りどるくんとお話(2
またサボってるよ
- あ、きた
私
- っ、はぁぁ…
リドル
- フラミンゴの餌やりを終えて戻ってきたら、そこにアイツはいた。
- いつもの定位置。
壁際に立っている大きな木の枝の上。
- 僕が来た事に気づいた彼女は、寝ていた体を起こして足をブラブラと揺らした。
- …って、何その格好
私
- ウケる
私
- なっ…
リドル
- …フラミンゴの餌やり当番はこの格好をしないといけないんだよ
リドル
- 真っピンクだね
私
- てか、フラミンゴ飼ってるんだ?
私
- あぁ、
リドル
- 見たいな〜、なんて言って、ハーツラビュル寮の奥の方を目を凝らして見る彼女。
- そんな事言っても、そんな目で見つめられても、入れてあげられない。
だって君は、此処の生徒じゃない。
- …無理?
私
- 無理だね
リドル
- えぇぇ〜…
私
- けちんぼリドルぅ、
私
- なっ…仕方ないじゃないか
リドル
- 君が此処に入っている事がバレたら、…
リドル
- 意外とバレないんじゃない?
私
- いや、バレるね
リドル
- なんで
私
- …君は、ちょっと、騒がしいから
リドル
- 遠回しにうるせぇって言ってる?
私
- 酷いなぁリドルは、って笑いながら言う彼女。
- 毎回思うけど、この人は学校を抜け出して大丈夫なのだろうか。本当に。
- …君、無断で此処まで来ているわけではないんだよね?さすがに
リドル
- 無断だよ
私
- …
リドル
- 何故この人は、さぞ当たり前かのようにそう言うのか。
- もう一回、頭ぐりぐりをお見舞いしたいところだ。
- はぁ…君は手に負えない、
リドル
- えっ、どこ行くの
私
- 着替えてくる
リドル
- その間に帰りなさい
リドル
- えー、やだ!
私
- まだちょっとしか話してない!
私
- 少しは話した
リドル
- そう言うと、明らかに不機嫌になり、頬を膨らませる。
…リスみたい。
- 不貞腐れて、そこから動く気配がない彼女に、また溜息をついた。
- …また溜息ついた
私
- …そんなに僕と話したいなら、
リドル
- …?
私
- 連絡先、いるかい?
リドル
- !…いる!
私
- 先程までの暗い表情が嘘かのように、パァッと明るくなる。
- その様子に、思わず笑みが溢れた。
- やったぁ…!
私
- …ふふ、いつでも連絡しておいで
リドル
- そうする!
私
- 少しずつ、君と近づいている気がする。
- 心の距離も、身体の距離も。
- 連絡先を交換した今日は、君と僕が出会って三週間目の水曜日。