男装乙女ゲーに転生した俺♂
タイトル通りの話。続くかどうかは分かりません💦
- キンコンカンコーン
- 教室に終わりのチャイムが響く。
- よいしょっと
黒賀 慎介
- 俺はカバンを背負い、すぐさま教室から出ようとした。
- 黒賀(こが)、今日ゲーセン行かね？
学生A
- 俺は友達に声を掛けられる。
- あ、ごめん。俺今日行けねぇわ。
黒賀 慎介
- 今日中にやんなきゃいけない事あってさ。
黒賀 慎介
- ＿そう。俺には今日までにこなさなくちゃならない大事なミッションがある。
- ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
- P.M.9:00 自宅
- うわー！またバッドエンドかよ！
黒賀 慎介
- 俺はリビングで悲痛な叫びを上げる。
- 俺が今プレイしているゲームは『Secret Lover(シークレット ラバー)』。
通称『シクラバ』。
- 選択肢が幅広くてかなり難しい、大人気乙女ゲームだ。
- 明日までとか無理ゲーだろ...。
黒賀 慎介
- そんなゲームを明日までにクリアしておけと姉から命令されていた。
- 普通クリアムービーが見たいからって俺に頼むか？
黒賀 慎介
- ゲームの醍醐味(だいごみ)知らねぇのかっての。
黒賀 慎介
- 俺はグチグチと文句を垂れながら、またゲームを再開した。
- ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
- A.M.2:00
- 【クリアおめでとう！】
- 軽快なBGMと共に、画面にクリア表示がされる。
- よ...よ...
黒賀 慎介
- よっしゃあ！やっとクリア！
黒賀 慎介
- 俺は天井に向かってガッツポーズを決めた。
- ここまで本当に長かった...。
黒賀 慎介
- 〜♪
- 今の思いを噛み締めていると、突然スマホの通知音が鳴る。
- ん？なんだ？
黒賀 慎介
- 俺はスマホを手に取った。
- ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
- クリアおめでとうございます！
貴方様は490万人目のクリアユーザーです！
シクラバ運営
- あれ...なんで運営からメール来てんだ。
- スマホと連携してたっけ？
- つきましては、490万人記念として『Newシクラバ 先行体験チケット』を贈呈致します！
シクラバ運営
- シクラバの世界観を存分にお楽しみくださいませ！
シクラバ運営
- ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
- 先行体験チケット？
黒賀 慎介
- ていうか『Newシクラバ』って一体なんだよ...。
黒賀 慎介
- すると突然スマホの画面が真っ白になる。
- ！？
黒賀 慎介
- お、おい嘘だろ！壊れたのか！？
黒賀 慎介
- 俺はスマホの画面をタップしたり電源を切ってみたが、何一つ変わりはしなかった。
- お願いだから直れ！
黒賀 慎介
- しかし画面はどんどん光量が増えていく。
- ...っ眩し！
黒賀 慎介
- 俺は光に耐えられなくなり、ぎゅっと目を瞑った。
- ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
- しばらくした後、俺はゆっくりと目を開く。
- .........え？
黒賀 慎介
- 俺は何故か見知らぬベッドに横たわっていた。
- え、ここどこだよ...！
黒賀 慎介
- ガチャッ
- こら慎介(しんすけ)起きなさい。
今日は転校初日でしょう？
母
- 部屋に知らない女性が入ってくる。
- だ、誰だお前...
黒賀 慎介
- ちょっと寝ぼけてくるの？
母
- え、いやそうじゃ...
黒賀 慎介
- もう。ちゃんとしなさいよ。
母
- これから1年間、貴方は“男”として男子校に入学するんだから。
母
- ！
黒賀 慎介
- 俺の脳内で点と点が線になる。
- ここってまさか...
黒賀 慎介
- シクラバの世界！？
黒賀 慎介
- ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
- ...まさか俺がシクラバの世界に転生するとはな。
黒賀 慎介
- シクラバは“学生恋愛”を題材にした恋愛ゲームだ。
- しかし普通の学生恋愛ではない。
- 主人公は女性だが、訳あって“男性”として男子校に入学する。
- そこでは一切女性だと言う事を明かしてはならないのだが...
- けど俺男だからバレるも何もねぇな。
黒賀 慎介
- 転生したにも関わらず、俺は“男のまま”だった。
- にしても本当イケメンばっかだな...さすが乙女ゲーム。
黒賀 慎介
- 俺は校庭を見て呟く。
- こんなんだと平凡顔の俺が逆に浮くんじゃ...
黒賀 慎介
- っうぉ！？
黒賀 慎介
- ぼすっ！
- 突然目の前が真っ暗になる。
- おっとすまねぇ
黄崎 鈴太郎
- ！
黒賀 慎介
- この声...絶対アイツだよな。
- 俺はゆっくりと顔を見上げた。
- ん？見かけねぇツラだな。
黄崎 鈴太郎
- やっぱり！
黒賀 慎介
- 黄崎 鈴太郎(きざき りんたろう)。
図体はデカいが根は優しい。兄貴キャラ。
- やっぱり？
黄崎 鈴太郎
- あ、いやなんでもない。
黒賀 慎介
- 本来ならここで選択肢が出る筈だったけど...
- 俺は辺りを見渡すが、それらしい物は見つからなかった。
- どうした？
黄崎 鈴太郎
- と、とりあえず自己紹介でもしとくか。
- 俺は転校生の黒賀 慎介(こが しんすけ)。
黒賀 慎介
- えっと...よろしく。
黒賀 慎介
- へぇ転校生か！
黄崎 鈴太郎
- 俺は黄崎 鈴太郎。鈴太郎でいいぜ。
黄崎 鈴太郎
- よろしくな。
黄崎 鈴太郎
- 黄崎はにっと俺に笑いかける。
- 〜っ！
黒賀 慎介
- 笑顔が眩しいっ！！
- リアルだとこんなにも破壊力があるのか...
- ...
黒賀 慎介
- あと2人も攻略対象が残ってるのに、これから大丈夫なのか俺...！
- to be continued