転校生ウ‘‘ァンパイアころんくんは普通じゃない 5
さとみ先輩「血、吸わせてーー?」
- ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
- 〇〇
中1の女の子。
◯◯
- さとみ
中3 転校してきた男の子。
さとみくん
- ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
- さとみ先輩が向かったのは普段は使わない屋上に続く階段だった。
- その先には鍵がかかっている。
- 生徒に解放されたかとはないから私はきたことがない。
- さとみ先輩がドアのノブに手をかけた
- あの、開いてないですよ?
◯◯
- ん?何が?
さとみくん
- ニコニコ笑って返した
- その瞬間、バキッと音がだってドアノブが回った。
- (壊した!!)
◯◯
- 力を入れてるふうでもなかったのに。
- 素手で鉄製の鍵が壊れるわけがない。
- 今日は雨が降ってるからさ
さとみくん
- 扉の向こうには、灰色の空が広がっていた。
- 外の方が気持ちいよね。
さとみくん
- 頭がクラクラした。
普通じゃない。
- さとみ先輩が言っていることも
目の前で鍵を壊したことも
どこかで納得している自分もいた
- さとみ先輩の後をついていくと細い雨がザーザー降っていた。
- で、俺があの時、何をしてたかも、知りたいんでしょ?
さとみくん
- はい!
◯◯
- あの女の人に、口をつけていましたか?
◯◯
- どうして、そう思うの?
さとみくん
- あの女の人の首に噛み付いたような跡があったからです。
◯◯
- それに、目がーー
◯◯
- 吸血鬼…?
◯◯
- あはは、吸血鬼なんて、おかしな子だね
さとみくん
- 俺の目、みてーーーー
さとみくん
- (えーー)
◯◯
- 青っぽかった瞳がみるみるうちに赤く変化していく。
- 動くな。
さとみくん
- あれ?動ける?
さとみくん
- やっぱり〇〇には魅了(テンプ)の能力が効かないんだね。
さとみくん
- だから、魅了(テンプ)ってなんですか?
◯◯
- じゃあ記憶も消せないってことか。
さとみくん
- 怖い思いさせちゃったら、ごめんね。
さとみくん
- さとみ先輩が力強く握ってきた。
- 痛いっ!
◯◯
- 気づけば私は足が完全に宙に浮いていた。
- きゃあああああ!
◯◯
- 叫んだ瞬間、降ろされた。
- いった…
◯◯
- 〇〇、俺の目、見て。
さとみくん
- や、やだ…
◯◯
- あれ、やっぱりウ‘‘ァンパイア化しても効かないなぁ、なんで?
さとみくん
- ウ‘‘ァンパイアって言った?
◯◯
- 知ってたんでしょ?
さとみくん
- ころんに襲われちゃったりとかした?
さとみくん
- ころん、くんは…
◯◯
- まぁ、あいつなんで度胸ないか
さとみくん
- 血を吸われたら、死んじゃうの?
◯◯
- 飲む量によるよ
さとみくん
- あの、生き物は…⁇
◯◯
- マロンだよ。親父の使い魔。
さとみくん
- さーて、魅了の効かないこの血は、どうかな?
さとみくん
- いただきまーす!
さとみくん
- (怖い!!!)
◯◯
- 私の短い12年間の人生、終わっちゃったかもーーー!