ひとり劇場

小説的な

身内ネタ

目覚めたのは、何処とも知らぬ白い空間だった。
そこに横たわっていたらしい体を起こせば、相変わらず見てるのは白色。どちらが上でどちらが下なのかすらも、分からなくなる程、ただ白い空間だ。
マイネ
ここは……?
ポツリとつぶやいた言葉は、その空間に反響して溶けていった。
誰も居ない。その事実に、気が遠くなりそうだ。
萌葱姫乃
……マイネ。
萌葱姫乃
私の、生まれ変わり。
ふと背中から聞こえた声に振り返る。そこにいたのは、私にそっくりな少女が一人。彼女は一体誰なのか。頭の奥が痛む様な感覚に囚われた。
マイネ
あな、たは……誰?
マイネ
生まれ変わりって、なんの……こと?
目の前の彼女は、柔らかく微笑むと私の頭を撫でた。他人に撫でられるというのは、こんなにも心地よいものだったか。母親に撫でられている様な感覚がして、そっと目を細めた。
萌葱姫乃
そう、覚えてないのね。
萌葱姫乃
無理も無いか。前世の事だもんね。
萌葱姫乃
……いいわ。私の記憶を貴方にあげる。それを封じるか永遠に覚えているかは、自由だから。
マイネ
…………え?
その瞬間、頭に流れ込むのは、何十世紀という膨大な記憶の量。それが1度に流れ込んでくるという感覚。頭が割れそうだ。痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!
マイネ
いっ……ああああああああああああああああっっっ……!
私の意識はそこで途絶える。最後に見たのは、私をそっと抱きしめたあの少女の、悲しげな微笑みだった。
萌葱姫乃
……これで、私は消えちゃうのかぁ……。最後に、――君に、合いた、かった、なぁ………。
その少女が涙を流しながら消えて行ったことは、最早誰も知り得る事は無かった。

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投稿日時:2016-06-12 11:13
投稿者:箱庭
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