚。頭が割れそうだ。痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!
- いっ……ああああああああああああああああっっっ……!
マイネ
- 私の意識はそこで途絶える。最後に見たのは、私をそっと抱きしめたあの少女の、悲しげな微笑みだった。
- ……これで、私は消えちゃうのかぁ……。最後に、――君に、合いた、かった、なぁ………。
萌葱姫乃
- その少女が涙を流しながら消えて行ったことは、最早誰も知り得る事は無かった。