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ひとり劇場

りどるくんとお話(2

またサボってるよ

あ、きた
リドル
っ、はぁぁ…
フラミンゴの餌やりを終えて戻ってきたら、そこにアイツはいた。
いつもの定位置。
壁際に立っている大きな木の枝の上。
僕が来た事に気づいた彼女は、寝ていた体を起こして足をブラブラと揺らした。
…って、何その格好
ウケる
リドル
なっ…
リドル
…フラミンゴの餌やり当番はこの格好をしないといけないんだよ
真っピンクだね
てか、フラミンゴ飼ってるんだ?
リドル
あぁ、
見たいな〜、なんて言って、ハーツラビュル寮の奥の方を目を凝らして見る彼女。
そんな事言っても、そんな目で見つめられても、入れてあげられない。
だって君は、此処の生徒じゃない。
…無理?
リドル
無理だね
えぇぇ〜…
けちんぼリドルぅ、
リドル
なっ…仕方ないじゃないか
リドル
君が此処に入っている事がバレたら、…
意外とバレないんじゃない?
リドル
いや、バレるね
なんで
リドル
…君は、ちょっと、騒がしいから
遠回しにうるせぇって言ってる?
酷いなぁリドルは、って笑いながら言う彼女。
毎回思うけど、この人は学校を抜け出して大丈夫なのだろうか。本当に。
リドル
…君、無断で此処まで来ているわけではないんだよね?さすがに
無断だよ
リドル
何故この人は、さぞ当たり前かのようにそう言うのか。
もう一回、頭ぐりぐりをお見舞いしたいところだ。
リドル
はぁ…君は手に負えない、
えっ、どこ行くの
リドル
着替えてくる
リドル
その間に帰りなさい
えー、やだ!
まだちょっとしか話してない!
リドル
少しは話した
そう言うと、明らかに不機嫌になり、頬を膨らませる。
…リスみたい。
不貞腐れて、そこから動く気配がない彼女に、また溜息をついた。
…また溜息ついた
リドル
…そんなに僕と話したいなら、
…?
リドル
連絡先、いるかい?
!…いる!
先程までの暗い表情が嘘かのように、パァッと明るくなる。
その様子に、思わず笑みが溢れた。
やったぁ…!
リドル
…ふふ、いつでも連絡しておいで
そうする!
少しずつ、君と近づいている気がする。
心の距離も、身体の距離も。
連絡先を交換した今日は、君と僕が出会って三週間目の水曜日。

2  

投稿日時:2021-08-28 19:14
投稿者:はるけんおぢさん
閲覧数:3

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